アラフォー主人公を描く、今のいくえみ綾が最高
いくえみ綾先生の連載中の漫画がやたらめったら面白くて好きだ。
『1日2回』、4巻がつい先日発売された。歓喜。
こちらは現在3巻まで出ている。
どちらも主人公はアラフォー(『1日2回』は主人公が39歳、『ローズ~』は40歳)。それでいて、ちゃんと少女漫画。しかしそれでいて、娘がいたり、あるいは妹が子供を産んでいたりする。もちろん仕事もしている。
しかし面白いなあと思うのが――これはあくまで個人的な実感であり、反対意見が存在することも重々承知なのだが――個人的に、「いくえみ男子」に代表されるようなちょっとグダグダ感のあるいくえみ漫画特有の登場人物のテンションが、ぶっちゃけアラフォーの主人公だとものすごく心地よく読めることである。
つまり、もし「いくえみ漫画的葛藤」がこの世に存在するとすれば、それは「10代の青春漫画の主人公」が抱えるものとして読むよりも、「アラフォーのいろいろあった主人公」が抱えるものとして読んだほうが、すごーーく読みやすい!! しっくりくる!!! ということなのだ。
これって案外ほかの漫画家、あるいは作家にも言えることではないだろうか。つまり、「その作家が描くのに適した主人公の年齢って、案外違うんじゃない?」ということである。
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