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今ごろになってブルーマーダーを聴いている話

この記事ではサイクシー(ジョン・サイクス氏とその音楽をサイクシーというらしい?)にハマってしまった話をします…。

おもにブルーマーダーの2枚のアルバムのレビューです。

「今ごろ!?ブルーマーダーから30年経ってるのに?」
「しかもメタルなんて、棺桶に片足突っ込んだ病人の婆さんが?」

…と声がきこえきそうですが、殿(ジョン・サイクス氏)ご本人はすでにわたしより1回りうえの翁(おきな)ですよ…。


「カズオの運行日報」第19話の…

19話は踊り狂う音符と一緒にギターのオノマトペやらアドリブやら描きちらかってて画面が暑苦しいですよねえ…。

19話より…吹き出し外したので若干スッキリ見えますが


「どんだけうるさい曲なんだよ」
…ってのが伝わればいい話なんですが、ここで「鳴り散らかってた」想定の曲はもう30年以上前にヒットしたブルーマーダーの「We All Fall Down」って曲です。マンガ本編末尾にYouTube貼ってあります。

イントロがテレビのBGMに使われたりしたらしいので聴けば思い出す方もいるかもですね。


自分の中でメタル熱が逆輸入

もともと焦げ猫自身がパンクやニューウェイヴが好きだった話はどっかでしましたし、主人公のカズオもギターを弾くようになったのはパンクが発端という設定です。

作画の都合上カズオにレスポール持たせたことだし速弾きができる設定だとカッコいいからメタルも演らせよう、くらいの感じで描き進んでました。

マンガじゃ音は出ないのに(爆)。

が、当然レスポールで速弾きさせるってなったら描くほうも知識がある程度無いと…。
その道に詳しい人に言わせるとKISSのエース・フレーリーはギターがヘタですと。???たしかに速弾きはあまり聴いたことがないが全然ヘタには聴こえないんだけどどうゆうことだろ…?

そもそも、焦げ猫はいまだにハードロック(HR)とヘヴィメタル(HM)の区別がつきません。
聴くのは好きでも演奏はできないので、楽器や機材に関する知識がほとんどないせいでしょうかね。

レスポール速弾き、うまい人…でまず頭に浮かんだのがスラッシュではなくジョン・サイクスでした。

数年前、知人に「Please Don’t Leave Me」とホワイトスネイク版の「Is This Love」を教えてもらい、「おお、いい曲だ」としばらくヘビロテするも、アルバム聴いてみようとか思わずそこ止まりだったんです。

マンガでカズオを描いてくうちに、「もちっと詳しくなるか…」と、ポチったのがサイクス氏の「Loveland」。

DL購入したモノのスクショです

コレはコレですごくよかったのですがバラード集で、メタル…ではないですよね。

もともとメタルのギタリストということは知っていたので、あるときザック・ワイルド氏在籍中のオジー・オズボーンと一緒にホワイトスネイクのサーペンス・アルバス、シン・リジィ、サイクス氏のベスト盤、ブルーマーダー等をまとめてブックオフで買いました。

それがブルーマーダーひいてはサイクシーにハマったいきさつなんですが、自分が描いてるキャラクターに設定した好みや特技から自分も新たな好みを見つける…ってすごい不思議だなと思ったんです。

創作って自分の中にあるものからしか産まれないと思っていたので…。
言うなれば趣味の逆輸入!?
眠っていた趣味がまさに「目覚めた」?ってあるんですね…。


白蛇(ホワイトスネイク)より金切り声(ブルーマーダー)

ホワイトスネイクの名盤「サーペンス・アルバス(邦題・白蛇の紋章)」はサイクス氏の功績あってこそなのに発売前にサイクス氏は白蛇をクビになり…そのリベンジで「サーペンス・アルバスはオレが作ったんだ」と言わんばかりに作成したアルバムが「Blue Murder」(バンド名同名)である…というのが通説になってます。

19話用にトレース模写した「サーペンス・アルバス」のジャケ

…が、個人的には「サーペンス・アルバス」とブルーマーダーの1stはまったく別モノに聴こえます。

「サーペンス…」は綺麗にまとまってるハードロック寄りな雰囲気、、「ブルー…」はダークなプログレ寄りのメタル、という印象。

そもそも、2ndの「Nothin’ But Trouble 」もですが、

サイクス氏の速弾きが自由にのびのびしてるというか才能・本能のままに弾きまくってる感じ

…が、もはや全然違う。

ブルーマーダーの2枚の速弾きで脳天に雷が堕ちた思いでした。
それを、のりちゃんが目を回す姿で表現したかった(笑)。
わたしは白蛇さんよりこっちのが好きです…。

19話見出しにも使った、サイクシーの速弾きで目を回したのりちゃん



初見(初聴?)で楽しめる2nd、聴き込むと味わい深い1st

捨て曲ナシのアルバムってなかなか出逢えないモンですがいちどに2枚も…。

1stは1曲めのRiotがWe All Fall Down とは違うダークなカッコよさ。
このアルバムではそのほかにJelly RollとかBillyが人気みたいですが、個人的にはBillyにもヤラれたもののPtolemyがおもしろいと思いました。
プログレっぽい感じのエキゾチックな長編(いうても6分半ですが)で、このギターソロがまた「(エレキ)ギターの速弾きでこういう民族調の表現ができるってスゴい」と…。

同じく19話に使ったジャケ模写

全体の印象として、1stは非常にセクシーな印象です。


2nd「Nothin' But Trouble」
はそれまでファンだった人たちに言わせると、
「アメリカナイズしすぎ、売れ線狙いすぎ。1stのブリティッシュメタルのよさはどこ行った」
…というようなご意見が多い様子。

猫をぶら下げてるのはいただけないが。これも模写っす

わたしは何がブリティッシュメタルか知らず先入観なくいちどに2枚口開けしてるので、どっちかというと 2ndのパワーで押しまくる感じのファーストインプレッションが凄くて1stは何回か聴かないとボヤけた感じではありました。

2ndはバラード以外どの曲も雷が堕ちまくる感じで振れ幅が大きいですが、1stは雷に対して洪水という感じ!?じわじわと、そばにくるまで気づかず、気がついた時には呑まれてるというか。

たしかにバラエティに富んだキャッチーな曲調やドライでハイパワーな印象の2ndはアメリカっぽいっちゃアメリカっぽい。
が、聴き込むと1stのダークなよさがしみじみきます。こういうのがブリティッシュメタル?

どちらも気に入ってます。


ベースの音も…。

あとギターがスゴいのはもちろんなんですが、「ベースの人もスゴいうまい」とハッキリわかるバンドって少なくないですか?

ジャパンのミック・カーン、デュラン・デュランのジョン・テイラー、ウッドベースですがストレイ・キャッツのリー・ロッカー、マイケミのマイキー・ウェイ、元ガンズのダフ・マッケイガン、BOØWYの松井さん?…それくらいしかパッと浮かばないんですが。

ベースはリズムパートだし悪目立ちしないのが王道らしいですが、ブルーマーダーのベーシストさん超うまいしどっかで慣れ親しんだような音…と思って調べたら、ミック・カーンと同じフレットレスベース」を使ってるそうな。
ジャパンはかなり聴き込んだので反応したのかもしれません。

メンバーの入れ替えがあったらしくよくわからないのですが1st、 2ndともにベースの音もかなりの彩りになってて「植松もこんくらい弾ける設定にしたい…」と思いついたくらいです(プププ)。
ウッドベース買わせたけど、フレットレスベースも持たせるか…。

番外編「みんなで踊ろう」前編より。サイクシーなりきりのカズオと本来ロカビリー好きなのに楽しそうな植松

サイクス氏のソングライティング

そういえば「Please Don’t Leave Me」を教えてくれたメタル好きの知人が、「(サイクシーに限らず)洋楽は歌詞の日本語訳を読まなければよかったと思うことが結構ある…めっちゃカッコいい曲なのに歌詞が女々しいのがわかるとガックリする」
…と言ってました。

なるほどサイクシーの曲も…、
「頼む帰ってきてくれ」「行かないで」系の失恋ソング多いですねえ。
見捨てられ不安がある?

焦げ猫は英語のなかでヒアリングがいちばん苦手ですが、それでも聞こえてくるフレーズを拾っただけで「たしかに…」と思うくらい。

おそらく性格的に情の深い人なんだろうなと思います。
白蛇を解雇されたのも本人は激オコでカヴァデールさん悪者説が拡まってますが、当時のサイクス氏が自分がお世話になったかたがお亡くなりになり悲しみにくれて仕事をほとんどしなかったせいだという説もあり…。

が、カヴァデールさんの来歴をWikiで読む限り、バンドメンバーの首切りは幾度もやっており「サーペンス・アルバス」のときも解雇されたのはサイクス氏だけではなく…全員?
どうもいつも「イイトコ取り」してる感じがしなくもないですね(汗)。

話が逸れましたので憶測はこれくらいにして…、

しかしビックリしたのは、ソロアルバムのバラード集「Loveland」の1曲目に収録の「Everything I Need」…聞こえてくる歌詞のなかに、

Mama left me lonely  and she said no goodbye

という一節が。
(母ちゃんはさよならも言わず俺を独り置き去りにした)

これ、カズオじゃん!

なんという偶然の一致か、カズオは幼少時代にネグレクトを受け、彼氏ができた母親は帰ってこなくなったっていう、プロローグ作「グランジの神様」まんまじゃないですか。
(『グランジの神様』執筆当時はこの曲の存在を知りませんでした)

Everything I Needでは「だからキミを失いたくない、待ってるよ」というような大意の恋の詞が切々と続きますが、このMama left me lonelyってのが「亡くなった」んだったら、こんなに女性に執着するトラウマにはならないと思うんですよねえ。

カズオにはそんなめめしい恋愛はさせません…。

そんなわけでお正月の挨拶用に描いたなりきりカズオ

それはさておきEverything I Needは日本人好みの曲調のしっとりしたバラードの名曲なのでぜひご一聴を。

でも言っとくけど男も女も追いかけると逃げてくよ(爆)。



Best of John Sykes Chapter One


ブックオフで入手(爆)


さいごに…
このBest of John Sykes ~Chapter Oneというアルバムに、
I Don't Wanna Live My Life Like You…って曲が入ってるのですが、コレ、ゴリゴリのパンクですよね?

やはり、UK産まれということで演ってみたんでしょうか…?

HR〜HMのミュージシャンだと思っていたので結構新鮮な驚きがありました&親しみ。

マイケミカルロマンスなんかもパンクバンドなのにうまいギタリストがいる(レイ・トロさん。焦げ猫推しのフランクはリズムギター)バンドですが、パンクと技巧派ギターの組み合わせは最強にして最凶かもです(爆)。

ちなみにMy Chemical Romanceの古典的パンク曲はこちら…Danger Daysに収録のVampire Moneyです。


それにしても、Chapter Twoはいつ出るの?


最近の推しミュージシャンについて書いてみました。
古いアルバム、昔の話ですが、古いモノのなかに新しい発見をした話でした。

記事中のマンガ作品・「カズオの運行日報」第19話はこちら↓

連載中のトラックドライバーのマンガ「カズオの運行日報」では、主人公がパンク〜メタルの得意なアマチュアギタリストという設定です。
おもにギターは番外編でいろんなミュージシャンのコピーを弾かせてますので音楽好きなかたにも読んで頂ければ幸いです。
まぁマンガなんで音はないですけど(汗)。
マガジン↓

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