見出し画像

仮想通貨バブル崩壊がはじまる第13回オックスフォード大学准教授が語る仮想通貨市場永久閉鎖の可能性・テザー社は次のワイヤーカードになる

こんにちは。

今回は「オックスフォード大学准教授が語る仮想通貨市場永久閉鎖の可能性」と「テザー社は次のワイヤーカードになるのか」をテーマにまとめたいと思います。

はじめて、テザー社が監査されていない、他のステーブルコインも監査されていないと知った時にまず思い出したのがドイツのワイヤーカードの破綻です。テザー社はワイヤーカードのようになるのではないかと思い注目しています。

ワイヤーカードというのはドイツのフランクフルト証券取引所上場のモバイル決済などで有名なフィンテック企業でしたが2020年現金の所在不明、不正会計が発覚して経営破綻しました。

最近、フィナンシャル・タイムズとブルームバーグでテザー社について煽り記事のようなものが相次いで掲載されましたので紹介したいと思います。

フィナンシャル・タイムズによる記事

まずはフィナンシャル・タイムズが2021年12月17日付けでテザーCEOジャン=ルイ・ファン・デル・ベルデの経歴について記事にしています。

「テザー社CEO、ITセールスから暗号の国での指揮をとるまで市場に関する専門知識を活用する」というタイトルでテザー社CEOジャン=ルイ・ファン・デル・ベルデ氏のビジネスでの過去の話を掲載しています。

要約)テザーの前はHuashunと呼ばれる中国の電子工場を経営していた。債権者から繰り返し訴えられる、納税遅延の罰金、違法な特許に罰金を科すなどしていたため「深刻な信頼性がなく、法律に違反している」企業の中国政府リストに載っている。このことにより、テザーCEOが中国で他の企業を経営することができない。

テザーCEOが大学卒業後どのような職についていたのか、中国でのビジネスの失敗などを悪意ある感じでセンセーショナルに報じています。

FTXのCEOサム氏にも取材し、テザーCEOは一度しか会ったことがない、自分もよく知らないし、ほとんどの人が知らないのでは、と謎めいた人物としても書かれていました。

このフィナンシャル・タイムズの記事に対し、テザー社はまるでタブロイド紙のジャーナリズムだと抗議しています。

最後のみ)ブロックチェーン技術やWeb3革命の意義を真に学び、理解する努力をするよりも、この記事を書いたFinancial Timesのような記者は、かつて評判の高かった出版社の読者を維持するためにタブロイド紙のジャーナリズムの道を歩むことを選択したのである。

ただこのテザー社による抗議は、記事中の事実関係についての否定はありませんでした。ですので記事の内容は概ね正しいとツイッターなどでは思われているようです。

それで思い出されるのがワイヤーカードです。ワイヤーカードは、2019年1月フィナンシャル・タイムズ紙が不正会計の疑いを報じ、2020年6月に経営破綻しています。

フィナンシャル・タイムズの記事に対する抗議は怪しいところがある、とテザー懐疑論者からはみられているようでした。


ブルームバーグの記事

テザーの場合2021年10月ブルームバーグビジネスがステーブルコインのリスクを報じています。

同じ記事が2021年12月26日に再びツイートされました。

ツイッター訳)トロルが正しく、テザーがポンジースキームである場合、それはバーニーマドフ(米の有名なポンジスキーム)のものよりも大きくなります。そこで、謎を解き明かそうと試みました。

トロルというのはこの場合テザー懐疑論者を指しますが、すごい言いようです。

「テザー社の数十億ドルを見た人はいますか?」というタイトルのとおり、テザー社のステーブルコインに対するドルの裏付けがないという噂が本当かを台湾、プエルトリコ、中国、バハマなど現地に確認しに行きます。

そしてテザー社の歴史に関わった人にも取材し、テザー社が行ってきた怪しい銀行取引の数々を記事にしています。爆笑するくらいひたすら怪しいことが続きますが抑えた筆致で描かれています。

現在690億個のテザーが流通しており、そのうち480億個は今年発行されたものです。これは同社がコインの裏付けとして保有しているとされる690億ドルのリアルマネーを意味しています。

この記事の中ではテザー社のステーブルコインに対するドルの裏付けは確認できていません。しかし記事の中で、以下のように書かれています。

この規模のステーブルコインの裏付けがもしないとするならば大変なことになります。・・・現在米政府関係者はテザーを銀行のように規制することを議論しています。そうすればテザーは最終的に資金のありかを示さなければならない・・・不思議なのは今のところ、非常に大規模で洗練された事業者を含む仮想通貨市場の参加者のほとんどが、そのリスクを一切気にしていないように見えることです。

テザー社の裏付け問題は数年に渡る問題ですので、話題にはなるけどなんとかなっているので、関係者もたいしたことはないと思っていると思われます。

また仮想通貨業界の市場全体が広がり、新規参入者もぞくぞくと増えています。

しかし米政府はステーブルコインについては銀行同様の規制を行う方向でいることは間違いないので来年は改めて問題になると思います。

このブルームバーグの記事に対しテザー社CTOのPaolo氏はツイッターで以下のように反論しています。

テザーがブルームバーグのジャーナリストが仕事を続けるのを助けてくれてうれしいです。彼らが知っている世界は死にかけている。ビットコインとテザーは、金融恐竜を破壊した小惑星である可能性があります。

こちらもテザー社CTOは記事の事実に対する反論はせずにブルームバーグについて批判しています。

ブルームバーグツイッター中の「ポンジスキーム」という言葉ですが、最近フィナンシャル・タイムズで「ビットコインがマドフ式(米有名なポンジ)
ポンジスキームより悪い理由」という記事にもなりメジャー紙でもポンジという言葉がでるようになっています。


オックスフォード大学准教授が語る市場永久閉鎖の可能性

ボストン大学グローバル開発政策センター非専任シニアフェロー、オックスフォード大学歴史学部准教授のロバート・マコーリー氏によるゲスト投稿という形になっています。

このロバート・マコーリー氏の理論、ビットコインはゼロサムゲームでなく、マイナスサムゲームだという議論はとても興味深いので後日紹介したいと思います。記事の最後を紹介します。

「ビットコイン崩壊の引き金となり得るのはステーブルコインの崩壊である。規制や情報開示がないため、大きなステーブルコインが破綻することは想像に難くありません。これは仮想通貨のエコシステムを混乱させ、ビットコインの入札ができなくなる可能性がある。市場は永久に閉鎖されるかもしれない」

「ビットコイン崩壊の引き金となり得るのはステーブルコインの崩壊」とのことですが暴落王子も同じ考えです。

ロバート・マコーリー氏はステーブルコインが破綻した場合、ビットコインの入札ができなくなる可能性があり、市場は永久に閉鎖されるかもしれないとしています。


テザー社の持つコマーシャルペーパー

テザー社は保有資産を中国の恒大集団をはじめとする中国不動産企業のコマーシャルペーパーで持つとされています。

恒大集団が破綻した、一部破綻した、破綻していないと報道されていますが、テザー社が保有するコマーシャルペーパーは紙くずになっていると思われます。

結論:Evergrande(恒大集団)の資本金はわずか39億円ですが、2兆円の融資を活用しました。 Evergrandeは、破産清算を正式に発表するときに返済する資産を持っていません。恒大ドルの巨額の借金は、実際にはトイレットペーパーになっています。


結論

上記ブルームバーグの記事にはウォール街トレーダーへの取材の中でテザー社はコマーシャルペーパーは保有していないのではないかと思われる記載もありました。

しかし確認できない以上テザー社の主張に従うことにします。するとコマーシャルペーパー分は既に価値がなくなっていることは明らかです。

ワイヤーカードは現金の保有が確認できない不正会計でしたが、テザー社の場合不正会計がなかったとしても(十分不正会計を疑われる状態ではありますが)、ステーブルコインの規制が導入されなかったとしても、すでにドルの裏付けのコマーシャルペーパー分は無価値です。あとはいつ公表され問題になるのかだけです。

「テザー社は次のワイヤーカードになる」というのが暴落王子の結論です。この場合ステーブルコインの崩壊による仮想通貨市場への影響は大きく長期間取引停止になると思われます。もしくはロバート・マコーリー氏のいうように市場は永久に閉鎖されるかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。































この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?