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見えなくても歯は大事

またまた書くネタがなくなったのでコンテストからお題を拝借。

そう言えば見えない友達がどうやって歯のケアをしているか、全く聞いたことがなか
った。
みんなそれぞれそれなりにケアをしているだろうけれど、実際そういったテーマで話
をしたことがなかった事に今更気づく。
見えないからと言って歯医者で困る事はあまりないからかもしれない。


歯医者に一人で行っても大抵衛生士さんか事務の人か、とにかく誰かが誘導してくれ
る。見えなくて困るのは口をすすぐ水が入っている紙コップがどこにあるかわからな
いので手探りしたり、口をゆすいた時水を吐き出していい所を手で確認したりしなけ
ればならないくらい。

治療台に乗ったらもうまな板の上の鯉なのは目が見えようが見えまいが関係ない。私
たちは歯医者さんの手元が見えないからこれから何をされるかわからないけれど、歯
医者さんはその都度説明してくれるし、手元が見えたら見えたでそれも恐怖心を煽る
という可能性もなくはないだろう。


今年初めて区から歯科の無料検診のお知らせが来たので早速歯医者に行った。その時
歯のケアについてどれくらい知識があるかの質問をされたが、私は全てに正解した。


目が見えない事とは関係ないけれど、私は昭和なわりに、歯の健康については比較的
意識が高い方だと思う。


一病息災とはよく言ったもの。私は小さい頃から鍼で体質改善をした20代後半まで半
年に一度は虫歯治療に歯医者通いをしていた。

歯磨きこそ推奨されていたけれど、定期的に歯石を取ってもらいに歯医者に行くなん
て習慣がなかった時代である。


一方、顎が小さいので永久歯が全部うまく収まらず、変な所に歯が生えてきたりして
いたので、中学生くらいの頃には歯列矯正もしていた。

昭和の歯列矯正は今と違ってかなり過酷。
入りきらない歯は抜くしかない。抜歯をしたけれど、当時の麻酔の注射はかなりぶっ
とく痛かった。

ブリッジで絞めるのも痛かったけれど、歯列が整った後、それを固定するために歯の
ない入れ歯のようなものをかなり長い期間装着しなければならなかった。
ここで驚いたこと。顎をプラスチックでカバーしてしまうと物の味が全くわからない
。と言う事は入れ歯にしてしまうとこの状態になるのか?

ここで私は歯は大切にしなければならないということに開眼した。


一方、前述の通り虫歯治療もしていたので、歯医者に行くことが多く、歯磨きも指導
してもらった。そして歯ブラシは1ヵ月毎に変えること、強く磨いてはいけない。磨
く時は歯茎と歯の間を丁寧に磨ということを早々に叩き込まれた。

昭和の時代、予防歯科の啓蒙活動は今ほどされていなかったので、歯医者で直接指導
されない限り知ることができなかったあれこれだ。


それから更に驚いた事は、20代後半から鍼治療で体質改善をしてから歯医者に行く頻
度が俄然減ったことである。
虚弱体質から復活したら、歯も強くなった。これもびっくりな発見だった。
体は全部つながっていることを実感。


一方私の母は若いころからほとんど歯医者には縁がなく、8020も実現していた。
しかし年齢とともに歯茎が弱くなり、だんだん歯が倒れてきて歯並びも悪くなり、う
まく歯を磨けなくなっていった。
歯も大事だが土台があってこそだ。

おかげでうまく歯が磨けなくなり、最後はかなり虫歯がひどい状態になっていた。
そう考えると全部自分の歯と言うのも逆に厄介なのだろうか。


老人ホームに入った後も、私が歯磨きについていろいろアドバイスをしたけれど、人
数に対して洗面台が少ないからまともに歯を磨けないと言っていた。


最近は歯科衛生士の柳沢弘子さんのNoteを読みながらいろいろ勉強させてもらってい
る。

見えないので鏡で歯の状態を確認することはできないけれど、舌で歯をなぞってつる
つるかどうかを確認しながら歯を磨くようになった。


歯間ブラシは使っていたけれど、フロスが1番大事だと言う事は今まで知らなかった
ので、最近導入した。
これは見えなくても練習すれば手の感触でできるようになる。

子供の頃の標語に「よい歯でよく噛みよい体」と言うのがあったけれど、これは生涯
を通して心に刻んでいきたい標語だ。

見えない人にとって食べることは数少ない楽しみの一つ。見えないなりに楽しく一生
を終えるためには歯の健康は絶対不可欠。

目は見えるようになる事はないけれど、おいしいものは死ぬまでがっつり食べていき
たい。

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