見えなくても何でもかんでも障害のせいにするのはいかがなものだろうか
若い頃の不気味な思い出。
視覚障碍者のおじさんおばさんが主宰しているピクニックに参加した。その時誘導ボ
ランティアとして来ていた人に手が悪い人がいた。手引きをしてくれたのはありがた
いが、「自分は障害があるから恋人がいない。だから恋人みたいに手をつないで歩き
たい。」と言われた。
手が不自由だから恋人ができないってどういうこっちゃ?!それって私のような重度障
碍者に喧嘩売っとるんかと憤った。当時は今よりとがっていたのだ。
。私は「今全盲の人と付き合っているんですけど。」と、暗に「おめえに彼女ができ
ないのは障害のせいじゃないよ」という意味を込めて返事して、正しい誘導の仕方を
お願いした。
基本、視覚障碍者の誘導は肘や方につかまらせてもらう。
手をつないだり相手にホールドされると自由に動ける範囲が狭まり自分のペースを維
持できなくなる。要するに危険なのだ。
他にも自分は白内障で目が白いから友達ができないんだと言っていた人がいる。
障碍者は、いや障害がなくても何か不都合なことがあると本来の原因とは違うところ
に理由を持ってくる人がいる。そういう意味では障害はいい隠れ蓑になる。
実際私も「あんたは何でも目のせいにできるからいいよね」と言われたこともある。
一方見えないからできないことも怠慢だと勝手に解釈されることもある。
職場でデータの更新をしようと思ったら、パソコンのカリカリいう音はしているのに
音声ソフトは何も言わない。
よくパソコンを教えてくれる友達が、「中途失明の人はせっかちで音声が反応しなく
なるとすぐにあちこち触るからいけない」と言っていた。確かに先天の視覚障碍者の
方が忍耐強い人が多い気がする。
彼女の言葉を思い出し、5分くらいは待ったけれど、反応なし。
なぜか私に対して謎のマウントを取りたがる晴眼者の派遣女性に聞くのは嫌だったけ
れど、もう仕方ない。今画面上ではどうなっているかを聞いてみた。
すると画面の下の方で円がぐるぐる回っているとの事。要するにまだ更新が終わって
いないらしい。
これは視覚障碍者用音声ソフトでは反映されないから見えないと確認できないやつだ
。
私は画面が見えないので普段から音声出力ソフトを使ってパソコンを操作している。
会社ではうるさいので、イヤホンで音声を聞いているのだが、これを外して音声ソフ
トでは今の状況を確認できないことを説明した。、それでも彼女的には私は怠慢だか
らできないという事になった。
世の中には見えないと絶対にできない事とできるかもしれないけれどやらない方がい
い事と、自分でやったほうがいいんじゃないかという事がある。
もちろん個人の能力差も大きいのでそこらへんも考慮の余地ありだ。
そういった背景をわかっているわけではないのにとことん上から物を言う健常者が意
外と多いのも確か。だから本人に聞きましょうという事にはなっているけれど、障碍
者側も「見えている人が全部やってよ」とか「できるできる詐欺」の人がいるので要
注意。
また、障碍者の中にも自分だけは違うんだと、同じ障碍者を差別したり虐待する人も
いるから厄介だ。
何年も前だが、朗読ボランティアさんとの交流会でお弁当のふたを閉められなくてう
ごうごしていた全盲の女性がいた。その彼女が視覚障碍者就労ナントカの功労者とし
て表彰されたらしいという話を聞いてびっくりした。
よくわからない主宰が「できるできる詐欺」に引っ掛かったのか?!
それとも彼女は努力して弁当の蓋を閉められるようになったのだろうか?
ところで「目が見えないから○○できない」という場合、原因は目だけにあるのでは
ない場合が往々にある。「環境障害」というやつだ。
弁当の蓋を閉められないとかもよく話を聞いてみると家庭環境などに起因することが
ある。
かわいそうだからと親が何でもかんでもやってあげるとただぼーっとしていれば、誰
かがやってくれるのが当たり前だと思ってしまう勘違い障碍者ができてしまう。
弱視の友人の職場に講演に来たパラ選手の視覚障碍者。母親が誘導でついてきたのは
いいけれど、お弁当を出したらお母さんが彼女が嫌いなものをあらかじめ蓋の上に外
してあげていたそうだ。ちなみに彼女は子供ではなく成人だ。
有人も周りにいた健常者職員もあっけにとられ、「いくらスポーツができてもうちの
職場じゃ雇えない」という事になったそうだ。
中途障害の人でも家族に何でもかんでもやらせている人がいる。
こういうことが当然だと思って生活している人は、本人と家族の双方が意識を変えな
い事には普通の社会生活は送れないだろう。
そしてその延長線上に「障害があるから恋人ができない」という理屈が生まれるので
はないだろうか。
障害と「モテ」は関係ない。魅力があれば五体不満足でもモテる人はモテるのだ。
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