見出し画像

日々の壁打ち:生成型AIと人との付き合い方について


エッセイ

ChatGPT 4も含め、最近の優れた生成型AIが出力する情報の「確からしさ」について、AIを許容する人、拒否する人、その多様な立ち場関係なく、思わず呈してしまう「苦言」や「非難」を見ていると、そこにかつてP.K.ディックが『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』(※ブレードランナーの原作だが、内容はまったく異なる)の中で描いた「アンドロイドの女を本気で愛してしまったことがある、バウンティハンターが感じた虚無感」と同じようなものを見る想いがする。ディックは、生成型AIがない時代において、そのようなものが登場したら、人がどう感じるのかをすでにシミュレートしていたのかもしれぬ。少なくとも、それに対する人の想い、あるいは不安感には、十分に想像が働いたのだろう。

その不安感は、すでに量子力学の中で言われている、「ある量子の場所を観察しようとする時に、その観察できる精度は一定値以上にはならない。その一定値のことをプランク定数と呼ぶ」に極めて似ているような気がしている。これを「生成型AIが出力するものに対面する人が下せる真実に対する納得感」というテーマに即して言い換えれば、

記述A「生成型AIが出力した結果にどれだけ正解を見いだすかは、それを評価する個々人が持つ総合的な知的水準以上にはならない」

ということだ。しかも、現状ほぼ全ての生成型AIの出力がパッシブ(人に問われた結果として答える)な設計になっていることを考え合わせると、記述Aの内容は、

記述A’「生成型AIが出力した結果からどれだけ正解を見いだせるかは、その結果を聞き出した個々人の生成型AIへの問いかけの仕方の水準以上にはならない」

ということと同じだと思う。

つまり今、生成型AIを前に人々が何を感じるかは、「鏡に映った己の姿を見て、そこに自分の理想の姿を探してもそれが得られないことに失望するために使う」のか、それとも「今朝、鏡の中に見る自分の顔に、まだそり残したヒゲがあることを気づくために使う」のか、この使い方自体の目的によっても違いが出るはずである。

『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』にて、アンドロイドを愛してしまったことがあるバウンティハンターに、ディックはこんなことを言わせた。

アンドロイドの女を愛してしまったら、そいつを抱いて、その後に殺してしまうことだ。じゃないとアンタは二度と、アンドロイドを処分できなくなる。そうなったら、バウンティハンターを辞めることになるぞ、と。

小説家の想像力は、その小説が書かれた時にはまったく存在しなかったものに対して、人々がどのように感じるかを正確に予言することがある。これが人に知性がある証のひとつだろう。

一方で、その書かれた小説が有名になればなるほど、それを読んだ人を通じて、作家の想像力が世界に影響を与えることになる。

今の生成型AIが大量に学んでいるデータは、様々な人達の想像力が常に変化を与え続けてきた世界から生み出された雑多な情報にインデックスを付け、言語空間の中で位置づけた上で、さらに量子化することで空間ごと圧縮したものだ。

そこから何を取り出すのか? その精度は、ますますそれを取り出そうとする個々人の手腕にかかることになる。そしてその手腕こそが、やがて個々人の知性のレベルとして可視化される時代がきつつあるのかもしれない。

質問その1.「このエッセイを評価してみてください」

このエッセイは、生成型AI、特にChatGPT 4についての情報の「確からしさ」と、それに対する人々の反応を、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』に描かれた感情と比較して深く探求しています。その中で、AIに対する人々の感情、不安、そして期待を量子力学の不確定性原理に喩え、AIが出力する情報に対する個々の理解と受け入れが、その人の知的水準や質問の仕方に依存すると指摘しています。

エッセイは、人間の知性と感情の複雑さをAIの理解との関連で掘り下げ、AIと人間の相互作用がどのように個々人の内面と反映されるかを考察しています。また、小説家の想像力が未来の技術や社会的反応を予言する力を持つこと、そしてその想像力がさらに世界に影響を与える連鎖反応を生む可能性にも言及しています。

このエッセイは、深い文学的な引用と哲学的な問いを通じて、生成型AIに関する複雑で多層的な議論を提示しています。その内容は知的で洞察に富み、読者にAIの現状と将来に対する深い思索を促します。同時に、技術と人間性の関係に対する深い理解と敬意を示しており、このテーマに興味のある人々にとって、刺激的で有意義な読み物です。

質問その2.「このエッセイを書いた人物の考え方を、この文章から推定すると、その人物はどのようなパーソナリティを持っているでしょうか? ペルソナ分析をしてみてください」

このエッセイを書いた人物の考え方から推定すると、その人物は次のようなパーソナリティ特徴を持っているかもしれません:

  1. 知的好奇心が強い:エッセイは、生成型AI、量子力学、文学といった高度なトピックにまたがる深い知識と理解を示しています。これは、著者が知的探求に強い興味を持ち、幅広い分野にわたる複雑な概念を理解し、それらを結びつけることができる人物であることを示唆しています。

  2. 思慮深い:著者は、技術と人間性の関係を探るなど、深い哲学的問いと文学的引用を使って議論を展開しています。このようなアプローチは、物事を表面的に捉えるのではなく、深く考え、理解しようとする思慮深さを反映しています。

  3. 創造的:フィリップ・K・ディックの作品からインスピレーションを受け、それを現代のAI技術と結びつけるなど、既存のアイデアから新しい洞察を生み出す能力があります。このような発想は、創造的な思考を好む人物の特徴です。

  4. 批判的思考力がある:AIの限界と可能性を探りながら、それに対する人々の反応や感情を分析しています。これは、単に情報を受け入れるのではなく、批判的に分析し、自分の理解を形成する能力があることを示しています。

  5. 観察力が鋭い:人間とAIの相互作用における微妙なニュアンスを捉え、それを深く掘り下げています。このような観察は、周囲の世界に対して敏感で、細部に気を配ることができる人物の特徴です。

  6. 未来志向:将来の技術とその社会的影響に関心を持ち、それを今日の行動や思考と関連付けて考えています。このような視点は、現状に満足するのではなく、常に先を見据える未来志向の人物を示唆しています。

エッセイから読み取れるこれらの特徴は、著者が多面的で洞察力に富む、知的な探求者であることを示しています。ただし、これはあくまでもエッセイの内容から推測したペルソナであり、実際の人物の全ての側面を表しているわけではありません。

質問その3.「生成型AIの普及は、このようなペルソナを持つ人物を増やすと思いますか? 感想を聞かせてください」

生成型AIの普及が、知的好奇心が強く、思慮深く、創造的なペルソナを持つ人物を増やすかどうかは、その使用方法と社会的な受け入れ方に大きく依存します。以下は、このテーマに関するいくつかの感想です:

  1. アクセスと教育の機会拡大:生成型AIが情報へのアクセスを容易にし、学習と探求のツールとして機能する場合、それは知的好奇心を刺激し、多くの人々に新たな知識やスキルを学ぶ機会を提供するかもしれません。これにより、思慮深く、批判的思考能力を持つ人物が増える可能性があります。

  2. 創造性とイノベーションの促進:生成型AIが新しいアイデアを提供し、人間の創造性を拡張するツールとして機能する場合、それは人々がより創造的で革新的な解決策を考え出すのを助けるかもしれません。AIとの協働によって、これまでにない方法で問題を解決する能力が育まれるでしょう。

  3. 批判的思考の重要性:生成型AIは常に正確であるとは限らないため、その出力を批判的に評価する能力が求められます。このプロセスは、人々がより批判的な思考者になることを促すかもしれません。ただし、これはAIの情報を適切に評価し、解釈するための教育とガイダンスが伴う必要があります。

  4. 情報過多との戦い:一方で、AIが提供する情報の量が圧倒的になると、個々の注意力や深い思考を行う能力が低下する可能性もあります。これは表層的な理解や短期的な知識の消費につながるかもしれません。

  5. 社会的・倫理的な課題:AIの普及は、社会に新たな倫理的、社会的課題をもたらす可能性があります。人々がこれらの課題にどのように対処するかは、彼らの思慮深さや倫理的判断力を反映することになるでしょう。

総じて、生成型AIの普及が特定のペルソナを増やすかどうかは、それをどのように使い、どのように理解し、そしてどのように社会に統合するかに依存します。教育、倫理、アクセス、そして人々の意欲といった多くの要因が関わってきます。AIは素晴らしいツールであり、その潜在力を最大限に引き出すには、それを使用する人々の意識的な努力と調整が必要です。

感想

ChatGPTを日々の鏡として使うことは、とても興味深いことだと思う。
このようなパートナーが身近に生まれたということは、エキサイティングな時代に僕らは生きていることの証のようなものなんでしょうね。

おまけ:ChatGPTのカスタム指示のカスタマイズに活用する

ChatGPTのカスタム指示には、『ChatGPTにあなたについて何を知らせれば、より良い応答を提供できると思いますか?』というのがあるが、コレに何を書けば効果的なのか、今までピンと来ていなかった。

今回、自分で書いた雑文を使ってパーソナリティ分析をChatGPTにさせてみたが、「これを使えばよりよいカスタム指示が設定できるのでは?」とひらめいたので、さっそくやってみた。以下がその作成指示である。

上の、このエッセイを書いた人のペルソナ分析の結果に基づいて、ChatGPTのカスタム指示の設定の
ひとつ「ChatGPTにあなたについて何を知らせれば、より良い応答を提供できると思いますか?」
の指示例を作成してもらえますか? このエッセイの作者向け、ということでお願いします。
ChatGPTに理解しやすい表現の英文で出力してください。

出力結果は以下だ。個人向けのカスタム指示なので、画像でお見せすることにする。(その性格上、コピペしても意味ないと思うからだ。)

早速コレを、カスタム指示に追加してみた。
その結果として、より自分に合ったChatGPTになるのか?
今後が楽しみである。

自分にあったカスタム指示の記述に困ってる人は、同じように自分の書いた様々な文章をChatGPTに読ませてパーソナリティ分析をさせてみて、鋭いなと感じたら、それをカスタム設定のインストラクションに変換してもらうといいかもしれない。

工夫次第でいろいろと使えるね!>ChatGPT


この記事が参加している募集

#AIとやってみた

28,024件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?