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日々の壁打ち:自分専用にカスタマイズしたChatGPTとの会話の記録を、さらに未来へと活かすことはできるのか?
ChatGPTで、自分のためにMy GPTsを開発すると、とても面白い体験を味わえる。このnoteは、My GPTsとの付き合い方の記録である。
はじめに
My GPTsとして、GPT Builderで開発した自分用のGPTsをいくつか使っているが、その中でほぼ毎日のように使っているのが、昨晩の米国市況を簡潔に見やすい形でまとめてくれる、『U.S. Market Summary』というGPTである。
『U.S. Market Summary』の紹介
![](https://assets.st-note.com/img/1703321977191-OOnPozRuJk.png?width=800)
このGPTは、米国市場が開かれた日には毎朝Bloombergに掲載される、昨晩の米国市況を伝える記事を、一定のフォーマットでまとめ直すものだ。Bloombergの記事自体がコンパクトで読みやすいものではあるが、朝の忙しい時に、それをじっくりと読むための時間をとるのもそれなりに根性が必要だ。しかもそれが毎日つづくので、「それならば」ということで秘書代わりのGPTを設計したという次第である。
週末ならではの使い方
さてこのGPTだが、週の終わりの土曜日にはちょっと違った使い方がある。それは週間5日分集まっている、昨晩の米国市況のまとめデータを5日分まとめて横断面的に分析することだ。実はコレがやらせたかったので、『U.S. Market Summary』を設計したのだが、この機能がなかなか役に立っているので、簡単に触れてみる。
『U.S. Market Summary』の各日のアウトプットは以下のようなものだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1703322225366-6gXIAuyAnl.png)
これをマークダウン形式のテキストデータとしてためておく。週の終わりにはそれが5日分揃ってることになる。
それらに対して以下のような点から、再度分析をさせる。
STEP 1:各日ごとに各市場で起こったエピソードをまとめさせる。
STEP 2:各市場の主要指数について、週頭での終値と週末での終値を比較させることで、週間の変化を表にする。
STEP 3:それらを元に各市場の総評と、次の週の展望を出させる。
それぞれステップごとに見てみよう。
STEP 1:各日ごとに各市場で起こったエピソードをまとめさせる
このステップの出力は以下のようなものだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1703319482765-Bg3B8sVTdL.png?width=800)
この段階では、「改めて各市場で、今週なにがあったのか?」を、自分自身も思い出すためにGPTに出力させている。この過程を通して表示されたレポートをざっくりと確認することで、今週の市場で起こったことのイメージを自分の中に作りだしておく。このイメージがないと、これから先GPTが出してくるレポートにハルシネーションが混ざり込んだ時に、それを排除できなくなるからだ。
STEP 2:各市場の主要指数について、週頭での終値と週末での終値を比較させることで、週間の変化を表にする。
次のステップは表形式で週間変化の頭と尾を確認する。
![](https://assets.st-note.com/img/1703319720936-W5I5BoLiYY.png?width=800)
ここで大事なのは、表示されている数字が、毎日の記録と合っているかである。特に「週変化」と「変化率の%」は、このレポートで新規に追加される情報だ。それらは元データにある値を元にGPTが計算するのだが、そもそもその計算するデータが間違っていてはなんにもならない。
間違ったデータを採ってこないように対策はしてあるが、完全な保証はない。だからこそ、それらのデータを念のために記録と照らし合わせることで、確実性を図る訳だ。
と、偉そうなことを書いているが、やることは大したことはない。手元にある月曜日のログと金曜日のログから、各指数の値が間違っていないか確認してやるだけでよい。それだけでGPTがきちんと与えたデータをクロールしているかどうかの確信が持てる。
STEP 3:各市場の総評と、次の週の展望を出させる
STEP 3が最終的な目的としての分析である。
ここで今週、各市場で起こった出来事の横断面的な評価と、それらが次の週に影響を与える可能性がある事項を抽出させる。これは、今週の結果から近い未来を予測することだ。言葉によるモメンタム分析のようなものだと考えてもらえればいいだろう。
その出力は以下のようなものだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1703320267738-eOP6xFo6CM.png?width=800)
このレポートをもらう時には、読む側にも同じように週間を通じた市況感のイメージがあるから、このレポートが有意なものかどうか判断できる。とてもコンパクトにまとまっていて、なかなか良く出来ていると思う。
予測の精度を確認してみる
ここで、もう1つステップを追加してみよう。それは、
追加するSTEP:先週、まったく同様の過程でGPTに出させていた、今週の市況予測を、今読んだばかりの事実に基づくレポートと比較させることで、予測の精度を検証する。
こういうことをサッとできるのが、ChatGPTのよいところだろう。
以下がその結果だ。別途保存してあった今週の予測テキストも含んでいるので、少し長めの出力になっている。
![](https://assets.st-note.com/img/1703320709207-axNIUyb94u.png?width=800)
レポートを書いているのはChatGPTだが、今週の出来事に関しては概ね予測の方向性は悪くなかったようだ。実際のところ、この手の順張り的な予想ならば、気候が穏やかな時期の天気予報と同じで、「概ねなら、良い筋の予測ができる」ことはよくある。
来週、市場で起こりうることをGPTに予測させる
同様に、今週の市況を元に各市場別にどんなことが起こりうるか、週明けの予測させてみる。その出力は以下だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1703321070621-3ixJFD66Dd.png?width=800)
どれほど妥当性があるかチェックするのが、今から楽しみである。
これらの予測をどう活かすのか?
さて、GPTがレポートしてきたこれらの週明けの各市場の予想、いわば未来の予測は本当に役に立つのか?
ここでは、「来週ダウはいくらぐらいになっているのかしらね?」みたいな具体的な数値は出させていないし、「なんか今すぐ上がりそうな、美味しい銘柄はないの?」みたいなことも聞いてない。
しかし、そんな「占い」まがいの情報よりも、はるかに重要な情報をこれらのレポートは与えてくれているのだ。それは、
なんらかの動きが市場にあった時に、それはポジティブ/ネガティブも含めて予想の範囲内なのか(つまり「想定されたシナリオの範囲内」なのか)、それともその出来事は、「ある種のブラックスワンなのか?」を判断するための参考として使うことができる、
のだ。つまり、これらのまとめは、今週の米国市況の週間の展開をChatGPTと一緒に改めてクロールした自分が「妥当だ」と感じた思考の結果を、未来に向かって判りやすく記録しておくことに他ならないのである。
このようにして、データに直面した時の自分の思考を、ChatGPTを介して定形フォーマットで後々に残しておくと、実際に目の前で変化の兆しが生じた時にいち早く気づく可能性が高まる。これこそが最大のメリットなのだ。
最後に
もちろんこのnoteも、未来の自分に向かっての覚え書きである。
ChatGPTと一緒に考えた事のログを様々な形で残しておくことは、後に何らかの役に立つ可能性が高いかもしれない。それは確かめる価値があると、自分は考えている。
おまけ:U.S. Market Summaryにこのnoteについて感想を聞いてみた。
![](https://assets.st-note.com/img/1703324350472-Er9xvjf44W.png?width=800)
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