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Anime Toolboxリリースノートハイライト 0.17.1-exp.

Anime Toolbox 0.17.1-exp. がリリースされました!

Anime Toolboxの最新版0.17.1-exp. がリリースされました。
機能強化の他、バグ修正などを含むバージョンです。
また今回は、Anime Toolboxを使っていただいているユーザーの皆様からのフィードバックに基づく修正も行われております。ご報告を寄せていただいた皆様、誠にありがとうございます!

Anime Toolbox 0.17.1-exp. 各テンプレートのダウンロードは、上のリンクより、ページ下部にある Assets から行えます。

  • com.unity.template.anime-0.17.1-exp.tgz

  • com.unity.template.anime.hdrp-0.17.1-exp.tgz

  • com.unity.template.anime.urp-0.17.1-exp.tgz

の各テンプレートを、使用するUnityの指定フォルダ内にインストールする手順は、『今日からはじめるAnime Toolbox』第2回目「新規プロジェクト作成用テンプレートの使い方」で紹介したものと同じです。(注意:インストール先のフォルダを、使用するUnityのバージョンナンバーに応じて変える必要はあります。そこだけ注意してください)

また既存の0.16.1-exp. で作成済みのUnityプロジェクトをアップデートする方法は、本noteで説明いたします。

なお、0.17.1-exp.より主なターゲットとするUnityのバージョンが、Unity 2020.3.43f1になってます。
Unity2020.3.x以降ならば、多少古いバージョンのUnityでご利用いただくことも可能ですが、必ずしも全てのバージョンのUnityで動作する保証は難しいのが現実です。もし0.17.1-exp. にアップデートした結果、なんらかの不具合が発生している場合には、プロジェクトをUnity 2020.3.43f1にバージョンアップすることもご検討いただければと存じます。
またよろしければ不具合の内容につきまして、併せて Issues でご連絡いただけますと大変助かります。Issuesでのご報告は、日本語で頂いても大丈夫です!

Github上の公式リリースノートについて

最新リリースにおける更新項目の内容は、公式にはGithubのリリースノートに毎回記載されています。本noteではリリースノートの記載を元に、今回のリリースのハイライトを紹介いたします。

既存のAnime Toolboxを最新版にアップデートするには?

例として、Universal RP向けのAnime Toolbox 0.16.1-exp. をインストール済みのUnityプロジェクトのPackage Managerウィンドウを見てみます。Package Managerウィンドウは、Menu > Window > Package Manager で開きます。

Packagesは「In Project」になっていることを確認してください。(上の図の黄色の囲みの部分)

上の画面で、赤色の囲みのパッケージがAnime Toolboxです。「○に↑のアイコン」表示から各パッケージアップデートが来ていることがわかります。

公式リリースノートでの更新内容一覧

また、公式リリースノートの更新内容の項目を確認すると、ToonShader、SelectionGroup、MaterialSwitch、StreamingImageSequece、VisualCompositorの5つのパッケージが更新対象になっています。ですので、これらの5つのパッケージをPackage Managerからアップデートしましょう。

ここで、Package Managerのアップデート項目とリリースノートの更新内容とで、いくつか違いがある件を説明しておきます。


1.Selection GroupがPackage Manager側に表示されていませんが…?

Selection Groupは、Material SwitchやVisual Compositorが内部で依存しているパッケージですので、Material SwitchもしくはVisual Compositorをアップデートすると、自動でアップデートされます。

2.Mesh Syncが更新内容側で抜けていますが…?

MeshSyncに関しましては、もし必要でしたらアップデートする、ということでよいでしょう。(こういう場合はマイナーなバグフィックスです。MeshSyncを使っている人はアップデートしましょう。それ以外の人は後回しでも構いません。)
いずれにしても、MeshSyncをアップデートすると、一度Unityを再起動する必要がありますので、アップデートの順番としては一番最後にしたほうがよいです。


Package Managerからのアップデートの仕方

Package Managerから各パッケージをアップデートするのは、簡単です。
例としてVisual Compositorをアップデートしてみましょう。

左側のペインよりVisual Compositorを選択し、右側のペインの下側にある「Update to 0.26.1-preview」ボタンをクリックします。これで終了です。
同様の手順で、MeshSyncも含めて他のパッケージもアップデートしてしまいます。以下のようになれば、Anime Toolbox 0.17.1-exp. へのプロジェクトのアップデートは終了です。

0.17.1-exp.にアップデートできた。
com.unity.template.anime.urp-0.17.1-exp.tgzから新規プロジェクトを作成した場合と、同様のPackage Managerリストになっています。

Anime Toolbox 0.17.1-exp. アップデートのハイライト

今回のアップデートのハイライトは、以下の4ポイントになります。

  1. Universal RP向けAnime Toolboxのバグフィックスおよび機能強化

  2. Magica Clothなどのダイナミクス系コンポーネントへの対応強化

  3. Unity Profilerとの統合

  4. その他、Twitterなどでご報告いただいた問題への対応

1.Universal RP向けAnime Toolboxのバグフィックスおよび機能強化

他のBuilt-In RP、HDRP向けのAnime ToolboxとUniversal RP向けAnime Toolboxでの一部挙動が異なっていた部分を修正しました。
特に以下の3点の変更が重要なものです。

  • 3DオブジェクトのSkyboxの抜きが必要な時に、Renderingノードからのmatte出力をLayerノードのマスクとして使えるようになりました。

  • Universal RPでも、Visual Compositor上でMSAAが適用できるようになりました。

  • Universal RPでも、Renderingノードからdepthおよびmatteの出力ができるようになりました。


・3DオブジェクトのSkyboxの抜きが必要な時に、Renderingノードからのmatte出力をマスクとして使えるようになりました。

『今日からはじめるAnime Toolbox』第3回目で、Universal RPの場合、Main CameraのPost Processingスイッチの状態によって、3DオブジェクトのSkyboxの抜きができたりできなかったりすることがあることを紹介しましたが、0.17.1-exp. よりRenderingノードのmatteが正しく出力されるようになりましたので、それをLayerノードのMask入力に接続することで、簡単にSkyboxを抜けるようになりました。
下の図のように、RenderingノードとLayerノードを接続するだけでSkyboxは抜けてしまいますので、以後Main CameraのPost Processingスイッチは、純粋にPost ProcesingのON/OFFとして使えるようになります。

Renderingノードの出力からSkybox背景を抜きたい時には、matte出力がマスクとして使えます。

@sameziさんよりご相談いただいた件ですが、Universal RPでポストプロセスをかけたレンダリング対象をマスク抜きする場合に、SelectionGroupColorRenderノードを使ってマスク画像を作る例をTwitterで紹介させていただきました。

こちらに関しても、Anime Toolbox 0.17.1-exp.では、Renderingノードからのmatte出力を使うことで、matte画像をマスク抜きに使うことができます。

・Universal RPでも、Visual Compositor上でMSAAが適用できるようになりました

MSAAは8xまで使えます。
ただしVisual Compositor上では、Universal RPのRender Scaleと
組み合わせて使用することはできません。

特にセルルックやトゥーンルックの場合に、よいクオリティを示すMSAA (Multi-Sample Anti-Aliasing) 方式のアンチエイリアスが、Anime Toolbox 0.17.1-exp. よりUniversal RP版のVisual Compositorでも使えるようになりました。
Anime Toolbox 0.17.1-exp. 以降を使用することで、Built-In RP、Universal RP、HDRPの全ての環境において、Visual Compositor上でMSAAを適用できるようになります。
(注意:MSAAはビデオボードのハードウェア機能ですので、使用中のビデオボードがMSAAに対応していることが必要です。ゲーム用のビデオボードならば、ほとんどの場合対応しています。)

・Universal RPでも、Renderingノードからdepthおよびmatteの出力ができるようになりました

Universal RP版のRenderingノードから、すでに紹介しているmatte出力の他、depth出力ができるようになっています。


2.Magica Clothなどのダイナミクス系コンポーネントへの対応強化

@Maron_Vtuberさん他からいただいた報告ですが、Visual Compositor経由のゲームビュー Display 8内で、Magica ClothDynamic Boneなどの一部ダイナミクス系コンポーネントが動かないという不具合を、Anime Toolbox 0.17.1-exp. で修正しました。

Magica Cloth、Dynamic Boneに含まれているサンプルシーンに、Anime Toolbox 0.17.1-exp. をインストールして、Visual Compositor経由でダイナミクス系コンポーネントが動作しているのを確認しています。

もしAnime Toolbox 0.17.1-exp. にアップデートしても、なおダイナミクス系コンポーネントが動かない例がございましたら、Issuesよりご連絡いただけますと助かります。

3.Unity Profilerとの統合

Unity Profilerの画面

Unity Profiler上で、Visual Compositorの負荷が計測できるようになりました。
Unity Profilerは、アーティストの方にはあまり馴染みがない機能かもしれませんが、もしVisual Compositorを使っていて、「どうにも重いな…」と思われるような部分がございましたら、エンジニアやプログラマの方にこのUnity Profilerを見せることで、どのプロセスが重いのか確認していただいて、何か軽減するためのアドバイスが得られるかもしれません。

4.その他、Twitterなどでご報告いただいた問題への対応

@roudenさんからいただいた、Incremental GCのスイッチの件です。
Incremental GCのスイッチは、Menu > Edit > Project Settings で開くProject SettingsウィンドウのPlayer項目の中にあります。

Use Incremental GCのチェックはONにしてください

こちらの「Use Incremental GC」のチェックはONであることが、正しい設定ですので、Anime Toolbox 0.17.1-exp. の各テンプレートではそのように修正されています。
お手数ですが、Anime Toolbox 0.16.1-exp. で作業をなさっている方も、上のスイッチをONにしていただけますようお願いします。


Twitter上で不具合報告をいただいた、@sameziさん、@Maron_Vtuberさん、@roudenさんに改めて感謝いたします。

Anime Toolboxへのご意見、ご感想。そして不具合のご報告のいずれもお待ちしております!

また、Anime Toolboxへのご意見やご感想等ございましたら、Twitterにて#AnimeToolbox のハッシュタグを付けていただいて、ツィートしていただければと存じます。
また上にも書きました通り、不具合の報告はGithubのIssuesでも承っておりますので、何とぞよろしくお願いします。

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