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杖をついて通勤して思ったこと

はじめに。杖を使う理由。

膝の異変に気付いて、かれこれ1年余り。変わらず立ち仕事がメインの職場。
膝の痛みで思うように歩けず、異動した職場も例外なく毎日が戦争状態!!!それにも関わらず、多くの職場の皆様方のご配慮によって、今も何とか働く事が出来ている。
先日、産業医から「半日程度の立ち仕事は大丈夫」とGOサインが出た。
膝に負荷がかかることに不安はあるが、やっていくしかない。
GOサインが出るまで回復してきた経緯だが、2ヶ月ほど前から、少しでも膝の負担を軽減するために、通勤時の駅までの道のりにかかる片道20分の間を、初めて杖を使って歩くことにしていた。職場で杖を使っている人は、誰もみたことがないが、この際背に腹は代えられない。
この杖は今年の夏、私の誕生日に友人がプレゼントしてくれたもので、無地だとおばあちゃんっぽい(?)からとの理由で黒地に花柄模様、そして折り畳みが出来て、不要な時は通勤カバンに入るという、何とも便利な代物を選んでくれた。
当初、杖を使った事がなかったので、膝への負担軽減の効果のほどはあまり期待していなかった。しかし使い始めた初日に「あぁ・・・楽だわぁ~・・・最高かよ!!!」と思ってしまう自分がいて、すっかり杖を手放せなくなってしまったのである。


世間は意外に優しかった。

杖を使って歩くと、とにかく遅い。
まぁ、杖なしで歩いても痛みで歩くのは遅いので、まぁいいか・・・などと思いながら、マイペースで歩く。通勤に公共交通機関を使うのだが、電車のホームで待つ時は自然と、優先席のある車両の列に並ぶ。通常席(?)の列に並んだ時期もあったが、杖をついた私が吊革につかまって立つと、目の前に座っている方が「どうぞ座って!」と席を空けてくださるのだ。いつかは、ご年配と思われる男性の方にお声を掛けられたのだが、流石に申し訳ないので丁重にお断りしたところ「いいんだよ?」と諭され、何とも言えない気持ちでお譲り頂いたこともある。ざっくりだが、女性は一声かけて、男性はスッと立って席を空けてくれる。
そういう理由で通常席(?)に行くと譲られるのが申し訳なくて、率先して優先席に並ぶことにしている。

優先席で我が物顔で座る人たち。でも・・・。

優先席にお年寄りでもなさそうな人が、どっかり座ってスマートフォンを観たり寝たふりをしたり、大きなショッピングバッグを持っていたりする。
でも、それは明らかに、近くにお年寄りや体の不自由な方がいない時に限る気がする。
優先席に座っている健常者が、目の前で優先される人が吊革につかまって立っている光景を考えた時、その健常者は周囲の目に耐えられるだろうか。よほどのDQNでない限り、座り続けることは無理であると思う。
もちろん、周囲の目とは関係なく譲ってくださる方もいる事もいることは、付け加えなければなりませんね。
まぁ、どんな理由であれ、席を譲ってくださるのは本当に助かる。日本はまだ捨てたものではないな・・・と、とても嬉しく思う発見だった。

まとめ

所詮、世の中9割はお金で解決する・・・と、やさぐれた心を持つ私だが、今回は本当に日本人を見直した。物価上昇、賃金も上がらず、所得格差は広がる一方など、明るいニュースは乏しい。
しかし、杖をついて歩いた事で気付いたことが、日本人の優しさとは思わなかった。こんなに普通の日常に日本人らしい優しさがあふれている事を、知って欲しいと思った次第でした。

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