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創造性の高さはどこからくるか?

創造性を鍛える仕組みを作ろうとしています。
しかしながら、創造性を鍛える仕組みどころか創造性に関しての研究はほとんど進んでません。もうね、コロンブスがサン=サルバドル島を見つけたばっかりのアメリカ地図くらい創造性の全貌はほとんど埋まってません。

創造性を巡る冒険に出ているわけですが、2020年の今でも世の中的には創造性がどこにあるのかすらわかっていない。というのも、google先生に直球で聞いた結果がこちらの本。

去年2019年出版の日本認知学会編なので最新のアカデミックな内容と言えるでしょう。しかし、終章ではこう示しています。

「どこにでもあるし、どこかにあるものでもない」

つまり「創造性はどこからくるかよくわからん」ですね。
学問的な領域においてもわからないならば、創造性というワンピース目指して一攫千金の航海に出ることはロマンティックさがあります。

創造性を見た

とはいえ手がかりは必要です。
「オラ創造性を見ただ!」という現地の証言でもいいから欲しい。

というわけで創造性に関する本をいろいろ読んでいるのですが、「どうしてあの人はクリエイティブなのか?」という本で興味深い研究が引用されていました。

東北大学の竹内光 准教授が行った研究で、クリエイティブな人と普通の人との脳の違いがあるのかMRIで測定する、というものです。

その前にまず脳の構成について解説します。
脳の構成は大脳・小脳・脳幹を含めいろいろな区切り方がありますが、ざっくりと灰白質・白質の2つにもわけられます。どこのことを指すかは、Wikipediaの図がわかりやすいです。

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灰白質と白質がどのような役割をしているかというと、

灰白質:記憶の保存(HDDとかNASのような)
白質:情報伝達網(LANのような)

です。
例えば、「忘れた」という場合、HDDである灰白質から記憶が消えてしまったか、または記憶がまだ灰白質の中に残っているがLANのネットワークがつながっていないか回線が細いかででうまく取り出せない、ということです。

竹内氏らは、クリエイターなど創造性が高い人と普通の人のMRIによる脳画像を比較して、灰白質と白質に違いがあることを発見しました。
創造性の高い人々は低い人々よりも白質が多かったのです。
創造性の高い人々の脳は脳の領域をつなぎ合わせ潜在的にクリエイティブな組み合わせを生み出すのに適した配線になっていました。

さらに興味深いことに、脳の結合組織を成長させ創造力を伸ばせる可能性があることも後の研究で述べられています。

創造性の鍛え方(仮)

竹内氏らの研究によるとワーキングメモリを鍛えることで白質の成長が確認されたそうです。なのでワーキングメモリの鍛錬は創造性を鍛える方法の一つでしょう。

しかし、それだけとは思えません。ここで自分は、白質が重要ならそのネットワーク性を上げることが創造性の向上につながるのではという仮説を立てます。料理でいうならばワーキングメモリは、まな板などがある作業スペースでしょう。記憶という食材は冷蔵庫にあります。ネットワーク性は、どの食材とどの食材を結びつける力なのではないでしょうか。レシピをどれだけしっているか、というよりレシピを作り出すための組み合わせノウハウがあるかです。

昔からアイデアについては「新しい創造物は既存の組み合わせである」といわれてます。1855年には心理学者のアレクサンダー・ベインが「既知の要素から新しい組み合わせが生まれる」と言っています。

この「組み合わせる力」が創造力の一つと言えます。
創造力を上げる→組み合わせる力を上げる→記憶のネットワーク性を上げる、つまりは「連想力を上げる」です。連想力をトレーニングすることが創造力を上げることに有用な一つである、という仮説です。

これは心理学者のサーノフ・メドニックが「問題の必須要素からより多くのことを連想できる人ほど、クリエイティブな解決策にたどり着く可能性は高い」という言及に一致していると考えます。

白質の役割が灰白質の連なりさせることであること。
クリエイティブな人が連想が得意であること、そして白質多いこと。
これが連想力を上げることが創造性を上げるという論理です。

で、連想力はどう鍛えるか?

連想力を鍛える方法が手探りです。
現在、単純に特定の単語から連想される言葉、その言葉のうちから連想される、という連想ゲーム的なことを1日10分してみています。
例えば、

リンゴ→ 赤、丸い、アイフォン、青森、サンふじ、アップルパイ、ジュース、しゃりしゃり、甘い、…
甘い → ケーキ、砂糖、スイーツ、生活、恋愛、チョコレート、わき、なめる、ドーナツ、考え、誘惑、…

といった感じです。

この試みはまだ始まったばかりなので、これがベストかどうかは試行錯誤中です。創造性の即時的な測定法がない以上、フィードバックを伴った改善がしにくいので継続的していくしかないかなと。
具体的な鍛錬内容や結果は、また次回紹介します!

創造性の高さはどこからくるか?
連想力から来る。

そう信じて、創造性を巡る冒険に漕ぎ出す覚悟です。

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