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2024/3/8 配信『エクスカリバー寄席』(アーカイブ配信3/22まで)

エクスカリバー寄席

まん☆だん太郎さん主催の「エクスカリバー寄席」を配信で見ました。
こちらは、観客の投票で優勝者を決めるというバトルライブです。優勝賞金は、クラウドファンディングで集めた3000円というゆるさが、なんだかちょっと面白い。

出演者も豪華で、翌日、R-1グランプリ決勝で、ピン芸人の頂点に立った街裏ぴんくさんを筆頭に、劇場で人気のある芸人さんも多く、私の場合は、この配信で初めて拝見した方も半分くらいいたので、新鮮な楽しさもありました。

こうして、お目当ての方を見に行って、今まで知らなかった面白い芸人さんの存在を知ることができるのも、寄席の楽しさです。

配信は引き固定のカメラ一台で映した映像ですが、何が現場で起こっているかを、十分に、この目で確かめることができました。カメラワークとか画質とか音質とかを求め出したらキリがありません。見られるだけでも本当にありがたいので、こういう配信も、どんどん増えてくれたらいいなと思いました。

永田敬介さんの漫談

永田さんの漫談は、主催者のまん☆だん太郎さんに関する内容。このライブでしかできないネタで、めちゃめちゃウケていました。

前日、まん☆だん太郎さんはこんな呟きをされました。

この呟きに対して永田さんが「気づいちゃったこと」に関するボヤきから始まり、その舌鋒は、まん☆だん太郎さん本人に向けられていきます。ちょっと心配になるくらい、ギリギリのラインで茶化し続け、一言ごとに爆笑を取り続けます。辛辣なことも容赦なく口にされるのですが、ラストは、「人をいじめない代わりに、自分をいじめるようになって。そんなことは良くないです。自分のことを大事にしないと人に優しくできない。もっと自分を大事にしてください。」という愛に満ちたメッセージに着地して、温かい気持ちにさせられました。

まさに永田さんが、このインタビューでお話されていた、憧れの松本人志さんやブラックマヨネーズのように、「自分をよく見せようとせず、引かれることを恐れない、汚い部分を見せることで温かい気持ちになるような、人が出るような」素敵な漫談だと思いました。

永田さんの喋りは毒気は強いけれども、どこかキュートさがあるなと感じます。

エンディングでもそんな気持ちになるやりとりがありました。
永田さんのネタの後半部分で、まん⭐︎だん太郎さんの過去をいじる部分について、新道さんからは「やめといた方がいい」と止められたそうです。「大丈夫でしたか?」と心配そうに声をかける永田さんに対して、「大丈夫大丈夫!」と答える優しいまん⭐︎だん太郎さん。
これに対して、永田さんが、自分はこういう芸風だから合わせてネタ振りしてくれたのかなとも思った。もしそうなら手のひらの上で踊らされてるみたいで嫌かもしれない、と言い出しました。つい笑ってしまって、憎めない感じだなと私は思いました。

結果発表「明日の出番、譲って」

このライブは、全組がネタ披露後に3組まで投票できるというルールで観客が投票を行い、順位を決めます。結果は以下の通りでした。

3位 10億円
2位 街裏ぴんく
1位 永田敬介

R-1決勝を翌日に控えた街裏ぴんくさんを超える客票を集めた永田さん。これはおめでとうございますと素直に言っても良いですよね??

まん⭐︎だん太郎さんから、優勝賞金の入った茶封筒を受け取った永田さんは、封筒から賞金の3千円を取り出し、街裏ぴんくさんに差し出して、こんなことを言いました。

「正直、これで明日の出番、譲って欲しいけど。こっちの優勝、あげるから。」

まさかの申し出に笑ってしまいました。
そして、単にふざけているだけでなく、「俺の方が面白い」という、半分本気も含まれている気が私はしました。そんなことは出来っこないのは分かっていても、この場では、永田さんには、それを言う権利があるな、と。

これに対して、ぴんくさんは、ほぼマジレスを返されました。

「譲ったとして、明日、無理やで?気持ち的に。」

それはそうですね、と思って、また笑ってしまいました。

そんなやりとりがあった翌日のR-1決勝のファイナルステージ。
結果発表前のぴんくさんが、こんなコメントをされました。

「もし、すごい変なこと言ってたら言うてください。非常に光栄なんですけど、全く関係ない人にこの場所を代わってあげてもいいです。」

エクスカリバー寄席をご覧になっていた方は、みなさん、ひょっとして??と思ったのではないでしょうか?私は思いました。

違っていたら申し訳ないので、あくまで私の妄想として、書いておきますが、街裏ぴんくさん、前日に自分を破った永田敬介さんを決勝の舞台に連れて行ったのかな、と。

あくまで妄想です。

いずれにしても、街裏ぴんくさん、永田敬介さん、小松海佑さん、この漫談師3人によるユニットライブ「夢の島志念公演」からR-1優勝者が輩出されました。
ファンとしては、永田さんも続いて欲しい!そんな思いにさせられました。

……と思っていたところで、永田さんの、この呟きが、タイムラインに届きました。

これは完全に私の妄想ですが、「いやいやいや、「続いて」じゃないんだよ!昨日ぴんくさんに勝ってんだよ、俺は!」と、私の中の永田さんがブツブツ言い始めました。

妄想はともかく、ファンが本人差し置いて、勝手に「エモ」に走りすぎてはいけませんね。反省。

賞金を寄付する永田さん

漫談中、もし自分が優勝したら賞金はちゃんとしたところに寄付する!クラファンで集めたお金だから、ちゃんとする!と宣言した永田さん。エンディングでは、どこに寄付するかも決めてなくて、「コンビニのレジの横に」と言って新道さんに、それはダメ、と言われたりしていたのですが、ライブ終了後、1時間も経たないうちに、「ちゃんとした寄付先」を調べて申し込み、帰り道で振り込んでいました。仕事が早い。有能!

寄付の報告の後に、女性器名称を持ち出しているのは、一見、脈絡なくあるいは露悪的に、ふざけているようにも見えますが、実際はどうでしょうか?

ここからは憶測になります。違っていたらごめんなさい。

私は、この呟きを最初に見た時、「『だからという訳ではない』ですね、ほんとにw」と思って笑ったのですが、同時に、ひょっとしたら、永田さんは、「寄付」という行為を見た一般人が、過剰に「永田敬介」という像を持ち上げないようにしたのかもしれないな、とも憶測しました。

永田さんのネタをよく見ている人は、マイナースポーツ選手の呟きに言及した漫談とその後日談を思い出されたかもしれません。ネタの内容については詳しくは書きませんが、この漫談、正しく文脈を理解していれば、女性器名称を持ち出す必然性があるものだったと私は思っています。だから「人前でも言葉にしていく」という永田さんのことを支持していますし応援したいなと、この呟きを見た時に思いました。

でも、「だからと言う訳ではない」というのは本当にそうで、こういうところが、可愛げというか、ちょっとお茶目に感じて、笑ってしまうところです。


この日限りの永田さんの漫談が見られるエクスカリバー寄席、永田さんファンは、きっと楽しめると思います!

2024年03月08日(金) 高円寺ジュンジョー
開場 18:30 / 開演 19:00
配信 2024年3月8日(金) 19:00
視聴期限: 2024年3月22日(金) 23:59