創作BLの書き方について

はじめに

 そういえば今月はまったく支援者向けの記事を書いていなかった、ということを思い出した。せっかくのお金を危うく虚空に捨てさせてしまうところであった。危ない。
 アンダーラインの完結から3ヶ月ほど、続編の制作をサボっ……英気を養うために、20000文字程度の創作BLを2本書いていたが、その創作時に「きっとここは人によって千差万別だろう」と思ったことがあったのでまとめてみようかと思う。

創作BLを書き始めるきっかけは何か?

 これである。
 私の場合は大体書きたいシチュエーション・場面を思いついて書き始めることが多い。イメージとしては、映画の予告編を見ているような感じかもしれない。大事な場面をいくつか並べていくような形で走馬灯のように駆け巡っていく。私はそれを懸命に捕まえる。これが、人によっては「○○なキャラクターを可愛がりたい」だとか「学生BLを書きたい」「サラリーマンものが好きで書きたい!」だとかそういう動機付けもあるのではないかと推察する。

 上は【バニラ】を書き始める前にTwitterでつぶやいていたものである。無事に回収してこのシーンも書いたところ、ごっそりと気力を持って行かれた。今後エネルギーの高いシーンを書く際には己のメンタルにも配慮したい。探しきれなかったが、【青と黄色で緑になった】の方は自分の好きな「割れ鍋に綴じ蓋」「Dom/subユニバ―ス」をコンセプトに書いた話であるため、こちらもキャラクターよりも関係性やシチュエーションにウエイトを置いている話だ。(いやそもそもBLに限らず恋愛を描く=二人以上の関係を描く、なので関係性を描くのは当然である)
 そして、次に書くのであればおそらくこちらが下敷きになるのだろう……。

 そんな私は福山雅治氏のながれ星という曲が大変好きである。上のつぶやきを見ながら聴いていただくと納得感にあふれるのではないか。百聞は一見に如かずというが、これは一聞は百見に如かず、であるためぜひとも聞いていただきたい。

きっかけを得たあとのキャラクター造形について

 話が逸れたが、この動機をもとに、いかにそのシチュエーション・場面に持って行くか……というところを考え始める。この時に一緒に登場人物の名前も決める。ストレートに読める名前か、苗字と名前で関連性があるか、変換しやすいかどうか、タイピングしやすいかどうか……と最後の方は制作者の本音が出ましたが、およそそのような感じで名前を決めている。
 たとえば【青と黄色で緑になった】では
 ・稲垣穂波→稲穂
 【バニラ】では
 ・入海渚(いるみなぎさ)→海と渚
 ・黒田葵生(くろだあおい)→黒とあお
 ・藍川海晴(あいかわかいせい)→藍(あおと関連)と海
 のように連想ゲームをしていった。もっと赤裸々な話をすると黒田の下の名前が一番決まらなかった。縦書きにしたときにすっきりみえる漢字を探すのに苦労したせいだ。

 【青と黄色で緑になった】の方では二人の勤め先について特に決めなかったが、【バニラ】の方では敢えて生活リズムがズレるふたりを描きたかったので結構調べた。
 ここでも書きたいことに合わせて設定を探している……!このご都合主義者め!と思ったので、逆に設定から書きたいことが決まるタイプの方、どうやって決めているのかぜひともご教示いただきたい。

 そしてこの書き方のデメリットとして、場面から前後を広げるのであまり長い話を書くのに向いていない。それはもう激しく向いていない。20000文字程度が限界で、いくら頑張ろうと頑としてそれ以上の文字数はひねり出せないのである。これがたくさん連なれば、アンダーラインのように長い話になるが、いかんせん某M見T美彦先生の英才教育を受けているため、書けない。

 氏曰く「成就した恋ほど語るに値しないものはない」

 まったくもってすばらしい言葉である。

 もちろん成就した恋も存分に語ってほしい。ただ、私は何を書くのが好きなのか、を考えたときに、馴れ初めを書いた方が楽しいというだけである。皆、自らの道をひた走ってほしい。

最後に

 ……というわけで今回は、文中に某氏の言葉を引用するために、少しずつ文体を似せてみました。本当はもっと似せて書くこともできるのですが、さすがにそれはちょっと読みにくいかな、と思ったのでやめました。そして文中にあるとおり、私とは違う動機で創作BLを書いている方がいらっしゃればぜひ教えてくださいませ。


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