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チャレンジの神様が宿る島「隠岐の島海士町」奥野一成 離島へ行く~メイキング編

皆さん、こんにちは。NVICの長原です。かなり久々の登場ですね。。。色々立て込んでいてレポートが大変遅くなりました(言い訳でした、すいません)。
そんなわけで、ちょっと時間が経ってしまいましたが10月に実施した隠岐の島海士(あま)町での奥野の講演の模様をこれから数回にわたってお伝えしていこうと思っています。

「教養としての投資」がつなぐ縁

そもそも「何で隠岐の島??」という声が今にも聞こえてきそうです。

奥野の著書「ビジネスエリートのための教養としての投資」。
今や電子書籍も含めると6万部の発行部数を達成して文句なしのベストセラー仲間入りとなった本書ですが、以前7月にNewsPicksさんと一緒にイベントを開催させて頂きました。

講演を終えた奥野のところに一人の方が駆け寄ってきました。
「今日のお話、ものすごく感銘を受けました!是非、隠岐の島でお話しして頂けませんか?」

「え、隠岐の島?。。。。」

講演の際、事あるごとに奥野は「離島でもどこでも行って話しますよ!」という話をしているわけですが、まあそうはいっても離島での講演なんてそうあるもんじゃないな、と若干高を括っていた訳です。ところが本当に依頼が来てしまったんですね(笑)。

実はお話を頂いた男性の方はボランティアで隠岐の島海士町の様々なプロジェクトに関わっている方で、奥野の投資に対する考え方はもちろん働き方や生き方等のライフスタイルに関する熱い想いを是非島の人たちに伝えてほしい、そんな依頼でした。

その後お話しする中で、先日のN高のnoteもご覧いただいており、同じようなプログラムが隠岐の島でもできないだろうか?島の高校生と大人を交えながら「投資部」を作るような試みはできないだろうか?隠岐國学習センターの方とも議論をしながら色々なアイデアが湧き出ている模様です。

ちなみに隠岐島海士町の島前(どうぜん)高校は島留学等色々な取り組みを行っている高校として複数のメディアに取り上げられている高校です。

その後隠岐國学習センターの方や海士町のプロジェクトをサポートしている企業のメンバーの方とZOOMでミーティングを重ねながら講演内容を議論し、いよいよ当日を迎えました。

境港からフェリーで3時間半!

コロナによる減便の影響で前日に島根に入りました。私自身初めての島根だったのですが、空港も鬼太郎一色です。

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前泊した境港も鬼太郎をモチーフにした街づくりが行われており、色々な場所に鬼太郎のキャラクターに遭遇します。恐らく鬼太郎マニアにはたまらない環境に違いありません。

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翌日、フェリーに乗るために境港に向かいました。ここから3時間以上かかるんですね。。。船内は結構慣れた人が多くて、皆さん割とくつろいだ様子です。フリースペースに寝転んだり、坐って談笑したり人それぞれの過ごし方をしています。

実は私、船酔いしやすいことを思い出しました(笑)。フェリーとは言え、結構揺れます。。。耐え切れずアウトドアのデッキに向かいました。予想通り素晴らしい景色ですね!まあまあ揺れますがそれでも気が紛れます。

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そんなこんなでフェリーに揺られながら3時間半、隠岐の島に到着しました。今回サポート頂くメンバーの方と昼食を済ませた後、島内見学に向かいました。

チャレンジの神様が宿る島、隠岐の島

皆さんは「隠岐の島」と聞いてまず何を思い浮かべますか?
私は真っ先に「後鳥羽上皇」を思い浮かべます。

「我こそは新島守よ 隠岐の海の荒き波風 心して吹け」

後鳥羽上皇は鎌倉幕府との権力争い「承久の乱」に敗れ、承久3年(1221)に隠岐の島海士に流されます。そして19年間過ごした後、都に帰ることなくそのまま海士にて生涯を終えました。

上皇がこの地にやって来てから令和3年(2021)でなんと800年となるんですね!海士町には後鳥羽上皇に由緒を持つ、たくさんの伝承と文化が、豊かな自然環境とあいまって昇華されながら、今日まで伝えられているとのことです。

ご案内頂いた方のお話によると、当時天皇は人間の手の届かない「神様」のような存在でした。幕府方も動乱の末に上皇を流刑に処したとはいえ、そんなことをしたら「怨霊になってしまうリスク」を感じていたとのこと。諸説あるものの、怨霊にならないように敢えて農産物、魚介類等が豊富な「豊かな島」に流したのでは?というお話も現地でお聞きしました。

後鳥羽上皇は今日でいう、文化、芸術、芸能、スポーツに親しみ、その伝統の継承と発展に尽くしたと評価されています。なかでも和歌については、藤原定家らに命じ勅撰「新古今和歌集」を編纂させた経緯があります。

海士に移ってからも『遠島御百首』をはじめ、800首近い歌を残しているんですね。一方で草薙の剣(三種の神器の一つ)無しで即位しなければいけなかった過去や承久の乱の敗北を振り返るように刀剣を作り続けていたとも言われています。

そういう経緯も踏まえてここ隠岐の島では後鳥羽上皇が決して「島流しにあった元天皇」ではなく「チャレンジの神様」として位置付けられているとの印象を持ちました。

こんな「チャレンジの神様が宿る島」隠岐の島では文字通り様々なチャレンジを行っています。

島内見学の中で様々なチャレンジの様子を見せて頂きました。岩ガキの養殖、民間企業と協働した隠岐牛ビジネス、海鼠ビジネスにかかる工場施設の建設等々、とてもイノベーティブな取り組みばかりです。

また、今回色々なやり取りをさせて頂いた隠岐國学習センターの取り組みも我々自身も色々なインサイトを得ることができました。

隠岐國学習センターのサポートもあり、11年前に89人だった島前高校の生徒が、今は170~180人になったとのことです。従来は海士町の中学生のうち45%は島前高校に進学し、その他(55%)は大学進学を視野に借金してでも親が松江の高校へ進学させたんですね。それが今では、進学率が80%迄上がっています。

島の子どもたちを島全体で育てるべく色々なチャレンジを行なっています。例えば、大学生や若手社会人をインターンとして受け入れる「大人の島留学」や、挑戦に伴走する「チャレンジセンター」の設置も予定されています。
※隠岐國学習センターは、海士町の島前高校と連携した公立の塾。(参考リンク:http://www.oki-learningcenter.jp/
※海士町の作りたい未来がまとまった資料が下記に公開されています。これは一読に値します。
http://www.town.ama.shimane.jp/topics/pdf/amaChallengePlan2015.pdf

コミュニティの中で暮らす幸せ

私自身今回の訪問で一番感銘を受けたのは、島の中で会う人会う人みんな本当に幸せで笑顔が絶えないことでした。農業や漁業といった食に関わる豊かさとは別に何か違うファクターがあると感じたんですね。

島に暮らす人々が約2,300人。島内見学の途中で出会う人、ほとんどの方が顔なじみで、会話が絶えません。私自身、東京砂漠?!の中でほぼ無言で過ごすことが多い中、これは本当にびっくりしたことでした。色々な人との方の会話の中からも幸せがにじみ出てくる感じなんです。

そういえば私自身、以前ロンドンで暮らしたことがあります。
中心からちょっと離れた北部の地域に住んでいたのですが、海士町でふと当時のことを思い出しました。ロンドンの北部はちょっと中心と違って片田舎な感じがあり、緑もあって家族で住むにはとても理想的な場所でした。

ロンドン特有の古いフラットに住んでいたのですが、住人が皆いい意味でおせっかいです(笑)。人種も出身も多種多様で日々様々なことが繰り広げられます。ちなみに日本でも最近コロナの影響で「アマゾン置き配」が主流になっていますが、ロンドンでは留守にしていたらデフォルトで隣の人に物品が預けられます。よってわざわざ取りに行かないといけないんですが、その時に隣の人と色々なことを話します。家族のこと、仕事のこと、日常にあふれる些細な事。。。子供達と庭で遊んでいたら一緒に遊んでくれたり、BBQに誘ってくれたり。

子供もコミュニティ全体で育てる感じでしょうか?子供の送迎なんかも都合が悪ければお互いに助け合う、仕事があれば預かって面倒を見る。ロンドンのように、これほど多種多様な人種が暮らしていてもこのような空間って成り立つんだと、当時ものすごく感動した覚えがあります。

海士町の皆さんと接したときに、まるで地域がみんな家族みたいでとても温かくて、何だかとても懐かしい感じがしました。今私はこうして投資にかかるブランディング業務に関わっているのですが、海士町でふと「幸せ」ってなんだろう?その中で自分の今やっている仕事の果たす役割ってなんだろうと思わず考え込んでしまいました。

これはものすごく壮大な問いですし、すぐ簡単に答えが出るわけではないのですが、それでもやはり考えていかなければいけない問いなのかもしれません。

山口周氏の近著「ビジネスの未来(プレジデント社)」の中で、昨今のイノベーションによって物資的不足の解消等、世の中のあらゆる課題が解決されながら「明るく開けた高原社会」に軟着陸しつつある、その高原社会においてはいかに「ヒューマニティ」を回復させるかがキーであるとの論旨を展開しています。

今後はまさに人と人のつながりがもたらす幸福感や豊かさなどがまさにこれから重要になってくるということなんでしょうか?海士町の事例をもとに色々考えてみると面白いですね。

すいません、かなり話が脱線してしまいました!(笑)
ということで前置きがかなり長くなってしまいましたが次回より本編スタートです!

(おまけ)野菜も卵も全部無農薬。人生全てがオーガニック!フランクと奥野の一コマ(参考リンク:ムラーズファーム

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農林中金バリューインベストメンツ/NVICの公式noteです。 noteでの発信を通して「投資を個人の手に取り戻す」ことで、皆さんとともに日本を元気にしていければと考えています。 https://www.nvic.co.jp/