見出し画像

手っ取り早く NVC を使ってみよう - 💖NVCコラム

NVCは、とてもシンプルで、それでいて強力なコミュニケーション手法だと思っていますが、それでも一部のひとからは「難しそう」という反応がかえってきます。

この「難しそう」という反応については別途思うところを書いていきたいと思いますが、まずは、まったくNVCについて知らない人でもこれだけやれば効果を実感できるはずというものがありますので、ご紹介したいと思います。

NVCの入り口としてぜひどうぞ。

NVCを使ったリクエストを体験してみよう

いまはNVCについて全部学ぶほどの時間がとれないという方もいるでしょう。
そういうひとは、まず、NVCの実践的なリクエスト方法を知ってもらい、実際に体験していくと良いと思います。

NVCにおけるコミュニケーションプロセスの4つの要素のひとつにリクエスト(要求)があります。

リクエストの原則のひとつが「具体的で実行可能なリクエストをする」ことです。
この点を意識するだけで、とても効果を実感できると思いますので、この記事ではその点に絞って説明したいと思います。
わたしたちはしばしば、とてももったいない言い方をしています。たとえば次のように。

① 🐺「こんなに散らかして!このままだと連れていってあげないよ!」
② 🐺「そういうことをするのは止めて!」
③ 🐺「昨日、塾に行かなかったでしょう!正直に話しなさい!」

この3つのパターンを「具体的で実行可能なリクエスト」に変えるだけでも、お願いを聞いてもらえる可能性が高まります。

画像1

① 悲劇的・自殺的な表現によるリクエストを手放す

わたしたちは、普段から、相手に対して「変わってほしい」と期待しすぎている面があります。
「こんなに散らかして!このままだと連れていってあげないよ!」という表現はそのひとつで、実際は「片付けてくれませんか」ということを言いたいのに、口をついて出てくるのは、とても実行してもらえなそうな言い方が多いのです。

ほかにも「どうして宿題やらなかったの?」という聞き方は、往々にして「宿題をやってきてください」というお願いだったりします。

まずは、自分がこのような言い方が習慣づいてしまっていないかを確認し、もし習慣づいていることに気づいたのであれば、「あのときどんな言い方ができただろうか?」と自問してみるといざというときに役立つのでおすすめです。

② 「Don't 〜〜〜」というリクエストを手放す

「〜〜しないでください」というリクエストをしていることも多いでしょう。
この「何かをしない」ということをお願いして、仮にそれがかなったとしても、必ずしも「あなたの望みがかなう」こととは限らないのです。なぜなら、代わりにあなたの望みとは別の何かを実行するかもしれないから。

パートナーと一緒にいますぐ外出したいとします。しかしパートナーはだらだらとソファに座ってテレビを見ている。このときあなたが「テレビを見るのをやめて!」とお願いしたとして、パートナーがテレビを消して本棚にある漫画を読みだしたとき、決して「リクエストを聞いてもらえた」とは思わないでしょう。

もちろん実際は、このようなことは、まれかもしれません。
しかし、「一緒に外出しよう」伝えるのと、どちらが自分の気持ちに正直で、相手に伝わりやすいかということです。

「Don't 〜〜〜」というリクエストは、とても「察してちゃん」的な表現なのです。

③ 「Be 〜〜〜」というリクエストを手放す

わかりやすく「正直になりなさい」とか「尊敬される人になりなさい」という表現で説明します。

「正直になる」「尊敬される」というのが、具体的な行動ではないため、もしかすると相手は、正直になろうとしているし、尊敬される人になろうとしているかもしれません。
単に「どうやればよいかが分からない」とか「やっているつもりだけど、できているかどうかの評価基準が違う」という話の可能性があります。

具体的な行動におきかえ、相手が「実行しようと思うかどうか」を具体的にイメージしながら判断できると、そのリクエストに応えてもらえる可能性が高まります。
たとえば次のような言い方ができるかもしれません。

「正直になりなさい」→「自分のしてしまったミスを隠さずにメールに記載してください」
「尊敬される人になりなさい」→「自慢をしたくなったときは、代わりに、それを応援してくれた人への感謝の言葉を伝えましょう」

そのほか気をつけること

この3点を意識し具体的で実行可能なリクエストをするだけで、驚くほどすぐに、効果を実感できるはずです。
NVCについて少しでも興味があるというひとは、ぜひここから始めてみるとよいでしょう。

リクエストにおいてほかに気をつけることがあるとすれば「リクエストと強要の違いを知り『NO』に対してオープンになる」ということと「ニーズをもとにリクエストする」ということがあります。

NVCはシンプルで、とても強力なコミュニケーションフレームワークです。
効果を少しでも実感できた方は、ぜひ書籍やセミナー動画で学んでみてください。
こちらの記事の末尾に、参考資料・動画等をまとめています。あなたのお役に立てれば幸いです。ぜひご覧くださいませ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?