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♡Ep.【ネクストで笑う男⑦】



あの電話以来、

マサルと付き合ったままではあったが、

わたしはアサトのことばかり考えていた。

わたしのことをたいして好きじゃなかったんだろうな、
と思っていたから尚更
思わぬことを言われて、嬉しかったのも事実。

マサルと付き合う為に別れたと言えばその通りだが、
そんな風に気持ちが揺らいでしまったのは
アサトの彼女として満たされない気持ちや
アサト自身の気持ちにも確証が持てないもどかしさも大きな理由だった。

ちゃんと、アサトもわたしのことを好きでいてくれてたんだ。。。。

アサトの気持ちが分かった今なら、、
アサトの彼女として自信が持てる。。??



いや、


いやいやいやいや、


あの、あの強気なアサトのことだ。

わたしへの未練とゆうよりも
他の男に取られたことでプライドが傷ついたから
あんなことを言っただけかも。。

ここでわたしがアサトを選べば
アサトのプライドは保たれるだろうし。。。


そうだ、そのパターン、ありえる。

変に浮かれるのは辞めよう。
わたしは今、マサルと付き合ってる。
マサルはまっすぐに、わたしを好きだと言ってくれる。大切な彼氏だ。



⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ 


でも

また、アサトから着信があった。


そして、わたしは電話に出てしまう


「もしもし。どうしたの?」


「、、、。」


「アサト?どうしたの?」



「俺、部活辞めるわ。」



「えっ?!?!なに??どうしたの????」


「いや、部活辞める。」


「、、、なんかあったの?」

「いや、やっぱいいわ。」


「は?なに、話してよ?」


「ナナに話したかったけど、もう彼女じゃないし。ナナには新しい彼氏いるし。俺の話なんて聞かなくていいよ。」


「なに言ってんの?聞くよ。」


「彼氏に悪いし。いいよ。」



「ねえ!!確かにもう彼女じゃないけど、部活辞めるなんて言われたらほっとけないし、わたしに話したくて電話したんでしょ?聞くよ。」



「、、、、監督にさ、俺はどんな時も絶対にグラウンドに居なきゃいけない。って言われてて。だから毎日グラウンドに出て、練習してた。」


「うん。」


「それでも昨日、めちゃくちゃ体だるいし熱もあってしんどくて。グラウンド出れなかったんだよ。」


「うん。。」


「そしたら今日監督に呼ばれて。めっちゃ怒られていろいろ言われて。今までどんな時も監督に従ってやってきたけど、、なんかもうやんなっちゃったわ。。」


「、、そっか。」


「だからもー辞めるわ!!こんだけずっとやってきても認めてもらえないしあんないろいろ言われるし。」


「辞めないじゃん。」


「もーやだよ、辞める!」


「、、、アサトが主将としてずっとチームの為に頑張ってたの知ってるよ。監督さんだって分かってるよ、そんなの。認めてないわけないじゃん。」

「どーだか。。あんな言われ方されたらもうやる気も出ないわ。」

「それに体調悪かったなら仕方ないよ。いくら主将だって熱あったら無理なものは無理でしょ。」


「、、、。」

「監督さんが絶対なのは分かるよ。うちの部活も一応そうだし。だからたまに理不尽だと思うこと言われて納得いかないのも分かる。。でもアサトが野球辞める理由にはならないよ。チームとか自分の為に今までずっと頑張ってきたんでしょ?。。」



⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ 


ありきたりなことしか言えなかった。
もちろん、
本当に辞めるつもりが無いことも分かっていた。
とゆうか、辞めれないだろうし。

でも、
こんな風に弱音を吐きたい時だってある。

アサトは主将としていろんなものを背負って頑張っきたんだから。

分かってるようで
わたしはアサトの頑張りの1mmも分かってあげれてないかもしれない
だけどアサトがわたしに話してくれたから
わたしなりにアサトに言いたいことを素直に伝えた。

わたしが聞いたり言ったことで
アサトがどんな気持ちになったかは分からないけど

次の日、また当たり前のように部活へ行ったアサトにそれ以上は何も言わなかった。


アサトが、初めて弱さをみせてくれた。

強いアサトも、たまには弱くなるんだ、、、



⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ 




それからしばらくしてわたしはマサルと別れた。

アサトに言われたからではなくて
ペットボトル事件(事件では無い)や
部活で手一杯だったりして
マサルに対しての気持ちが無くなってしまっていったから。


アサトにも別れたことを伝えたけど、
アサトとよりを戻す為では無い。

ただ、近況報告として伝えただけ。


ここでアサトとよりを戻すのは違うと思った。


確かに、アサトがわたしに未練タラタラ発言をしてきたこと(プライドの為パターンかもしれないけど)、
初めて弱音を言ってくれたことで
アサトに対しての気持ちに変化はあった。

でもだからこそ、今よりを戻すのは違うと思った。


(今までのわたしなら即より戻してたけど)(小声)


今よりを戻して、
またすぐ別れることになってしまったら
また連絡先を消すってなって
次はもう二度と連絡がとれなくなるかもしれない。

それに
今のわたしはまだちゃんと真剣な恋愛ができるような自分じゃない気がする。。(やっと気づいた)


アサトには、ちゃんと向き合ってみたいと思った。


だからこそ、
今はまだ答えを出さずにいよう、そう決めた。



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