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日本神話タロットとウエイト版 棒のエース

棒(ワンド)のスートです。
こん棒という場合もありますね。棒は松明として火を燃やしたり、火をおこしたり、食べ物をつぶしたり、武器として使用したりととても生活に密着したものだといわれています。
とでもエネルギッシュで、過剰になりすぎると争いや攻撃性、焦りなどの意味を持つこともあります。
生命力や積極性、創造性を表すとされていて、男性器を表すという記述をみた時にはつい笑ってしまいましたが、ウエイト版をよく見てみるといささか生々しさを感じる気がします。

ウエイト版を見てみましょう。
雲から手が出ていて、棒を握っています。棒は芽吹き生命力を感じます。
背景には河川や山、城が描かれていて、達成したい目標だとも言われています。アイディアや意志の強さや積極性なようすを表すといわれています。

日本神話版を見てみましょう。
日本神話にほとんど登場しない神様です。しかし、神様の中でもとても位の高い別天神のウマシアシカビヒコヂが棒を握っています。
古事記のなかで名前だけちょこっと出ている神様ですが、生きとし生けるものすべてに生命を吹き込む神様と言われています。
名前にカビが入っている通り、醗酵もあらわしたりととにかく生命や、活力には欠かせない神様です。

ウマシアシカビヒコヂの持つ棒は飾りや布がありとても豪華に見えます。
そして口元を隠し、色づかいは抑え目ではあるものの華やかな服装。
性別がないウマシアシカビヒコヂの神秘性が際立つように見えます。
背景には目指すべき城も見えます。ウマシアシカビヒコヂの後ろはちょうど山になっているのでしょうか。

葉っぱの枚数を数えてみると日本神話版は4枚で、ウエイト版は8枚です。
左右同じ枚数ずつでバランスが取れています。
4は王でイザナギを、8はちからを表します。
ウマシアシカビヒコヂの後生まれてくるイザナギに物語をバトンタッチするのでしょうか。そしてスサノオの話となってきます。

激しいところもあり、情熱的なところもある棒のスートがスサノオの物語になっています。
深いところまで共通点があったり、面白い変更や解釈があったりととても興味深く占いに使用しております。

また、なんで大アルカナ終わってないのに小アルカナ?とおもうかもしれませんが、スサノオの話をまず先にしたいなともったためです。
大アルカナでは取り上げられていないところも、小アルカナではしっかりと取り上げられていて、占いだけではなく日本神話の面白さも伝えられればいいなと思うためです。

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