2024年度(令和6年度)社労士試験振り返り
8月25日の社会保険労務士試験から1ヶ月が経ちました。
追い込み期はとにかくどれだけ試験1色な時間を過ごせるか試行錯誤していたので、相対的に試験後の1ヶ月はあまりにあっという間に過ぎてしまいました。
受験のために自分も数々の体験記を乱読しましたので、普遍的な経緯ではないと承知しつつ、どなたかのご参考になればと思い記録を残そうと思い筆をとりました。
1.結果
試験結果から最初に記載すると
選択 5/5/4/3/3/5/4 合計33/40
択一 9/7/7/6/5/9/10 合計53/70
でした。
合否が分かるのはこれからですが、昨年の択一35点の雪辱から約25%UPさせることができました。
※10/2追記
無事に合格者一覧に自分の番号を発見しました!
とは言っても、追い込み期は目標としていた理解や過去問の得点率は達成できておらず、7月のTAC模試では択一40点を下回り、なんでこうなった?という気持ちでいっぱいでしたので、失敗体験談の一つとして参考にしていただけると幸いです。
2.前提
確保できる勉強時間や環境も基礎知識も人それぞれだと思いますので、簡単な自己紹介を。
30代女性、既婚。
子どもは未就学児が2人。フルタイム勤務。社労士の試験科目と関係する業務経験なし。
国立法卒。労働法は未履修だけど条文・判例耐性はあるかも。
試験直前に離職。5月くらいから有休消化。
今年が2年目でTAC上級コース通信受講。1年目は独学。
短時間からフルタイムに変更したことで勉強リズムが整えられなかったり子どもの体調不良などが続いたりでなかなか勉強時間が確保できず、一般的におすすめされない離職という形を取りました。
(元々試験後に転職するつもりだったため職場に休職できないか相談するという選択肢はありませんでした)
間違いなく離職がなければ合格水準に達することができない勉強スケジュールでしたので、この点も反省ポイントのひとつです。
3.勉強時間
1年目の結果は惨敗(択一35/選択29)。
1年目の勉強時間は多分850時間くらい。2年目の勉強時間は約950時間
(うち75%超は5月以降)。
在職中は灯火を消さない程度の勉強時間
有休消化〜離職期間は平日6〜9時間、土日4〜5時間(直前期はいずれも7〜12時間程度)を勉強に充てていました。
4.使用した教材、スケジュール
TAC上級コースの通信を受講しましたが、前年択一35点の実力しかなく、講義が苦手という致命的な欠点があったためオプション講座以外はほぼ視聴せず、下記のテキストと問題集を使用して独学状態で進めました。
※TAC上級コースは前年度の試験で択一40点以上を得点している方にオススメされていました。その通りで、いけると思った自分が浅はかでした…
トレーニング問題集や答練などもスルーしたため、一般教育訓練制度も利用できず。無念。
4-1.メイン教材
過去問ランド(無料サイト)
- 使用時期:10月-4月、7-8月
10月〜4月は試験勉強は過去問ランドのみで進めた。テキストに戻らずテキストを耕さなかったため、その後のテキスト読みが捗らず失敗を痛感。記憶が定着せず点数にも繋がっていなかった。
今年の学習スケジュールでこの時期が1番の反省点。
7-8月は隙間時間に過去10の復習として使用。この使用方法は過去問の回転率を上げ定着率を高める点で有効だった。
合格革命 社労士 ×問式問題集
- 使用時期:5-6月
- 使用理由:いきなり過去10に進むには実力不足であり、薄い問題集を解いて基礎力を身につけようと思ったため。
- この薄さにしては瑣末な論点が少々入っている印象はあったが、情報の整理法を学ぶことができ、のちに使用するよくわかるテキストを自分で情報整理する練習ができた。
5〜8周後のTAC中間模試で44点を得点。基礎力を上げてくれた。
TACのよくわかる社労士合格テキスト
- 使用した時期:5-8月
- 通しで読んだ回数:5月と7,8月に3〜4回
(その他問題集を解く際にも割と逐一戻って確認していた)
- おすすめできる人:文字を読むのが辛くない方。
図解は少なく分かりやすいまとめもないが、条文ベースで詳細であり、選択対策をほぼせず一定得点取れたのはこのテキストを繰り返し読んだおかげだと思う。
ボリューミーなので、勉強時間が十分に確保できない方にはおすすめしづらい。自分はかなり格闘した。
よくわかる社労士過去10
- 使用した時期:7-8月
1問1答形式。よくわかるテキストとの併用を前提としているため、問題集単体では解説がそこまで詳細ではなかった。
が、過去問を網羅しているため、この本とテキスト読みを行き来することを3〜7回程繰り返すことで得点力が大幅に伸びた。
4-2.その他サブ教材
TACオプション講座 横断まとめテキスト
- 使用時期:5-8月
あれ、他の科目ではどうだっけ?となった時に使用。下記教材とあまり区別せずにどちらも使用。講義を聴かなかったため下記教材だけで十分だったかもしれない。TACみんなが欲しかった!社労士全科目横断総まとめ
- 使用時期:5-8月
TACオプション白書統計講座
- 使用時期:7-8月
唯一視聴した講座。昨年度はよくわかるテキスト(白書統計)を一読したが思うように得点できなかったため、講座を通しで1回視聴、テキストを1-2回通読、過去問やTACのトレーニング問題を解く度にテキストを確認するなど。社労士V イラストでわかる労働判例100
-使用時期:5-8月
言わずと知れた判例対策本。最初は前から順に読んでいたが途中からは過去に出題された分のみ。
それでもよく出るワードが感覚で分かるようになり十分な効果を実感。
判例によって0〜3回読んだ。
5.反省点
インプット期(10〜4月)に過去問ランドしか使用していなかった点
育児と仕事で机に向かう時間が取れなかったのが理由でした。
間違えた点をテキストに戻って確認したり印をつけるなどができていなかったため、5月にテキスト読みをしようとした際に真っ白な状態からのスタートとなりかなり骨が折れ時間もロスし後悔しまくりました。
インプット期のテキスト耕しは必須です。甘いスケジューリング、振り返り不足
7月に過去10を3回解くという目標を立てていましたが、自分のスピードでは不可能でした。結果、問題によって7回程解いたものもあれば試験の1週間前にやっと3回解き終わったものもありという進み具合。スケジュールはこまめに振り返り、必要があれば勉強に傾斜をかけたり捨てるところは捨てないといけませんでした。目的条文の軽視
選択対策をほとんどしなかったため、目的条文はテキスト読みをする際に黙読する程度でした。が、毎年のように出題されますので、ついででなく、目的条文は目的条文で時間を確保して取り組むべきでした。結果、社一で1点を取りこぼしました。講義を視聴する時間の確保
講義の視聴速度が最大1.2倍速程度しか耐えられず、時間が確保できないと判断して捨ててしまいました。
講義が苦手ならば、背伸びして難しいコースを選択せず、時間確保が難しい方に評判のものなどを受講すべきでした。
テキストを頭に焼き付けるにも限界があり、本来であれば視覚と聴覚の両方からインプットするとより知識が身体的に定着していくのではと感じました。
自分の身の丈に合うテキストの選択
割とこれに尽きるかもしれません。よくわかるテキストは選択式対策も不要なくらい網羅性の高いテキストでしたが、勉強中何度後悔したかわかりません。
テキストが悪いのではなく、自分の理解力のなさと持ち時間を受け入れてもう少し易しいテキストにすればもっと回転できたのでは。そう思っています。
セルフレクチャーができなかった
合格体験記に必ずといっていいほど出てくるセルフレクチャー。頭の中で、または声に出して誰かに説明するつもりでアウトプットするというものですが、どうしても私はこれが出来ませんでした。
夫を前にするとなんとか言葉が出てくるのですが、1人では全然ダメ。
でもこれができると時間を最大限有効に活用できるようになりますし、問題を解くだけより大きな効果が得られるはず。できるようになりたかったです…。
6.やって良かったこと
繰り返し。
今年の勉強で人に勧められることが一つだけあるとすれば、テキスト読みも問題集も繰り返し行うことです。
TACの岡武史先生のYouTube『一発合格!tv』で紹介されていた繰り返しの魔法。
全部1回転させてから最初に戻るのではなく、同じ問題を3日連続解きつつ進めていくという方法。
さすがにテキスト読みで3日連続はできなかったですが、7月-8月は同じ箇所を2日連続で読んでいました。
紙一枚勉強法にも近いかもしれません。
スケジュールへの取り入れ方は試行錯誤しましたが、今後も続けたい勉強方法です。超直前期によく間違える問題まとめノート
7月末から。何かと混同している場合は簡単に比較メモを付箋に書いてノートに貼りました。単純暗記や理解ができていない場合は間違えている部分のみ。
隙間時間に読んで繰り返しインプットしたり、試験会場で確認に使用したり。試験会場にはテキストを持ち込まず、ほぼこのノートしか読みませんでした。
7.まとめ
今年勉強時間が950時間確保でき、昨年度比で25%以上得点率を上げられたのは、離職と惜しみない家族の協力のおかげでした。環境に感謝です。
社会人の勉強はまず勉強時間の確保が大きな課題になるため、この点で私の経験はあまり汎用性のあるものではありません。
ただ、自分の失敗談やこうすれば良かった!がどなたかの転ばぬ先の杖になるようにと思い記させていただきました。
勉強計画は自分の得意不得意、持てる時間、金銭的余裕などによっても千差万別だと思います。
最初からベストな方法を見つけることは不可能ですので、自分の試行錯誤が皆さんの計画作成の一助となりますように。
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