フリー作曲家としてどんな風に仕事と出会ってきたか?を書きます

 今日は趣を変えて、どういう風にフリー作曲家として仕事と出会ってきたかを書こうと思います。

僕は有名でもないし、才能もないけどなんとかフリーで16年食べてこられました。

これからはどうなるかわからないけど。

しかしながらも、これからフリーで頑張っていこうと思う人の少しでも参考になればと。

 

<一番最初の仕事>

 当時通っていた新宿のとある作曲教室で一緒になった同じ生徒の方がゲーム音楽の仕事でしていて、最近忙しいから手伝ってくれないかと相談される。そして初めての発注を受けました。

確か1分半くらいの曲でMIDIデータでの納品だっったと思います。

当時SC-88proというローランドの音源を使って一所懸命作曲しました。

なんとかOKをもらい、その後わりとコンスタントに仕事をもらえるようになります。

今か18年くらい前かな。月5万円くらいで多い時10万円くらい。

 

その取引先の人が企画上手でしょっちゅうアルバム制作などの企画をしていたので、そこでアレンジや作曲の仕事もいただけました。

それでも当時は、音楽だけでは食えないので派遣でヘルプデスク(インターネットサポート)をしていました。

 

<営業をかけてなんとか生活できるギリギリラインへ>

 インターネットのBBS(響きが懐かしい)で作家募集していた事務所に応募したところ半年後くらいに電話が来て仕事をもらいます。

ドラマというラジオドラマをCDにしたような製品に劇伴をつける仕事でした。

そのドラマCDの劇伴の仕事を2ヶ月に1本のペースでやるようになるのです。

これはギャラにも幅があって、当時12万円から25万円くらいでした。

1タイトルを2週間20曲から30曲くらい作って、修正も結構たくさんあってそれなりに大変でした。

合わせて、他のところからアレンジの仕事をたまにもらえるようになり、

派遣の仕事やめよう!という気分になったのです。(貯金もなく機材の借金ばかりなのに若かったからできたことなのかな)

 

後々、ドラマCDの会社は潰れてしまい、また他の食い扶持を探すことに・・・。


 

<転機>

なんとか取引先を探そうとMusicmanという音楽業界誌を買って、音楽関連の会社にかたっぱしからデモを送りました。

そんなんとき、とある事務所から連絡が来てコンペコンペの毎日になります。

この事務所にはデモを送ってから全く連絡がなかったので、僕の方から電話して確認してみました。

「まだ聴いていません」との返答に拍子抜けしたのですが、電話を切った後すぐに聴いてくれたのか間も無く連絡をもらい、コンペに参加するところから仕事が始まりました。

 

初めてのコンペ通過はアニメのキャラクターソングでした。 しかしながら、そんなに売れなくて印税も驚くほど少額でした。

コンペは落ちたら一銭にもならないし、そうそう頻繁に通るものでもないので費やす時間や仮歌へのギャラなど含め「これが仕事といえるのか!?」という問いに苛まされる日々。全く費用対効果が期待できないのです。大ヒット曲になれば話は変わってきますが宝くじを買うようなものです。

 

 その後もなかなか通らなかったんですが、ある時ラッキーなことにTVの帯番組の音楽の仕事が決まったのです。

仕事はとっても大変でしたが、毎日曲が使われたので使用料収入が入り経済的に安定するようになりました。

やっぱり経済的に安定すると気持ちにも余裕が出て、いろいろな人と会う機会も増えました。

懇親会などに参加するうちに映画監督を知り合いその後何本か、映画の劇伴もするようになりました。

映画劇伴の仕事はほとんどパーティーで知り合った映画監督からいただいた。 お金を機材以外にセミナーとかスクールに使うことができるようになりスキルもそれなりについて来ました。

そうするとコンサートBGMとか、舞台の音楽の仕事とかも少しできるようになりました。指名での作曲も少ないですがたまーに来ます。

 

<フリーとして何が備わってきたのか>

 こう書くと何だか順調に時を過ごして来たように見えますが、やはりフリーに不安はいつでもつきものなので情緒不安定になることもありました(今でもw)

特に今はまた単発仕事ばかりでなかなか収入的に安定しない時期です。

やはりある程度収入が読める継続仕事をいくつか抱え込んでおくのが理想ですから。

ただ、スキルと経験がが若い時よりあるのと、フリーとしての胆力が備わってきたので毎日を楽しく過ごすことはできています。

 

まぁ安定することは一生ないと思っているので死ぬまでドタバタと営業しながら仕事していくんだろうなぁ、というのが正直なところです。

 

 フリーになる前から老後の心配をするようなタイプの人にはフリーは向かないでしょう。ある程度、楽観的にも捕らえられて、それでいて臆病な人(臆病なので色々手を尽くして最悪の事態にならないよう準備できる)が長く続けられるような気がします。

 

 

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