てんかん発作とは!? 意識が無くなるってどんな感覚...??

こんにちは。@若造です。看護師をしています。
今日は「てんかん」についてのお話。

「てんかん」とは脳の病気です。
脳は通常一定の電気的活動を行なっていますが、強い刺激が与えられると過剰に興奮し痙攣を起こしたり意識消失をすることがあります。

昔、ポケモンをテレビで見ていた子どもたちが突然全身痙攣を起こすといった全国的ニュースがありましたがそれはテレビがチカチカと光ったことによって脳に強い衝撃が与えられたからだと言われています。

よく、テレビの記者会見などで「フラッシュにご注意下さい」などの注意書きを目にしますよね。この注意書きも実はてんかんを防止するためのものです。

しかし、てんかんを持つ人はこのような外部の刺激がなくても突然脳内で勝手に強い電気的興奮が生じ全身性の痙攣や意識消失が起きてしまいます。

ここからは私のお話。
私は12歳の頃に突然てんかんを発症しました。
家族に同じような病気を持っている人はいません。

家族で旅行中。「明日は早起きをしてみんなでディズニーランドに行こうね」と母。
私は朝が苦手でしたがその日はワクワクして起き、出発の準備をしているところでした。
私の記憶はベッドに腰掛け靴下を履いているところで途切れています。

気がつくとベッドに横たわり、母と姉が上から私の顔を覗いていました。「大丈夫?!」と母。

私は"着替えてる途中に寝てしまったんだ。"と思い起きあがろうとすると母に「起きなくていいよ。そのまま寝てて。」と制止されました。

どうして??これからディズニーランドに行くのに。起きて出発しないと。お母さんもお姉ちゃんもなんだか心配そうにしているし、なんだろう...
ちょっと居眠りしちゃっただけなのに...

そう思いながらも私は身体の異変に気付きました。なんだか頭が痛い...吐き気もある。そしてものすごく眠い。目を開けてられないぐらいの強烈な眠気。声をかけられ続けないと数秒で眠ってしまう。

何かがおかしい...そう思っている内に数人のヘルメットを被った男性が担架を持ってゾロゾロと部屋に入ってきます。「大丈夫?分かる?」と横たわった私に声をかける。そしてあっという間に担架に乗せられました。

もしかして、まだ夢を見ているのかも...早く起きないと...と本気でそう思いました。

そこで母に「分かる?突然意識を失って倒れたんだよ。今から病院に行くからね。」と告げられます。

意識を失って倒れる?!私が?!これまで風邪もほとんど引かず健康だけが唯一の自慢だった私。もちろん意識を失ったこともありません。
母の衝撃的な一言を最後に私は眠ってしまいました。

後から聞いた話ですが、早起きをしてベッドに座り着替えをしていた私は突然前かがみになりベットの下を覗くような体勢になっていたそう。母がそれに気づき"何かを探してるのかな?"と見ているとそのまま床に崩れ落ち全身性の痙攣を起こした。慌てて駆け寄ると呼吸も止まっていたため救急要請。人工呼吸をしたらしい。

私は倒れる前に一切前兆などはなく、意識を失っている間の記憶はもちろんありません。10〜15分程度は意識を失ってるはずですが、私の体感では"5秒程度目を瞑ってウトウトしてしまった"ような感覚。

時間が経つにつれて酷い頭痛吐き気強烈な眠気に襲われるので目を覚ましてすぐには何が起きたのか分かりません。

てんかん発作の症状には人それぞれ色々な症状がありますが私は硬直性の痙攣を起こしてしまうタイプで、全身に思い切り力が入ります。

意識を失っているのでもちろん自分では制止できず、毎度舌を噛んでしまい口の中が血まみれになります...汗

※発作を起こしている人の口には手を入れないこと!昔はよく患者が発作を起こしたら舌を噛まないように口にタオルを噛ませましょう!と言う人がいましたが、誤って口に指が入ってしまうと指が噛み切られます。それぐらい力が入っています。
また、窒息の恐れもあるので口には何もいれないでください。食事中の発作であれば患者の身体を横に向けたり背中を強く叩いたりして口から食物を取り出しましょう。

話は戻りますが、結局私たち家族はディズニーランドには行けず旅行は中止。まだ中学生だった姉は妹が全身性の痙攣を起こしたのを見てトラウマになりしばらく冷たくされました。(笑)

それから私は"てんかん"という病気と一生付き合っていくこととなりました。薬は毎日の内服が欠かせません。
(薬の飲み忘れで発作を起こしたこともあります。)

私の場合は全く日常生活に支障がなく、発作が起きる前も前兆が一切ないのでついつい薬を飲み忘れてしまいそうになりますが、一生懸命飲んでいます。

てんかんを発症してから約10年、私は看護師となり、脳外科病棟を希望しました。このような経験があるからこそ同じ病気の方の支えになりたいと思ったからです。

「てんかん」は発症してしまうと一生付き合っていかなければならない病気なので不安な方はたくさんいると思います。

小さいお子さんだと余計に
「うちの子が脳の病気...?!」「うちの子は他の子と違うの?普通じゃないの?」「障害が残ったりしないの?」「社会に偏見を持たれて将来的に生きづらくなったりしないの?」などなど。心配な声がよく聞かれます。

てんかんにも軽度・重度があり、さらに人それぞれ症状も違います。なので一概に「大丈夫ですよ!」とは言えませんが、てんかんを抱えながら看護師として働く私を見て、患者さんやご家族が「ああ、なんとかなるのかもな。」と思ってもらえたらいいな。と思い日々関わっています。

てんかんは昔「悪魔に取り憑かれている」「移る病気」「精神疾患」などと言われ差別を受けた人もいました。未だにその風潮は残っていて、「あまり人に言わない方がいいんじゃない...?」と言われることもあります汗

でも私は隠すつもりはありません。もっとてんかんのことをみなさんに分かってもらいたいからです。私自身も差別的な発言で辛い思いをしたこともありますが、だからこそ皆さんに発信していきたいと思っています。

「てんかん」を持つ方々がもっと生きやすい世界になりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?