見出し画像

いつのまにか伝説の中にいた話

久しぶりにすごい体験をして記録しておかなきゃいけないと思ったので書きます。完全に主観です。

 私がVTuberを知って2年半が経つ。のらきゃっと様の配信を視聴して、Oz苑やバーチャルマーケットの楽しそうな映像を見て、私もいつかあんな綺麗なワールドを巡り、伝説の配信や集会、イベントに行けたらいいなと思った。企業勢も個人勢も混ざって楽しそうに一つのことを共有して、画面の向こうのあの人たちと喋りたいと思った。そしてVRC向けアバター量産型のらきゃっとの発売に合わせて2019年2月にVRChatに初めてログインした。当時はまだノートPCしか持っていなかったしリアルの世界も忙しかったので長時間や大人数のVRCはできず、ごく稀にバーチャルボカロリスナー御丹宮くるみさんが主催するバーチャルボカロリスナー会やボカロDJイベント、あとはバーチャルマーケットくらいしか行っていなかった。
 それが今年の初め辺りから流行の感染症の影響で時間の余裕ができるようになってきて、2020/4/2、VRChatの使用するUnityのバージョンがアップデートされる前日にファンタジー集会場の最終日に遊びに行った辺りからFriendが増えてきて、1日のVRCプレイ時間がだんだん伸びて行って、PCに限界を感じたので2020/4/30に新PCを購入。バーチャルマーケット4のバーチャル店員イベントでのらきゃっと様にも会って、推しって意外とすぐに会えるんだなと思ったりもした。なんならのらきゃっと第3義体や量産型のらきゃっとアバターの制作者、長兎路こよりさんがJoinしてきてくれたこともあった。推しに会いに行くだけじゃなく、推しが会いに来てくれる世界でもあった。たくさんのフレンドさんとOz苑を巡ったこともあった。あの伝説の配信を聖地で追体験して、私の見たかったVRCはこれだったかもしれないと思った。

そして、2020/11/20の18時から始まった「音楽を止めるな2」の後に11/22/22:30~VRCで突発で行われた「SLTを止めるな2」に参加して、伝説の一部になった気がした。

 SLTとは店長の青猫さんがVRChat上にてOpen Mic Barとして毎週土曜日23時から開いているSpot Light Talksというイベントのことで、毎回その場に居合わせた人たちが先着順でステージに上がっては30分の持ち時間で演奏や歌、セッションを披露している。音はよしたかさんのTopazchatというアセットにより高音質低遅延でワールド全体に流せるようになっている。
 10/24・31には秋の音楽会と称してAMOKAや93Poetryさんのライブ等も行われている。とはいえ皆SLTの常連であるし、出番をしっかり区切ってワールドも特別仕様になったSLTの表現発表会のような、そんな印象を抱いていた。あくまで私にとっては日常の一つだった。

 話は変わって2020/11/20にAZKiさんのチャンネルで配信された「音楽を止めるな2」にももちろんSLTでよく見る方々の多くが動画を提出していた。コメント欄にも知り合いのVRC音楽勢が多くて、AMOKAに至ってはURL貼り付け係にまでなっていたほど。僭越ながら私もKu_Ambientflowさんのおとあそびセッションライブの映像で音止め2に映っていたりしたらしく、つまり推しの配信に私が映っていたということで、なんかすごい(語彙力)。

 そして音止め2が11/22/20時頃に終わった…はずだった。SLTの青猫店長が音止め2の余韻に浸れる場所として何気なく22時半ごろにSLTを開けた(らしい)。

 音止め2の興奮冷めやらぬままいつものSLTと同じように人が集まり、演奏が始まった。

音楽は止まらなかった。

 私は確かアバター改変の作業をしていたので25時半くらいにSLTに行ったが、すでに3組ほど演奏が終わっていて、青猫店長と店員の櫻野ソルテさんのユニット7th Noirがカバー演奏をしていた。26時くらいに出演者が交代し、音止め2にも出ていたAMOKAのうちのAipoさんともいさん、AMOKAの「螺旋のあと」でPianoを担当していたSUSABIさんの3人での演奏が始まった。ちなみにこの時点で朝5時半くらいまでは演奏枠が埋まっていた気がする…

画像1

ステージ上左から順にSUSABIさん、AMOKAのもいさん、Aipoさん。

 本来の営業日ではないけどいつものSLTと同じ感じ。Twitter投稿用に自撮りしてる私も、その時はこれが大変なことになるとは思ってなかった顔である。
この後誰かの演奏を挟んで、レヴィアスさんのギターが27時~27時半くらいであり、Ku_Ambientflowさんのセッションになった。

画像2

ステージ上左からJohny Henryのベース担当Moiriさん、V_olumeUP所属ノイズギタリストVTuberフレア・スカーレットさん、音と言葉が大好きな野生の蚕キヌさん、音と光のアンビエント演出Ku_Ambientflowさん、Unityでシェーダー書いたりカメラシステム作ったりしてるギターTylorShineさん、

画像3

ステージ上左でからし明太子アバターになっているのはSUSABIさん、ピアノの下敷きになっているKu_Ambientflowさん、中央で立っているのがJohny Henryのギター担当デスメタルVTuber藍葉じるあさん

 この時点で26時を過ぎていたがこのワールドの地上では3MarcoさんがDJをしていたりした。私はこの辺りで寝落ちして、起きたのが朝6時。とりあえずラジオ体操へ行ってEXもやって、朝7時半になってもまだインスタンスが残っていたので戻ってきた…けど、皆寝落ちしていたようなので一回VRCを落としてベッドに潜ってTwitterを見て…
 どうやら結城ことはさんがギターを弾き始めたらしい。朝7時45分くらいに再度SLTに入り、ことはさんのギターを聞きながら寝たり喋ったり。9時半くらいにNA_NOさんが来てピアノを弾いたり、10時くらいに0-2さんが来てピアノを弾き、12時半くらいにmemexのぴぼさんが来てNA_NOさんが再度Pianoを弾いて、Yoikamiさんがダンスを躍り、13時くらいにはSUSABIさんも戻ってきて、なんかセッションが始まって、13時半くらいにはすごいことになった

画像4

YAMAHAのSyncroomのルーム連結を使って10人、ステージ上左Unity-chanはNA_NOさん(Piano)、その背後に隠れているのがMoiriさん(Ba)、ピアノを弾いているのはらくとあいすさん、手前にキヌさん(Vo)、memexのぴぼさん(Guitar)、Ku_Ambientflowさん(Piano)、SUSABIさん(Piano)、結城ことはさん(Guitar)、ふかみあいやさん(Piano)、ステージにはいないけど櫻野ソルテさん(Vo)、memexのぴぼさんの手前にいるフレアスカーレットさん(Guitar)とステージ下のDJ3Marco(サンプラーDJ)のお二人はVRCのボイスチャットから直接音を出してセッションに参加し、総勢12名の超豪華なセッションが真昼間に行われた。
 音楽を止めるな2延長戦のSLTを止めるな2がこの辺りでTwitterにも広がり始め、SLTに来たことのないVRC音楽勢がやってきたりしていた。

画像5

左からMoiriさん、初SLT(?)のVirtualPianistイトイさん、Aipoさん、もいさん、もいさんに隠れてるハロウィン系VTuberやまみーさん(Dr)のセッション
11/25/10:30追記、イトイさんは盛夏音祭Day1おとあそびセッション参加でSLTを訪れていたらしいです。

 この後やまみーさんの歌、あきさんのウクレレ、VRC音楽勢オルタナの柱VTuber鎌木リカの演奏、青猫店長と櫻野ソルテさんの7thNoirカバー演奏、osmanthusさんのベース演奏、fh(foo)さんの歌、zavutonさんのピアノ、NA_NOさんのピアノ、toroさんとOTO-TOさんのカバー演奏、aikaさんの歌、sho_miyagiさんの歌と続いて気づけば21時半。この頃にはAZKiちゃんのプロデューサーツラニミズ氏とかにまでSLTの情報が届いてたらしい。SLTには江戸レナ嬢や隣町本舗氏がいらっしゃってた。すげぇ。私はそもそもVTuberのオタクでもあるので、推しが目の前にいると限界化する。なんかもうヤバい。20時間VR被ってVRCやってるのだからそりゃそうなんだけど、疲れを通り越してハイになってきた。いつものSLTがだんだん伝説になっていく感じがした。

画像6

 集合写真時点で23時前、SLT開店24時間を超えたのを記念にこのワールドでの集合写真が撮られて、店長の粋な計らいにより特別イベント仕様のSLTワールド-SLT Surface-へ移動

画像7

 Nameless Echoのりーのんさんがワールド移動後最初の演奏をしてるうちに事の発端となった音止め2主催AZKiちゃんのマネージャーツラニミズ氏やエンタスのTAKUYAさんとかその周りの凄い人たちが到着。りーのんさんの後に93poetry氏がポエトリーリーディング。3月の音止めに合わせて完成させた「例えばこんなポエムでも読んで」、93poetryさんは即興でリリックを紡ぎセッションに参加することもあるほどの凄いポエマーで、この時もリリックを場に合わせて変えて泣かせに来た。SLTのために書いた「SpotLight」はVRCのSLTをよく顕していて、なんかもう感情がぐちゃぐちゃになった。このイベント用ワールド”SpotLightTalks-Surface-”はスタッフがワールドの演出をリアルタイムで行えるギミックがある。DJがDisc Jockey、VJがVideo Jockeyならこのリアルタイムワールド演出はWJ-World Jockeyとでも言おうか。演者が最も輝く舞台演出がSurfaceにはあって、泣くなよと言われても無理な話だ。

画像8

 93poetryさんの次はVRC音楽勢でも最もメディア進出してるであろうAMOKA、エンタスでライブをし、都心の映画館の上映前CMで流れ、eo Music Try mineo Awardの1次選考にも残っていた。AMOKAがVRC音楽勢の米津玄師(ハチ)になればいいなと思うくらいには期待しているグループで、本当にもっと評価されてほしい。
Welcom to the Virtual Reality Worldの歌詞「これが僕らが夢に見た未来だ」、私たちにとってはすでに日常かもしれないけどこの時初めてVRCに来てVRC音楽勢に触れた人たちにとってはまさに未来だったのだろうなと感じた。最後の一曲はTAKUYA the bringerさんへの感謝のあいさつとともに不完全存在、音楽を止めるな2がマスタリングされて完全な音楽だったのなら、SLTを止めるなは即興で不完全な音楽かもしれない。現実の存在が確認できない以上は不完全な存在かもしれない。それでもここには音楽が止まらず続いているVirtual Reality-実質現実があった。

画像9

 AMOKAに続いてR.Toneさん。11/22に93poetryさんが下のようなツイートをしていたのだけど、こんなに早く実現するとは思わなかった。

トネボクとは拘ったマシンのパワーで凄い音を奏でるR.Toneさんと、それに合わせてパーティクル等をフル活用し最強の演出を行うVoxelKeiさんのユニットのことで、表に出てこないVRC音楽勢のラスボスとまで言われていたりする。今回のSLTにいたのはそのうちのR.Toneさんの方で、むちゃくちゃ凄い即興演奏をしていた。重いアシッドのサウンドをtopazchatに載せて高音質なままWorldへ流す。リアルの箱だと最近はこんな音は流れていないし、流れていても客の年齢層が高くなりつつあるのにVRCでは他の音楽と同じように皆が聴いているとclocknoteさんが凄い感動していた。

写真を撮り忘れたけど、Toneさんの後はJohny Henryのベース担当Moiriさん
「ベース一人じゃ何もできないのでSyncroomでルームを開けてあります。」の声の直後に
「仕方ねぇなぁ。付き合ってやるか。」とtopazchatからの音声でJohny Henryの作曲作詞ボーカルハーモニカ担当YAMADAさん。Moiriさんが「もう入ってるんだよな」とやり取りをして、ジョニヘのかっこよさってこういうのにもあるよなぁと…。そして始まるブルースのセッション、TylorShineさんのギター、やまみーさんのドラムが合わさりオシャレで粋でかっこいい音が流れ出す。Moiriさんがやまみーさんに「ブルースってできますか?」と聞いた後の「スタンダードでいいですか?リズムは?」っていう返し、即興ならではのこういうやり取りもよすぎるでしょ。この即興セッションでもまた色んな人が語彙力の限界を迎えていた。ちなみにインスタンスがここで壊れたので立て直し、翌日仕事のある人たちはここでログアウトしていった。

画像10

この日のSLTの最後はKu_Ambientflowさんのセッション。26時半~27時の30分間、10分交代でいろんな人がセッションに参加してその場限りの音をまた新しく作り出していった。キヌさん(Vo)、YAMADAさん(Hca)、Moiriさん(Ba)、NA_NOさん(Pf)、zavutonさん(Pf)、ふかみあいやさん(Pf)、TylorShineさん(Gt)、櫻野ソルテさん(Vo)、青猫店長(Gt)、よしたかさん(Dr)、VTuberおきゅたん(パート忘れた)、VTuber鷹乃みかんさん(パート忘れた)が入れ替わりながらセッションに入ってたはず…

画像11

そして11/24/3:00、11/20/18:00から続いた音楽が止まった…AZKiちゃんのチャンネルで行われた音楽を止めるな2の48時間(実際は49時間半)とVRChatのSLTで行われた突発SLTを止めるな2の28時間半を足して78時間、音楽は止まらなかった。暴走する音楽を止められなかったのかもしれない。本当に音楽に包まれた4日間だった。

画像12

そもそも私はボカロやVTuberのリスナーとしてVRに興味を持ってVRCに飛び込んだ身だからVTuberとVRの交わったこの場所にすごく感動した。朝起きると音楽系VTuber界隈だけじゃなくVR業界の凄い人たちまでもがVRとVTuberと音楽のツイートをしていた。私が24時間以上過ごしたあのイベントはきっと伝説になったのだと思ってしまった。自分で伝説っていうのはおこがましいかもしれないが、かつてあった伝説の話を聞いているからこそ私がいたあの場所は伝説だと思ってしまった。

きっと私は気づいた時には伝説の中にいた。

たくさんのVTuberやVRC音楽勢が集まって歌って演奏して感想を言い合って企業も混じったりして、この一体感と高揚感とTwitterの盛り上がりと、私が見たかった伝説の景色だと思った。

きっとこれからもいつものように毎週土曜日の23時からVRChatにSpot Light Talksが開き、音楽が辞められなかった人たちの音楽が奏でられるのだろう。


最後に、いつもワールドを作って開いてくださっているSpotLightTalks青猫店長、Topazchatでの高音質低遅延配信技術を提供してくださっているよしたかさん、SLTのスタッフさん達、いつも演奏をしてくださっている演者・アーティストの方々、一緒に聞いているリスナーの方々、ありがとうございます。

次の記事で今回のSLTにかかわる人たちやイベントを紹介したいと思います。






画像13

P.S.
音楽は鳴りやまなかった。3時過ぎの集合写真の後も0-2さんが4時まで演奏を続けた。


4時で終わると思った?

スクリーンショット (59)

ワールドを移動してSLTの通常ホールでaikaさんが朝6時過ぎまでDJをしていたらしい。自分は疲れて5時過ぎにリタイアした。SLT開店時間は32時間弱となり、音止め2と合わせると80時間以上も音楽が止まらなかったらしい。音楽が辞められない人たちすごすぎる…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?