ブレンパワード第9話「ジョナサンの刃」

ジョナサンカッコよすぎる!


と言う事を言いたい!
 みんな、ジョナサンはマザコンでキモイと思ってるだろー。まあ、キモいんだけど、僕はジョナサンよりもヘボイので、謙虚にジョナサンがカッコいいと言うことを認める。


とりあえず、あらすじ。
 前前回で勇にボコボコにされたジョナサンが神風攻撃をしにノヴィス・ノアに来た。降格か?いきなり来たので、意図が全くわからない。せめて悪の秘密結社の秘密基地での会話が在ればわかりやすいのだが。
親父「ジョナサンめまた失敗しおって、これではオルファン様の復活が遅れてしまうではないか」
ジョナサン「もう一度チャンスを」
とか。
 まあ、これは後日語られるんですけど。
そんで、(ネタばれ)ジョナサン・グレーンのママンが(伏せ字)だと言う事が判明した。
えええええええええええええええっ!!!!!
 ブレンパワードの展開は予想がつかなさ過ぎる。もう余計な情報を検索しないようにしよう。
 いや、ジョナサンにクリスマスのママンがいる事はシャア板のクリスマスイベントで知っていたし、写真の坊やも見ていたのだが、アレの写真はカント・ケストナーきゅんだと思ってたのですよ。
っていうか、名字も違うじゃん!
 いや、ケストナーも違うのだが、それは離婚とか云々だと思ってたんだが。
 ジョナサンのママンは人工受精のシングルマザーだったとは。えええええええええ。
 ジョナサンって、惣流・アスカ・ラングレー(貞本義行版)だったのかよ!
名字が違うのは、クインシィ・イッサーみたいなオルファン源氏名なんですかねえ?
 つーか、ママンもジョナサンがリクレイマーになってたと言う事を知らなかったとは、なんてママンだ。ジョナサンは小説によると17歳で家を出て、今24歳だと言う。でも、ジョナサンはカッコいいなあ。
 17歳で家を出てから、公式にはジョナサンの身分はどうなっていたんだろうか?
 まさか息子がテロリストになっていると言う事が公になっていたらママンの出世にも響くだろうし、ママンもそこら辺のことは隠していたか、ジョナサン自身もばれないように住所と身分だけはしっかりした所を持ってたのかな。
 ミスター・モハマドというトリトン声の金持ちのボディーガードの振りをしてジョナサンがノヴィス・ノアに潜入したと言う事からもジョナサンがしっかりした身元を持っていることは判る。
 それかリクレイマーの偽造技術がすごいのか。スパイ大作戦だな。
で、ジョナサンのどこがカッコいいのかというと、ママンを全否定するのがカッコいいです。強い。

 

「よく憶えてるから怒ってんだ!あの時だってママンは家に居てくれなかった!あんたにはカードを持ってみせるような見せ掛けの愛しかない!こんな事やられたって、子供にはわからない!伝わらないんだ!男との愛情を育てるのを面倒がった女は、子供との愛情を育てるのも面倒だったんだよなあ!だから俺を捨てて、仕事に逃げたんだ!」




とかいろいろ。怒涛の長台詞。
 なかなか素人はママンを子供が全否定できる物ではない。なぜなら、ママンを否定する事は自分自身も否定する事になると言う本能的リミッターが働くからなのだ。

 でも、ジョナサンはママンを全否定。スゲエ!リリー・フランキーの100倍カッコいい。

 それは、ジョナサンが既にママンに全否定されたと言う前提にあるからか、それともオルファンという新しい母親のアンチボディ(抗体)になっているという自己肯定感に裏打ちされているからなのか。


「そうやって憎まれ口を叩けるのも命を与えてくださったお母さんがいらっしゃるからでしょ!」
という直子おばあちゃんは正論過ぎておもしろくない。が、そういうセリフも必要か。
 ジョナサン的には命だけ与えられてほっておかれたという気持ちが強いんだろうな。そこで、命がどうとか言われてもむかつく。生んでくれと頼んだわけでもないんだし。生まれて、何か人生を経験したのがよかったかどうかとは別問題だ。


 ママンが11歳のときにクリスマスに帰ってきてくれたのは10歳の時のクリスマスカードのおかげだろうか?とか一々細かいのがいいなあ。


 ジョナサンは3話で「人間の遺伝子はオルファンとグランチャーに残る」と言うのだが、今回は「あんたは男と女の愛情なんかより、まだ遺伝子の方を信じてるんだなぁ!それで天才の精子を買ってシングルマザーになったが、この俺の気性はその天才の遺伝子を受け継いだからじゃないのかね?アハハハハハッ!」「だったら!自分に欠陥があるのなら子供なんか作るな!俺の前で母親面なんかするんじゃない!」
とか。矛盾しているようだが、ジョナサンの中ではそれが、オルファンに選ばれた者の遺伝子だけが残ればいいと言う風に成っているのだろうか。ジョナサンがオルファンに選ばれた自分の遺伝子に拘っている部分と、遺伝子を信じている母親を憎んでいるのが入り混じっていて面白い性格だな。矛盾のある人物を設定できるのはトミノすごい。


 と、まあ、これだけだと敵陣に突入して勝手にトラウマを暴露しているだけの電波なのだが。(敵の中枢であるママンの精神を攻撃する事で指揮系統を混乱させようと狙ってやってるのかもしれんが)
 クマゾーに優しいのはカッコいいな。
というか、すごいテロリストなのにポーズではなく本当に子供に優しいのが良いな。チンチンを露出させたりとか。
 クロノクルっぽい。クロノクルは普通にいい人だったなあ。普通に出世してるし。普通に事故死。ジョナサンはキモイ分クロノクルよりも魅力的に見えるなあ。キモくて、かつ良い人と言うのはすごいな。
 渡辺久美子との恋愛はどうなるのだろうか?
いえね、普通親からの愛情を受けないで育った人って言うのは、虐待の再生産と言うか、自分が大きくなってから自分より弱いものに自分が受けたのと同じような仕打ちをするということが多いと言う現実があります。
悪意があると言うよりは、善意の持ちようが判らないのだな。
 僕もそのようなところがあり、まあ、僕は幸いにして子供を育てる立場にはないのですが、子供は苦手ですね。どう接していいのかわからん。自分の立場や対面を守りながら子供に声をかけるやり方がわからない。そもそも吃音だし回避性障害だ。
 それが、ジョナサンはかっこよくクマゾーを助けるし男の先輩としてのカッコいい言葉をかけたじゃないですか!
 ああ言う風なマザーコンプレックスの人は男としての自分を構築できなくなりそうな物なのだが、と言うか僕がそうなのだが、ジョナサンは時分の中に男の自意識を確固として持ち、それに従って子供を助ける。
 一度クマゾーに核心を点かれて殺そうとしたのが、最後に助けようとするのも、男と男の戦いと言う感じでカッコいい。幼児と成人男性だが。幼児でもちゃんと尊重できるジョナサンは偉い。
 子供の意思を無視された奴が大人に成ると、自分の力をつかって逆に子供を虐待するものなのだが、ジョナサンは子供には優しくてカッコいい。
 ジョナサンはすごい。


 マザコンの男と言うのは、普通のドラマなどでは戯画的にしか描かれないのだが、富野はそこを掘り下げるほど掘り下げて、多面体として描いているので素晴らしすぎるし、そこが簡単な味付けを好む一般に受け入れられない部分でもあるのかもしれないが、僕は大好き。


 それにしても、クマゾーがピンチになるところはルパンぽいと言うか未来少年コナンっぽくてアニメーションらしいスペクタクルですっげーおもしろかった。ゴールデンタイムでやればいいのに。
 判りにくい人間関係や性格や人間ドラマが取り沙汰されやすい富野作品だが、こういう単純なアニメっぽいアクションシーンもしっかりと面白く用意されているのだが。そこも、紙芝居だと批判されやすいのが富野なんだよなあ。うーん。コンテは完璧なのに、トミノは予算コンプレックスだkらか、単に予算が少ないのか、スケジュールが破綻しやすいのか、絵は・・・。しかし星を継ぐ者や変化ドミネーターのアクションシーンのようにアニメーターが本気になったときの富野アクションは素晴らしすぎて泣ける。


あと、個別のツッコミ。
 ミスター・モハマドはあんまりアラブっぽくないな。というか、イスラム教徒っぽくない典型的な金権主義者なんだな。あんまりイスラムっぽくない。うわっついてるんだな。と言うのは僕がムスリムを真面目な人だと考えすぎている?ググって見たら黄金のクルーザーくらいは向こうの金持ちは平気でやるみたいだが。
 でも、ネイティブアメリカンなアイリーンさんに一目惚れしちゃうのは浮気だなあ。
 にしても、このマンガはどいつもこいつもすぐに人を好きになる萬画だな。


「ありがとう。しかしクマゾー君には本当に短い人生になってしまって申し訳ないな」
ロゴスのジブリールにそっくりのゲイブリッジ司令が全然申しわけなさそうなところが怖い。
 このジジイはババアと恋愛しているだけではなさそうだ。一言だけだが、底知れない。


 小さな防衛線だ!子供が活躍するのはアニメっぽくて楽しい。
僕は子供が戦場にいるのは余り好きではないのだが、子供が活躍するのは楽しい。子供がいると雰囲気が和らぐし、エピソードの活気に幅が出ると思う。
 ユキオとアカリのやり取りがかわいくていいなあ。
っていうか、子供が元気なので子供に見せたいぞ。地上波でやればよかったのに。
 一応、本放送の時は19時半にやってたみたいなので、ワウワウが見れた家庭のお子さんは幸せだっただろうなあ。
 オープニングで裸が出ても、あれはオカズになるほどではない上品な裸なので良いじゃないですか。かなりクリティカルなセリフが出るんだけど、それも含めて家族で見たい番組ですね。すくなくとも芸人が食べ物を粗末にしているような番組よりは富野アニメを見よう。


クマゾーは授乳経験があるんだも?


「私なんかいっぱいお母さんがいるから・・・」と、アップルシードのヒトミちゃんみたいなことを再び言う比瑪は微妙に無理をしている、と言うかその生い立ちを良い物だと思おうとしているのだなあと言う語感だった。単純に明るいだけではなくて、自分から自分の育ちをポジティブに捕らえようという癖がついているのだな。
 それが、ジョナサンのようなひねくれ者の事がわからなくなる原因でもある?
 で、それに一々突っかからないで流しながらも無視はしていない、勇とカナンの親コンプレックスコンビの対応が大人だな、と思った。って言うか非常時だし。

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