リョウ 2


「支度できたー?」


マリに声をかけられて、髪を整えていた手を止めて顔をあげる。
今日の彼女は真っ白いシャツワンピース。
オレンジ色のボブヘアをくるんと内巻きにして、唇も濃いオレンジ。初夏だ。


「できたよ、出かけよ」


ぼくたちのデートはいつもお決まりのランチから。
マリのお気に入りの大きなパラソルが立てられたテラス席で、甘いシロップがけのフレンチトーストにカリカリの塩辛いベーコン。それに濃いめのコーヒー。


「そういえば、昨日言ってたバーの話だけどさ」


ぼくが思い出してマリに話す。
マリはぼくの話は耳に入っていないようで、晴れた空の雲をボーっと眺めていた。


「ねえ、マリ、なに考えてるの?」


そう聞くとぼくの目を見てニヤリとする。
何にも言わないけど、この顔はたぶん…やらしい事だ。
ぼくはバーのことから気が逸れてしまって、鼓動が速くなるのを感じる。
自分がやらしいことを考えはじめてしまっている事に気付くと余計に興奮してしまう。こんな爽やかなランチ中なのに。


「リョウこそ、なに考えてるの?」


マリはそう言って、丸いテーブルで隣り合わせのぼくのふとももに手を乗せ顔を覗き込む。


「わかってるくせに、いじわるだよね」

そう答えるとマリが笑ってぼくの耳元で囁く。

「パンツ履いてくるの、わすれちゃった」


マリはたまにこういうサプライズを仕掛けてくる。
そのたびにぼくは反応してしまうから、ぼくたちは何年も飽きずに一緒にいられるのかもしれない。

パンツを履いてないと言われたランチを終えて、ひととおり買い物を済ませたぼくたちは半同棲状態のマリの家に到着した。

たくさんの荷物を抱えて部屋に置くと、ひと息着く間も無くぼくは着ていたシャツを脱ぐ。


「リョウ、我慢できなくなっちゃったの?」

バッグを置きながら、マリが長い睫毛の大きな目を見開いてぼくをみる。

「うん、こっち来て」

そう言ってぼくは白い大きなソファに腰かけ、マリを呼ぶ。

マリはワンピースの上に羽織っていたカーディガンを脱いで、向き合うようにしてぼくの膝の上に跨がる。

しろい太ももがチラリと見える。ぼくがその柔らかく温かい場所に触れるとマリは触りやすいようにすこしワンピースの裾を捲ってくれる。


太ももの内側を優しく撫で上げるとしっとりとしている。そうしてそのまま秘部に手を伸ばす。
ホントにパンツは履いてなかった。一日中この状態で何食わぬ顔をして隣を歩いていたことを思い出してたまらなくなる。ぼくの下半身が熱くなるのをかんじる。
もちろんマリのほうも、しっとりどころではなく、ぬるぬると粘り気の強い液体で濡れていた。

間に指を沿わせると、するすると滑らかにすべる。何回か往復すると、小さな突起がみるみる硬くなるのがわかる。
そこに人差し指が触れるたび、わずかにマリの腰が浮く。
ぼくはマリのワンピースをたくし上げて、片足を立たせると、そこがよく見えるようになった。
濃いめの赤色に充血して、愛液できらきら光る割れ目はもういつでもぼくを受け入れてくれそうだった。

でもぼくはその魅力的な洞窟に入るのをまだ我慢することにして、小さな突起を人差し指と親指でそっと摘んで揺らしてみた。

するとマリは、大きめに喘いで腰が反れる。膝から落ちないように空いたほうの腕で支える。
突起を擦り上げる。1回、2回、3回と続けるたびに充血した突起が震えていく。
マリの脚に力が入り、息が荒く、声が大きくなる。

「リョウ、わたしもうイッていい?」

マリはいく時必ずぼくに承諾を得る。たぶん本人は気付いてないけど、クセなんだろうと思う。前の男とのクセかな。

「いいよ、一日中我慢してたんだもんね、マリちゃん」


この時ばかりはぼくが主導権を握る。だからめいっぱい意地悪な気持ちになりながら、狂ったようにいかせる。

マリがぼくの指で2回イってから、膝の上から下ろしてソファに座らせる。

ズボンと下着を一気に下ろすとぼくのペニスが勢いよく飛び出した。
それを見たマリはそれを掴んで先を口に含むと、舌でころころと転がす。
すこし腰を押し付けると、そのまま喉奥に導いてくれる。
吸い付いたまま根元から絞り上げるようにストロークされる。

このまま射精してしまうのも良いなと思うけどマリの動きを止めて、唇にキスをする。

さっきまでぼくのペニスを咥えていた小さな口に舌をねじこみ絡ませる。すこし雑に。
そのまま下半身をマリの足の間に潜り込ませて、ペニスの先を割れ目に擦り付けると、ぬるぬるとした隙間に穴が現れて、そこにずるずると引き込まれる。

まるで本人とは別物のように動くその粘膜は熱く、ぼくを包み込んだかと思うと締め付ける。奥まで一気に進んでいくと、なにか固い壁にぶつかる。そこをなんどか擦り上げると、マリは体を震わせ達したことがわかる。

ぼくの動きに合わせて締めたり緩めたりしてくるその中で、何回か行き来していると意識が飛ぶように、頭がまっしろになる。

「マリ、いくよ」

ぼくはマリにそう言ってから、だらしなく口をあけて荒く息をするマリを見下ろす。そうしてぼくは、マリの中に欲望を吐き出した。



荒く乱れた息を整えながら、隣に座るとマリが笑顔でぼくを見つめる。


「それで、バーはどんな感じにしよっか」


おわり





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