マリ 2
「入っちゃっていいの?」
真っ暗な美容室は無機質で、なんだか怖かった。
「大丈夫、ここ座って」
正臣はそういって、さっきわたしが髪をカットしてもらっていたイスに促す。ドキドキしながら腰掛ける。心臓の音が聞こえそうなくらい、静かだった。
わたしがイスに座ると正臣は後ろに立って、鏡越しにわたしと目を合わせる。そうして切ったばかりのつるつるした髪を撫でて、ブラウスから覗いた鎖骨をなぞる。
その手をするりとブラウスの中に滑り込ませると、乳首を探し出す。美容師って、みんなこんなに器用なのかな、流れるようにわたしの弱いところを探し出すんだから。
「オミくん…こんなとこで」
彼の手を抑えて振り返ると、その言葉の続きを言わせまいとキスされる。彼の吐息が思ったより熱くて、目はうるうるとしている。興奮しているんだ。
それを見て、もう彼の欲望に身を任せようと思った。
彼がわたしの目の前に立って、ベルトを外す。
わたしはそこから飛び出した彼のペニスの裏側を爪でそっ、となぞる。ぴくりと波打つ熱いそれが、たまらなく愛しくなった。
暑い日にむさぼるアイスキャンディーみたいに、くちにほおばって、味わうと、興奮した男の匂いがたちこめる。彼はわたしを見下ろして、髪を撫でている。この人は、髪の毛がすきなんだな、と考えながら、鬼頭に舌を絡める。
彼のペニスが膨張しきったくらいで、彼がわたしを抱き上げて鏡の前に立たせる。テーブルに手をついて、彼のほうを振り返ると、キスをしながら手際よくそれを挿入される。
奥まで突き立てられると、びっくりするくらい気持ちよくて声が漏れてしまう。
鏡を見てみると、とんでもなくやらしい顔をした女が喘いでいた。後ろにいる彼も、余裕なく、でもちゃんとこっちを見ていた。
「オミくん、なんかもうダメかも…」
「いいよ…」
そう言って彼が動きを速めると、それに合わせてわたしの体が反応する。びくびくと波打つペニスの動きが膣壁から脳みそに伝わって、つながっていることを感じる。
「あぁっ…」
ほぼ同時にイッたあと、乱れた息を整えながら、昼間とのギャップにおかしくなってわたしはケラケラ笑った。
おわり
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