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アシスタントナースという職業 in Australia~職探しから現場の様子まで~

今現在、オーストラリア看護師登録へのステップを踏む傍ら、AIN(Assistant in Nursing)として病院で働いています。今回は働くまでの経過や実際の仕事の様子についてお話しようと思います。


AINの職探し

<求人サイト>

SEEK、Indeed、Linkedinなどのサイトを使用しました。

Linkedin というのは普通の求人の逆バージョンです。大抵、企業が職業を掲載して求職者が申し込みをしますが、Linkedinでは求職者が経歴や履歴書を開示して、企業側から連絡が来るスタイルなのです。


<応募するために必要になった書類>


・履歴書(resume/CV)
・カバーレター
・Certificate(AIN)
・Children check
・Police check
・NDIS
・ワクチン接種証明書(Covid-19とインフルエンザ)
・First aidの受講証明書


※応募先によって異なりますが私は大抵これらを求められました。

<面接までの流れ>



こまめに各サイトで新しい求人がないか検索します。
毎日のようにチェックしました。いくつかの病院やナーシングホームでは、求人サイトに載せずにホームページにしか求人を載せていない場合もあります。私は通えそうな距離にある病院などのホームページもこまめに確認しました。

ひたすら履歴書とCV(カバーレター)を送り続けます。
大抵募集締め切り日を書いてあることが多いですが、気になったポジションがあれば先延ばしせずにすぐにし申し込むことをお勧めします。応募先によってその都度履歴書の中身を変えました。

連絡が来るのを待ちます。
数日で連絡が来ることもありますが3.4週間経ってから連絡がくることもあります。書類で落ちている場合は連絡は来ることは少ないです。連絡は大抵電話で来ました。電話で面接の日時を決めます。


<履歴書/CVのコツ>
求人する側は、沢山の応募の中からより求めている人物像に近い人を探すため、検索してヒットするキーワードをあらかじめ設定しています。つまり、そのキーワードに引っかかるように履歴書/CVを書くと、見つけて貰える可能性が上がります。
求人内容を細かくチェックして、どんなキーワードが引っ掛かりそうかピックアップすることが大切です。求人に使われている単語を何個かそのまま引用して履歴書やCVに使うことをお勧めします。この時注意するのは、単語は本当にそのまま使用することです。同じ意味をもつ単語でも、単数を複数形に変えたり形容詞を動詞に変えたりするだけでヒットしなくなります。(採用担当としての経歴のある知り合いのオージーに教わりました)

ちなみに…
私はかなりの件数アプライしましたが、返事が来るのは7割、その他3割は返信もありませんでした。返事が来たもののうち、半分くらいはメールの時点で落ちてしまいました。病院勤務を希望していたのでアプライ先は病院7割ナーシングホーム2割くらいの割合です。残りの1割は後で記載します。


面接

<服装>

面接は病院へ3件行きました。
特に指定はありません。ユニクロで綺麗めなグレーのチノパンと白ワイシャツを着ていきました。鞄はトートバッグで靴は黒のフラットパンプスです。髪は一つに結んで行きました。

<面接で聞かれた内容>

・なぜこの仕事(AIN)を希望するのか
・長所
・短所
・マルチタスクがあったらどうするか
・同僚と意見が食い違ったらどうするか
・感染について大事だと思う事
・ミスコミュニケーションの経験があるか、あるならどう対応したか
・患者の不満にどう対応するか
・5つのタイミングは何か
・申し送りをするのに効果的なコミュニケーションは何か(SBARが答えです)
・チーム医療についてどう思うか
・AINの役割は何か

Youtubeやネット上にAINの面接で聞かれる質問集があるので色々シミュレーションして対策していたのですが、やはり想定していなかった質問ばかりでとても焦りました…


<面接後&リファレンスについて>

1件目

面接時に、AINとして働くけど配属は決まっておらず、その日毎に部署が変わって仕事の内容が異なると言われました。家からも遠かったのでここは面接後に自分からお断りしました。

2件目

面接後からショートメールでやり取りが始まりました。リファレンス(推薦人)を2人挙げてくれといわれ送ったのですが、リファレンスとやり取りがあったあと連絡が途絶えてしまいました…


3件目

こちらは面接後リファレンスをお伝えして、病院とリファレンスがやり取りした後、連絡が途絶えました…

もう望みが薄いかなと思ったのですが、どうなってるのかフォローアップのメッセージを送りました。すると、実は院内でクラスターが発生して対応に追われ、担当者もコロナにかかり連絡できなかったと。その2週間後くらいに病院から連絡があり、採用とのことで晴れてAINとしての仕事を手に入れました。


<推薦人(リファレンス)について>
面接後、大抵推薦人の連絡先を二人分伝えることを求められます。推薦人を二人用意しなければならないのです。これが厄介なところです。推薦人は誰でも言い訳ではありません。できれば過去に一緒に仕事をした人か、AINの学校関係者、あるいは実習先の人が好ましいと思います。
面接後に推薦人の連絡先を伝えると、後日推薦人に電話とメールがいきます。そこで志願者の長所や短所、なぜ推薦するのか、今までの働きぶりはどうかなどかなりの項目を問われるようです。大量の質問に英語で答えてもらうので、推薦人には申し訳ない気持ちになってしまいますが、仕方ないですね…


AINの仕事の実際 in 病院


私の場合、最初の使用期間はカジュアルで働くようにと言われました。カジュアルですと時給はいいと思います。働ける候補日を予め伝えておき、その中から師長が私にシフトを振り当ててくれます。

<大体の仕事の流れ>


7:00 申し送り
7:30 シャワー介助/ベッドメイキング
9:30 バイタルチェック
10:00 モーニング休憩30分
10:30 記録/ナースコール対応
12:00 血糖測定/食事セッティング
12:30 食事休憩30分
13:00 記録/ナースコール対応
15:00 勤務交代
15:00 バイタル測定
18:00 血糖測定/食事セッティング
19:00 食事休憩30分
20:00 就寝準備の介助(パジャマに着替えたり、ベッドへ誘導したり、夜用のおむつに変えたり)
以降 ひたすらコール対応

(休憩はモーニング含め恐らく30分以上取っていると思います。)

やはりシャワーがある時間帯が一番忙しいです。ナーシングホームで働いていた時はADLが全介助の方ばかりだったのでとても苦労しましたが、私の病院ではそこまでADLが低くないので、全員介助しないといけない訳ではありません。人によってはタオルだけ渡して終わりです。またOTがADLを観察するためにAINの代わりにシャワーに介入する日もあります。

<その他の業務>


・新規入院を受け入れ(大抵バイタル測定と体重測定、皮膚の状態の観察やADL/アレルギーのチェック)
・退院患者の荷物整理
・in/outの計算、飲水量記録、食事摂取内容記録
・uridomeという尿カテーテル留置(挿入せず装着するタイプなのでAINでもできる)
・エコーを使って残尿測定
・尿検査
・麻薬の投与は大抵RN同士でダブルチェックするのですが、人がいないときはAINもします。残数を一緒に数えて、ベッドサイドに行き患者確認をして、患者が飲み込むまでを一緒に確認します。
・他の病院への付き添い(画像検査など私の病院でできないものがあるときは他の大きな病院に行きます。患者さんは大抵家族と行くのですが家族の都合がつかないときはAINが付き添いで行きます)

<記録について>
私の病院は紙カルテなのでカルテは奪い合いです。書きかたはA to Iという方法で、ADL/食事内容/皮膚の状態などをAからIまでの項目に沿って書きます。初めての書きかたなので戸惑いましたが慣れるとスラスラ書けるようになります。

追記(AIN以外の仕事について)

前述したように、病院7割ナーシングホーム2割の割合で応募しましたが、残りの1割は実は歯科助手の仕事に応募しました。こちらは免許がなくても募集している歯科医院がたまにあるのです。一つ面接に行きましたが採用にはなりませんでした。
友人が歯科助手の仕事をしているのですが、朝から夕方までひっきりなしに忙しいようです。AINは朝のピークを過ぎればゆったり時間がすぎるので、個人的にはやっぱりAINの方がいいかなと思いました。

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