バイト先の町医者に詐欺行為を指示された話


これ。みなさまはどういう意味かお分かりになりますでしょうか。

僕は普段から非常勤で様々な病院、クリニックでバイトをしています。こちらは先日とあるクリニックで診察した日の夜に院長より送られてきたメールです。

この日普段は院長の診察を受けている高齢の女性が受診しました。彼女は「糖尿病」という病名がついており毎月血液検査でHbA1cを測定していました。
しかし結果は常に6前後でしかもなにより本人は糖尿病の治療薬も一切飲んでいません。

「あれ?この検査要らないよな?」

と至極当然の感想を抱きます。


そもそも高齢者は血糖コントロールの基準はゆるい

糖尿病治療において、高血糖を放置することは血管障害、神経障害を進行させ、血管の多い臓器(目、腎臓)や末梢神経(手先の感覚)などから順に全身を侵し、さらに心筋梗塞や脳梗塞などのリスクとなります。そのような合併症を防ぐため、血糖値が高い時間帯を作らないようにする、というのが糖尿病の治療の大まかな方針です。

しかし高齢者においては、そもそも10年後も健康である可能性はほぼなく合併症予防=その人の幸せに結びつかないこと、そして糖尿病治療の薬による低血糖が逆に脳や全身にダメージを与え認知症や体力の低下を招くことが改めて認識され、昨今の高齢者への糖尿病治療はやりすぎないことが重視されています。

高齢の町医者は知識のアップデートができず、血糖値は下げれば下げられるだけいい、薬はいくらでも増やしていい、という安易な処方をしているヤブ医者が多いです。


そのような背景も含めて、そもそも糖尿病といえるほど血糖が高いわけでもなく高齢であり厳格な血糖コントロールはそもそもできない方に対して、月に一度という頻回の血液検査は過剰であるのはただの事実であるとお分かりいただけますでしょうか。

私はその旨を患者本人に伝え、採血検査の意義が低いこと、採血による血の喪失が体にとってマイナスであることを伝えました。
人によっては検査に拘り脅迫じみて検査を要求してくる不届き者もいるのですがこの方は、確かに検査は多いと感じていた、次に院長に相談してみたい。とのお返事でした。

その後に院長から送られてきたメッセージが冒頭のものです。
つまり

「検査が要らないことなんかわかってるけどクリニックの利益のためには仕方ないんだから空気読めよ」

というものです。

これはまさに日本の健康保険医療の根本的な問題です。日本の健康保険の仕組みとして、まず患者本人の訴え(主訴)がありそれに対して医者は診察を行います。それによって疑われた病気の病名登録を行い各種検査を行います。そして診断が確定すれば疑い病名から病名に変更します。その後に治療や処方を行い、最終的に診察、検査、治療について保険組合に請求をかけます。
保険組合は病名と診療内容を照らし合わせて矛盾がなければ保険料を支払います。

ここで問題なのは、病名の根拠について保険組合はほとんどチェックしていない、ということです。彼らは病名と診療内容に矛盾がなければ保険料を支払います。そして病名をつけるのは医師。つまり

「病名をでっち上げれば検査、薬の処方はやり放題。保険からいくらでも金を盗み取れる」

ということなんですね。現在薬の処方については、処方箋料は五百円で一定ですので薬をいくら増やしてもクリニックの売り上げは上がりません。(それによって患者のご機嫌をとって診察回数を増やして売り上げにつなげている医者はいます)

ですが検査については100%病院の売り上げとなります。患者本人は高齢者1割負担なのでちょっと検査が増えても懐を痛めることもないので「検査たくさんしてくれて安心」なんて間抜けな感想を持って帰ります。事実としては不要な採血で体を傷つけられ貴重な血液を失っている上金を取られているんですけどね。

そしてその9割は若者が給与から天引きされた社会保険から賄われているんです。これってつまり

詐欺師まがいの町医者が高齢者をダシに税金を吸い取っている

ってことですよ。本人にも自覚あるので冒頭のようなメッセージになるんですね。確信犯(誤用)です。

日本の医療費が青天井で消費税の増税なんてのが叫ばれて若者は将来不安でますます少子化が進んでいますがこれが日本の医療の現実です。高齢町医者は全て滅ぶべき。そして保険組合はもっと保険の支払いについてきちんと精査しろ。

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