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専業主婦20年の私でも社会に必要とされた情報化社会でのチャンス

例えばパン好きが高じてホームベーカリーを買おうと思った時、ネットを使って情報を集めるという人は多いと思います。中でも口コミサイトやSNSといった、実際に使っている人の声が集まるところから情報を得ることは、今や主流になっているのではないでしょうか。また個人の声をネットを通じて伝えることで、人や社会とのつながりを得たいと考える人も多くいるように感じます。私もその一人でした。

インターネットの普及で、何でもない専業主婦の日常が、誰かの生活のヒントになったり、共感することで癒しになったりするだけではなく、仕事になっていった私の経験を書いてみます。



希望を打ち砕かれた閉院通告

地元の看護学校を卒業後上京し、念願の小児病院のNICUに配属され、東京での生活とやりがいのある仕事に満足していました。日々仕事への情熱は増し、生涯小児医療に従事してエキスパートになる未来を描く程に。

しかしそれも束の間、看護師2年目のこと。勤務していた病院が合併により閉院し、現職員の殆どは新設の病院に異動にはならず、希望ならば一般採用試験を受けなくてはならないと通告されたのです。しかもその採用人数は僅かでした。焦燥に駆られると同時に虚無感に苛まれる日々。あれこれ調べたり探したりするものの、急に虚しくなって身に入らなくなり、時間ばかりが過ぎてゆく。社会人2年目の若かった私には、あまりに大きな衝撃でした。


ダイエット記事作成協力で出合ったライターの仕事

看護への情熱が消えてしまった頃、出版社に勤めていた友人から「生理周期とダイエットの関連性についての記事が難しいので手伝ってほしい」という相談を受けました。「新人の私でいいのかしら」と戸惑いながらも、わからないことがあれば勤務先にいくらでも聞ける人がいるから大丈夫と考え、引き受けることに。最近友人に私で良かったのかを尋ねたところ、当時はSNSやガラケーのインターネットサービスもなかった時代。専門分野の情報を得るには相当な労力が必要でした。ですから新人看護師であっても縋るしかなかったのだと。
これは私にとって、看護師のキャリアが病院以外に活かせる初めての経験で、ライターや監修の存在を知るきっかけだったのです。ときめきました。一瞬憧れたものの、出版業界のハードルは高く、大学で文学も語学も学んでいない私がライターになるなんて現実的ではなくて、そのうち忘れていきました。


経験が記事になることを知った専業主婦時代

小児病院から総合病院の産婦人科に転職し、間もなく結婚。出産を機に専業主婦に。キャリアを断つことに迷いはありましたが、夫が仕事で週に1〜2日しか帰らない為、私が家庭に入ることは自然だと考えました。それと同時に「子育てが終わったらやりたいことをやろう。何が出来るかゆっくり考えよう。」と、前向きにライフワークを見つける旅を始めました。

 専業主婦になってしばらくするとブログブームが訪れます。パソコンなどの情報機器が好きなことも相まって、早速ブログを開設。子育てエピソードや子どもの習い事、幼稚園、小学校、中学校受験のことなどを投稿、約8年運営していました。ある日このブログを通して、受験情報誌から中学受験の体験談の執筆依頼がきました。再び、経験を文字にする機会を手繰り寄せたのです。そして今回は全く面識がなく、私が書いたものを読んでの依頼。今度はライターという仕事がグッと近づいてきました。


誰もが発信できる時代に 私もライターになれる

その数年後クラウドソーシングが登場。体験談を記事にして報酬を得ることで、更にライターになれる実感を得ていきます。酒粕を使った手作り化粧品についてや家族の介護の体験談、圧力鍋を使った時短料理、リフォーム体験談、看護師時代の体験談など、経験や生活が記事に、仕事になっていったのです。

 前向きにライフワーク探しをしていたものの、専業主婦になって、社会からどんどん遠くなっていく寂しさをいつも感じて過ごしていました。資格や技術を持っていたけれど活かす機会はなく、日常に役にたつことも殆どない。まして賃金は発生しませんし、何かを認めてもらう機会もありません。家の中のことしかできない、何もできない、何もない。ずっとそう思っていました。

インターネットが普及し、個人の声や生活の様子が必要な情報となった今、家の中のことしかできない私が誰かに必要なものを持っていて、それを発信することで喜んでくれる人がいる。それだけでも嬉しかったのに、更に仕事になるなんて、凄いチャンスが訪れたんだとワクワクしています。

いま私は子育てが終わり、いよいよやりたいことをやる人生が始まりました。これまでを振り返り、小児看護と20年間の専業主婦生活で得た知恵と、これから新たに経験することを基に、女性に対し、女性を生きることと子育てが楽しくなるお手伝いを、ライティングを通して出来るようになりたいと考えています。

学ぶことが沢山で、人生の第2ステージは楽しみばかりです。

中埜 愛子(なかの あいこ)
神奈川県在住。NICU、産婦人科に勤務し、出産により退職後、そのまま専業主婦に。母業卒業後のライフワーク探しのために、障害児施設でのボランティア活動に参加したり、コーディングを学んだり、医療の知識を生かしたリンパセラピストを目指したりと、思い付くままに様々な業界に首を突っ込む。中でもブログ運営とクラウドソーシングでのライティングに面白みを見いだし、プロライターになることを決意。現在児童福祉施設に勤務しながらライティング修行中。
【SNS】Twitter:https://twitter.com/aikon_nurse
HP: https://aikonakano.blog/(準備中)




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