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福祉施設の開設を夢見て

福祉施設の開設・運営と聞くと「法律とか大変そうだな」「自分にはできるのかな」と考える人が多いのではないでしょうか?

病院で働く一般看護師は看護の実践が主であり、管理、運営については知識や情報が薄いことが多いです。

今回インタビューを行ったhataminさんは、将来福祉施設の運営に携わりたいという夢を持っています。看護師からキャリアチェンジした経緯についてお話を伺いました。

向き合い方を変えた先輩の言葉

hataminさんは小学生の頃から理系科目に興味がありました。「メンデルの法則や血液型の遺伝について考えるのが好きだったんです」興味のある血液型関連の職業で結びついたのが看護師でした。それが看護師を目指したきっかけです。

その後看護師資格を取得し、外科、消化器外科、整形外科、精神科を経験。最近までは精神科特化型の訪問看護ステーションに在職していました。精神科の領域は一般の看護業務とは違います。おもに、日常生活の維持・向上、精神症状の悪化を防ぐ、対人関係の維持などのケアを行うため、見えないことを感じる力が必要です。「洞察力」が求められます。学生時代の実習以来という人も多いのではないでしょうか?

外科病棟で働き始めて6年目、精神科病院へ転勤することとなります。母が体調不良となってしまったため、退職し実家近くに転居を考えた時のことでした。

系列病院へ転勤の道があるとの話があり、受けることにします。そこはそれまで考えたことも経験もない精神科でした。当初は戸惑いの連続で、スピード感や看護内容など外科病棟とのギャップを感じる日々でした。

「時間の流れ方」が最も戸惑ったことです。外科系では手術目的であれば、クリニカルパスのように入院期間や日々の予定がルーチン化されています。身体反応もある程度予測できます。しかし精神科の患者さんは症状、経過が個々様々で波もあり、入院は年単位となることが多いのです。退院や社会復帰までには長期間の関わりが必要となります。そのような流れに戸惑い、疑問を持つことがありました。

そんなある日、退院の話が進まない患者さんの退院目処を先輩に聞く機会がありました。すると、『精神科は待つことが看護だよ』と言われたのです。その言葉が胸に響き、以降患者さんへの向き合い方が変わったと話します。

「ただ傍にいることが大事なんです。そうしていくと少しずつ心を開いてくれるようになるんです」

数分傍にいることからはじめ、次第に時間を延ばし、危害を加える人ではないことを認識してもらう。そしてゆっくり信頼関係を築いていくのだと言います。病状の安定には、急がずゆっくり時間をかけることが重要であることを学びました。個々の患者さんに時間をかけ関わることでやりがいも生れました。

精神科の看護経験から日常生活で役立っていることもあります。それは「コミュニケーション」です。自分が話すことより他者の話を「聴く側」にまわれるようになったと言います。「夫婦でのコミュニケーションでも役立っているかな」と笑います。

資格試験など地道にコツコツ取り組むことが得意なhataminさん。その姿勢は精神科患者さんへの対応と重なる部分があります。

障がいがあっても「自分らしくできる場所」を作りたい

現在福祉施設の開設を目指しているhataminさん。看護師になったきっかけは生物、遺伝に興味を持ったことでした。外科で働いている時転勤で精神科へ配属になります。そこで色々な看護があることを経験しました。

その経験で「誰でも自分の価値を感じられるところがあったらいいのに」と考えるようになります。障がいがあっても自分らしくできる場所。「福祉施設なら実現できるのではないか」と強く思うようになり、福祉施設の開設が目標になりました。

「誰もが読むことのできる・知識を得ることができる社会」に向けての方法も模索中です。障がいの有無に関わらず、平等に情報が得られるようにしたいと話します。

医療・福祉情報の発信、伝えるための技術習得としてライター講座などに挑戦しています。仲間とツイキャスで医療・福祉情報の定期配信もしています。今後はその内容をブログで発信していく予定です。

余暇時間は詩を読む、作るなどして過ごします。好きな詩人は星野富弘さん。詩や絵画に勇気をもらったり、癒やされたり、元気づけられると言います。

福祉施設の開設を目指すと同時に、医療・福祉情報をわかりやすく伝えたいという展望を話してくれました。穏やかで優しい笑顔の中にしっかりした柱が垣間見えました。今後の活躍が楽しみです。

~この記事を書いたのは~

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ゆみきた
山形県生まれ。看護師歴29年。仙台市内で整形外科、小児科・耳鼻科・未熟児混合病棟、有料老人ホーム、内科・耳鼻科外来、人間ドック等経験。働きながら大学の通信課程を受講、経営情報学学士取得。その後両親の高齢化に伴い帰郷、回復期リハビリ病棟勤務。各種委員会、新人指導・学生指導など担当。
現在は訪問看護師として働きながら要介護4の母の介護を行う。看護師としての経験や介護の日常について発信。介護と仕事の両立を考えライターとしての活動を目指している。

趣味:音楽、ライブやフェスに行くこと、旅行
資格:正看護師、介護支援専門員、登録販売者、AEAJアロマテラピー検定1級、普通自動車免許

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