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便意・排便のメカニズム


S状結腸にたまっている便は,結腸の総嬬動によって直腸に移動する。
結腸が動くのは,結腸壁にある平滑筋の運動の結果である。平滑筋(内臓筋)の運動は横紋筋(骨格筋)の運動と異なり,自分で動かそうと思って動かせるものではない。結腸壁の平滑筋の間に筋層間神経叢(アウエルバッハAuerbach神経叢)がある。アウエルバッハ神経叢は,内輪筋・外縦筋の2層の筋の動きを支配する。結腸の自律神経支配域は大きく2分されている。横行結腸の前2/3までと,それ以降の結腸および直腸・肛門とである。この前半と後半では副交感神経の中枢が異なっている。
前半を支配している副交感神経は,延髄から出る迷走神経であり,後半は仙髄S2~4から出る骨盤神経である。

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