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看護師が書く 日本の医療危機 ⑥病床が減ったら、増える高齢者はどこに?第5話

前回まで
少子高齢化社会に向けて
必要な機能=回復期機能を増やしていくものの、
病床や病院そのものは、「減らす」予定……
でも
「高齢化で病院が必要な人は増えるけど大丈夫?」
これを今回、話していきたいと思います。

以下のグラフは、日本の死亡数の予想推移です。
高齢化で、どれだけ人が亡くなるだろうか?という予想値です。

画像1参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16/backdata/01-01-01-11.html

死亡数のピークは2039年
そこで167万人、死を迎える予定とされています。
日本としては、そこに照準を合わせて、
死ぬ場所=看取り場所を確保していきたいところですよね。

続いて、その予測死亡人数に対して、
その看取り場所の数を当て込んだのが以下のグラフです。
2008年の少し古いデータですが、
「2008年から病院を増やさない」という前提で、
将来推計したデータです。

画像2

参照元:大阪府医療戦略提言
http://shinichi-ueyama.com/wp-content/uploads/2015/10/140131%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%BA%9C%E5%B8%82%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%88%A6%E7%95%A5%E6%8F%90%E8%A8%80-%E6%8A%9C%E7%B2%8B.pdf

図の通り、死ぬ場所=「看取り場所」について
死亡数ピークの2039年頃には、
約49万人が容量オーバーするだろう、という予測です。

その、容量オーバーに対して、
出されている答えはこれです。
何度も使用した図で、既にお気づきとは思いますが、

画像3

機能を分けた病床=病院ではなく、
「介護施設や高齢者住宅を含めた
在宅医療等で追加的に対応する」

とされています。

つまり、何度も出してきたこの図は
「皆さん、出来れば病院以外で最期を迎えて下さい」
という図だったのです。

家で死ぬなんて、そんな無茶な……
と、思われたかと思います。
でも実は、これは
少子高齢化社会では一般的になりそうです。

次回以降はその少子高齢化社会の一般的な姿を
話していきたいと思います。

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