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看護師が書く 日本の医療危機 ⑥病床が減ったら、増える高齢者はどこに? 第7話

前回は
江戸時代から400年も続いてきた
「在宅で死を迎える」ということが
なぜわずか50年の間で
これほどまで在宅で死を迎える人が減ったのか?

という疑問を投げかけました。

今回はその疑問について話していきたいと思います。

実際のところ、この原因はコレだ!
……と、一概に答えられないのですが、

以前のシリーズでも話した通り、
戦後間もなかった1950年以降、
日本経済は発展を続け、
日本には病床=病院がたくさん建設されました。
以下は病床数の推移です。

画像1参照元:みずほリサーチ&テクノロジーズ
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/report/2018/mhir16_bed_01.html

図の通り、
戦後、日本には病院がボコボコできるとともに
たくさん病院が出来て「医療が高度化した」
=今まで救えなかった命が救えるようになった

以下は戦後から近代までの乳児の死亡率の推移です。

画像2参照元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/gaikoku07/05.htmlたくさん病院が出来て、充実した医療が受けられるようになり
=乳児の死亡が減ったというグラフです。

医療が高度化するとはつまり、
人が病気で死にそうなとき
救急車を呼べば救急隊が来てくれて
病院に行けば24時間、緊急で手術をしてくれる
といったことが可能になって、
救える命が増えてきた、というようなことです。

その一方、既に亡くなっていても救急車が呼ばれ、
病院で死亡を確認してもらうことも一般的になり、
多くの「死」が病院施設で迎えられるようにもなりました。

自ずと自宅で「看取り」という文化は消え、
「病院が正常な死を迎える場所」という文化になっていきました。

これは戦後の日本だけで起こった異常事態だったか?
いえ、……実は他の国でも同じ現象が起こっていました。
次回はそれら諸外国との比較を
詳しく話していきたいと思います。

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