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ヌリタシが本屋という場を持つときには

こんにちは!こんばんは!お久しぶりです!
案の定、投稿が滞っているヌリ平です。

以前TwitterやInstagramで投稿した通り、我々が週に一度店番をしていたcojica booksが6月末で閉店することになりました。
元々は、本屋を始めたいけど会社員を辞めるほどの決断もまだできない、と悶々としていた2020年12月頃に、管理人であるitoitoさんからお声がけいただいてヌリタシは協働書店の仲間入りをしました。

毎週土曜に本屋として店に立つことができて、それ以外の曜日も常時本を置いておけるなんて、そんな選択肢があることすら当時の私たちでは思い浮かばなかったですし、この2年半はヌリタシのことを奈良の方たちに知ってもらうための大切な時期だったな~と思っています。
素敵な環境を与えてくださった美々風/40さん、管理人として常に面白い本屋づくりを続けてこられたお師匠・itoitoさん、これまでお越しくださったみなさま、本当にありがとうございました~!

閉店の話を受けて

閉店はとても悲しいことなのですが、一通り感情がグチャグチャになった後は「もしかすると、そろそろ自分たちのお店を持っちゃいなよ」と誰かに言われているような気になってきました。
ということで今は奈良で物件を探しています。

cojica booksに参加する前から物件はずーっとなんとな~く見てはいたのですが、全体のパラメーターの中で「決断力」が0に等しいヌリタシは、「古くて虫が出そう…」「結局改装で結構お金かかりそうだな…」となんとな~く理由をつくって物件を決められずダラダラと今日に至ることになりました。

たぶん、自分たちにはcojica booksがあるし!と、理想的すぎる環境に甘えていたんだなと思います。
一からお店を探し始める状況になって、改めて場所のありがたさを痛感することになりました。
観光エリアど真ん中のならまちにあって、世界遺産の元興寺が目の前にあって、隣には県外からのファンも多い器のよつばさんもいてくれて…普通に探していればなかなか出会えない場所で本屋さんをすることができていたんだなぁと。

そしてヌリタシが参加する時にはすでに完璧な内装が出来上がった状態だったcojica booksに対し、これから出会う物件はほぼ一から作っていく必要があります。
ファサードは?本棚は?壁の色は?照明は?と、日々ニヤニヤしながらPinterestで画像を保存しています。

ヌリタシが本屋という場をもつときには

ここからこの記事のタイトルに繋がっていくのですが、ヌリタシが本屋という場を持つときには、ドリンクを飲めるスペースを設けられたらな~と考えています。
いきなり本の話じゃないんかい、と言われてしまいそうですが、個人的に大切にしたい要素なのです。

私は社会人2年目頃から仕事があまりにもハードすぎて、辛くなればなるほど飲み歩いていた時期がありました。
京都の四条大宮にある、タイに行ったことがないおっちゃんがやっているタイ居酒屋と、夜だけやってるカレーとワインのお店だったのですが、そこで出会う人たちとの不意に起きる真面目な会話や予想外の共通点など、話の展開があまりにも楽しすぎて週に4~5日飲みに行っていました。
PAエンジニア、占い師、会社の社長といった人たちが同じカウンター席に座って会話をしているというフラットさとカオスさがクセになっていたんだと思います。
今日はどんなおもろい人が現れるのか…!とニヤニヤしながらお店に行っていた記憶があります。

本屋はどちらかというとより内向きで、飲み屋はより外向きな環境かもしれませんが、今思い返すと「自分の知らない世界を知るためのきっかけ」という共通点があったと思います。

基本的に人が苦手で警戒しがちだけど、人にものすごく興味があるという矛盾したタイプのヌリ平にとって、本屋と飲み屋の間を行き来することはものすごく絶妙なバランスを保ちながら社会を学ぶことに繋がっていた気がします。

「本を一人で楽しみたい・誰かと分かち合いたい」
「ドリンクを飲みながらなんとなく人と話したい・一人でしっぽり飲んでいたい」
同じ人でも、日によって時間帯によって気持ちは様々なはずで、どんな状態でも行くことができる場をつくれたらなと今は無茶な妄想を重ねています。

先日、とある物件を一緒に内見してくれた工務店の社長からは「それらの要素は相当広くないと同じ物件内で両立は難しい」と言われてしまいましたが、それでも妄想に近い物件を探し続けたいと思っているのです。
(ちなみにその物件は諸条件が合わず見送りしました)

ここまで書いておきながら、もしかしたらまったく違う本屋を始めているかも、そもそもこの先数年もイベント出店や移動販売を続けているかもしれません。
だけど場所としての本屋を考えた時に、今の自分が街にほしい形がこの記事で書いたスタイルになります。
cojica booksメンバーをはじめ、これから奈良で本屋さんを始める方が多くなる予感がしています。
これまで長く愛されてきた歴史ある奈良の本屋さんも含めて、それぞれのスタイルの本屋が共存する本の街・奈良になっていくといいですよねぇ。

ヌリタシが今後どのような形になっていくのかは僕たちも分かりませんが、変わらずゆるやかに活動していけたらと思います。

そしてcojica booksは6月末まで営業しますよ!
みなさん最後まで本を、そして大島亜佐子さんの個展を楽しんでいってくださいね。
それでは、また~!


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