日記:推し語り

野﨑まどさんの「タイタン」を読みました。とても面白かったです。

野﨑まどさんの作品は、本になっているものはそれなりに追いかけている。唯一読むことができていないのが「ファンタジスタドール イブ」で、これはアニメを見ていないためである。見よう見ようと思って見れていない。見たいな。

最初に読んだのは「know」だった。その後、「[映]アムリタ」から一冊ずつ追っていった。初期の作品はちゃんと刊行順に読むべし、という言説を見かけていたのでその通りにした。

その後「野﨑まど劇場」も読み、なんて器用な作家さんなんだ……と衝撃を受けた。とにかく発想が突き抜けている。「なにかのご縁」も大好き。それぞれの振れ幅がすごい。随所で言及されていることではあるけれど、各ジャンルの文脈を高度に再現した上で、そこに独自性をつなげる作風は、超ジャンル的と言ってもいいのかもしれない。ある種のメタフィクションで、そこには極めて深い洞察と視点の存在を感じる。

「正解するカド」は放送後1年くらい経って見たのだけれど、とても面白かった。「HELLO WORLD」は劇場に足を運んで、これもとにかく凄かった。この映画で「Official髭男dism」をちゃんと認識した。エンディングに流れる曲もめちゃめちゃに良い。そういえば「バビロン」は小説で読んだもののアニメはまだ見ていない。見たいな……。

「HELLO WORLD」は公式ビジュアルガイドに寄せられている2ページの寄稿文がとても好き。

作品の内容にあまり触れないようにふわふわと語っていたらよくわからない文章になってしまったな……。別でまとめた方がよかったかもしれない。



作家さん単位で追いかけている方でいうと、あとは西尾維新さんがいる。

高校生活の殆どを西尾維新作品で過ごしていたので、かなり影響が大きい。「〜だけれど」みたいな言い回しを使ってしまう。

「零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係」という作品の中に(零崎人識、というのは人名なのだけれど、凄い名前だ)、哀川潤という人間がブログで漫画を褒めるときは全てベタ褒め、という会話が登場する。描写としては数行の些細なシーンなのだけれど、自分はここの会話を読んで以降、作品に対して評価をするときは大抵褒める、というスタンスを取っている。それは語彙の少なさを隠すためでもあるのだけれど(何もいえないならとりあえず「面白い」と言っておこう、みたいな打算)。なんというか、そういうレベルで影響を受けてしまっている。自分の中では信仰の域に達してしまっているなという感がある。それは良くも悪くも。

中でも好きな作品。「クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識」「零崎曲識の人間人間」「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」「悲鳴伝」。恐らく内容を知っている人からすると、大体自分がどういうのが好きなのかわかってしまうと思う。<物語>シリーズは好きなものが多いので挙げるのが難しいけれど、「傷物語」「猫物語(黒)」「囮物語」「終物語(上)」などが好きです。

言葉遊びによく言及がなされて、実際言葉の使い方は凄まじいのだけれど、自分が西尾維新作品で好きなのは「日常で誰もが抱いたことのあるような感覚」が言語化されていく瞬間だ。いや、優れた作家に共通する特徴ではあるのかもしれないけれど。普段は何気なく見過ごしているものの確かに喉に引っかかっているような感覚を拾い上げて描写がされた瞬間、盲点をつかれたような気付きの心地よさが体を走る。そういう面白さの原体験が、自分にとっては西尾維新作品だったのだと思う。

とはいえ、最近の著作は読めていない。「魔法少女りすか」も1-3巻を復習したら読もうと思って積んであるのだけれどまだ読めていない。読めていない身で言うことでは全然ないのかもしれないけれど、<世界>シリーズも待ってます!!

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