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日記:いつかの終わり

「THE IDOLM@STER SHINY COLORS 5thLIVE If I_wings.」Day1に行ってきた!!

天気は雨だったが、それはそれでよかった。シャニマスに登場する三峰結華さんというアイドルが、雨について特別な思いを持っていて、なんとなくそれを重ねることができるような気がするからだ。CD物販に並んでいるあいだに足元はだいぶ濡れてしまったけれど、そうして労してグッズを手に入れるというのも、ライブの体験のひとつなのかもしれない。待機列ではずっとシャニマスをプレイしていた。これは別にそうすることで世界観に浸ろうとしているわけではなくて、単に最近読めていなかったシナリオを慌てて読んでいたというだけなのだけれど。


最初の提供読みが終わると、スクリーンには社長室の背景が映し出され、社長とはづきさんが会話している。いつもならはづきさんがライブの注意事項をアナウンスしてくれるのだがそれもない。憔悴しきっている様子の社長や、はづきさんの終わりを滲ませる言葉もあいまって、どこか異様な雰囲気が感じられるまま、オープニング映像につながり、ライブの幕が上がった。オープニング映像、真乃の言葉が終わるとともに音楽が盛り上がるのがとてもよかった。

シャニマスのライブは全体曲ではじまることが多かったので今回もそうであろうと高を括っていたのだけれど、ステージに現れたのは放課後クライマックスガールズの5人だった。そんな馬鹿な……。先月のMOIW2023でも、ユニットごとのパートの先陣を切ったのは放クラだったことを思い出す。観客のボルテージをいきなり最高潮に引き上げる力があるユニットで、その信頼が表れているようでなんとなく嬉しかった。歌われた「一閃は君が導く」はコールも非常に楽しい曲で、声出しOKのライブで披露されることも嬉しい。自分はシャニマス単独での声出しあり公演ははじめてで、MOIWで声出しのライブを体験してその楽しさを全身に浴びたのだけれど、それを自分が2ndから追いかけてきたシャニマスのライブで感じられるのは、少し感慨深くもあった。

シャニマスのライブは同じユニットが2曲続けてパフォーマンスすることが多かったのでそうかなと思っていたが、流れてきたのはアルストロメリアの「Give me some more…」だったので思わず叫んでしまった。この曲はかなり人気が高く、ライブで披露されることを楽しみにしていた人も多かったように思うのだけれど、そんなカードを2曲目という序盤で切ることで、一気に観客を惹き込んでいくという覚悟が見えるような気もした(想像)。アーカイブで見直すと、イントロの黒木さんの表情が素晴らしすぎて思わず笑ってしまう(あまりにも最高すぎると称賛なのかお手上げなのかわからない感情が込み上げてしまって自然と笑顔になる)。

その後も最新のCDシリーズであるPANOR@MA WINGから各ユニットがそれぞれ楽曲を披露し、7曲が終わったところで最初のMCに入る。シャニマスのライブでこんなに長くMCなしでパフォーマンスが続いたこともなかったので驚く。MCも、いつもならキャストの方々が1人ずつ挨拶をしてくださるのだけれど、今回はユニットごとにまとめて、それもアイドルとしてのセリフと自己紹介程度でかなり巻いた印象があった。アイドルの言葉も、どこかいつもとは違う、決意が強くこもったものを感じて、ただならぬ雰囲気を覚えていた。

シャニマスのナンバリングライブは、各ユニットが最新のCDシリーズの2曲を歌い、そこに全体曲が加わるというセットリストとなっていたので、過去のユニット曲はやらないだろうなと思い込んでいた。しかしMC後にはじまったのは、アンティーカの最初のユニット曲である「バベルシティ・グレイス」だった。そんな馬鹿な……。これでもうどの曲が来てもおかしくない。読めなくなったセットリストに怯えながら、しかしラスサビの「アンティーカ!!」を叫べることがただただ嬉しかった。

続いてのユニットはなんだろう……と思っていたら、ステージに登場したのは見慣れぬ方々だった。和楽器の演奏がはじまり困惑する客席。しかし段々とそれが結びつく楽曲に思い至り、イントロが流れてきたときにそれが現実となったことでテンションは頂点に達する。CDジャケットのユニット衣装にはサイバーパンク的に和の要素が取り入れられ、楽曲にも尺八の音が使われている、すなわち「Hide & Attack」が、和楽器の演奏とともに披露された。和ロック的なアレンジでめちゃめちゃ格好よかった……。持ってきたもののタイミングが掴めなくて躊躇していたUOをはじめて折った。振りかざす光が力を増すことで、より自分の中の盛り上がりが高まっていくような気がした。

続く放クラの「キャットスクワッド」も、これまたコールが楽しい曲で、振り付けもとても可愛いので見ていて幸せになる。その次はシーズの「Fashionable」で、イントロが流れた瞬間に高まった感情のままセンターステージを見やると、人影がどうやら多い。バックダンサーの方がついている!! シーズのダンサブルな部分がより強調されたように思い、テンションはずっと上振れていた。PANOR@MA WINGの楽曲では個人的に「Give me some more…」と「Fashionable」が頭抜けて好きで、昨年秋にMUGEN BEATで聴いて以来のこの曲にずっと心を掴まれていた4分間だった。ノクチルの「いつだって僕らは」は、何度となく歌われてきたはじまりの曲だけれど、何度聴いても感慨深くなる。ゲームのシナリオを追ってアイドルたちのことを知っていくたびに思い入れも強くなって、ライブのパフォーマンスに重ねる感情も増えていく。同じ曲でもそういう発見をしていく楽しみがあるように思う。自分は今回、直前に樋口円香さんの【ダ・カラ】というシナリオを読んでいたので、樋口円香さんのことばかり考えていた。

その後の「Anniversary」なのだが、曲がはじまる前にアルストロメリアの3人が言葉を交わす演出があった。その内容が、直接的な言及はないものの、「終わり」を想起させるもので、やはり演出面で不穏な部分は続く。しかし「終わり」を意識したうえでの「Anniversary」は幾重にも文脈がのしかかるように感じられて、ペンライトもほとんど触れないままただステージを見つめていたように思う。次の「拝啓タイムカプセル」も同様に放クラの5人の言葉があり、いつものように前向きであろうとする力強い言葉が、かえって強く「終わり」を感じさせるような気もした。えっ何? 終わるの? 公演名の「If」ってそういうことなの? でも実際に「If」の意味がそういうものだったとして、それは流石に明言されることはないだろうから、答えのない手探りを続けてひたすら心が動揺していた。ライブが終わったあともしている。

「FELICE」はイルミネの最新曲のひとつで、彼女たちらしく楽しい曲調がライブで聴くと身体が動くこともあってさらに楽しい。関根さん峯田さんの笑顔につられて自然と顔がほころぶ。その後、今度はアンティーカの会話が入るのだが、これも最後を思わせる、しかし力強い言葉だった。その後、センターステージにひとりずつ上がってくるのだが、最後の八巻さんが大きな旗を持っている。その旗をステージに突き刺し、5人でその旗を見つめた後、「Black Reverie」がはじまる。この曲は個人的にアンティーカの中でかなり好きだったのでとても嬉しい。そしてなんとなく闇堕ちのイメージがある曲なのだけれど、突き刺した旗も相まって、錚々たる決意を感じるような気がした。

「PRISISM」もイルミネの明るさと楽しさが詰まった楽曲で、ライブで聴いてからより好きになった記憶がある。ストレイの最新曲「Tracing Defender」は、ダンスの激しさがさらに増しているように気がして、ペンライトを振りながらも圧倒されていた。激しい曲調に合わせてすさまじい振りをしているのを目の当たりにすると、たくさん聴いていた楽曲が正解の形を得ていくような感動がある。シーズの「Fly and Fly」も何度聴いても格好よすぎる。そのすさまじさが自分の中でいつまでも減衰せず、見るたびにひたすら敬服するような思いになる。「VERY BERRY LOVE」も……だいすき……アルストの最新曲はどちらもこれまでの楽曲とは異なって、かわいいだけではない魅力が詰まっている気がする。

「今しかない瞬間を」は、制服に身を包んだノクチルによるパフォーマンスで、彼女たちが学校でそんな風に歌っているような風景を思い浮かべるステージだった。制服で出てきたことがわかったとき、びっくりして叫んでしまった。そして続く「アスファルトを鳴らして」のときも、先と同様に樋口円香さんのことを考えていた。

放クラの「夢咲きAfter School」!! 声出せるのが嬉しすぎる。ノクチルでしんみりした心が一気にハイテンションへと持っていかれて、放クラのすごさを改めて感じる。そして声出しありで2番の「ナンバーワン!」が叫べたのがとても楽しかった。一緒になって声を出すことで、自分だけじゃなく観客全員の高まりをも同時に感じられるような気がする。会場のキャパシティが10,000人ほどらしいことを考えると、その盛り上がりは10,000倍になる計算だ(頭の悪い計算)。人間の共感力を生かした楽しみとも言える。周りの人が楽しそうだと自分も楽しい。自分は流されやすい性格なので、その傾向は特に強い気がする。だからライブに行くのが好きなのかもしれない。

「愚者の独白」は、スタンドマイクを使って静かで力強いボーカルを聴かせるような演出で、ほかのアンティーカの楽曲と好対照をなしているようだった。ライブでの歌声はCDの音源とは異なるわけだけれど、ライブであるが故の声への力の入り方を感じられるのも醍醐味のひとつだ。アンティーカにはこれまで激しい曲調の楽曲が多く、それに合った振り付けがユニットの世界観をこれでもかというほどに表現してみせていたのだと思う。しかしこの曲では、スタンドマイクによって振り付けを小さくするとともに、歌により力を注げるステージになっていたのかもしれない。ダンスなどの資格情報が増えることによって印象が変わるのではなく、純粋にボーカルを強く聴かせることで楽曲の雰囲気を作り上げていく、そんな表現の奥深さを感じるような気がする。だから、そういう意味でこの曲はライブで印象が変わった曲だった。

次の曲へと移る前に、にちかの独白が流れる。絞り出す悲鳴のような声に心臓が掴まれたような思いになる。そこからはじまる「OH MY GOD」。感情を揺さぶられたままシーズのステージに突入するのは、一昨年の配信ライブ「Happy Buffet!」における朗読劇からのパフォーマンスという流れにも似ている。似ていたからといって慣れるわけでもなくただ衝撃を胸に感じたまま、これまた衝撃的な歌とダンスを見ることになるのだが。これまで以上に洗練されて力強く感じるパフォーマンスは、しかしにちかによる悲痛な叫びのようにも見えて、独白に美琴の言葉が含まれていなかったこともあわせて胸が苦しくなる。それだけ心を揺さぶるステージだったのだと思う。

次の「Wandering Dream Chaser」の何度となく聴いたイントロが流れた瞬間、何度となく最高潮に達したテンションはまた針を振り切っていく。過去曲についてはどこから何がくるものかわかったものではないので衝撃も大きい。ストレイライトの曲はどれもライブで盛り上がる激しい曲調で、ボルテージも否応なく上がってしまう。ユニットのはじまりの曲であるこの曲は記憶にもよく刻み込まれていて、イントロでこれまでのストレイライトの軌跡が走馬灯のように頭を駆け巡るような気がする。ライブでは観客がアイドルや楽曲など、各々の思い入れを重ねることでそれぞれにとって特別な体験になっていくものだと思うけれど、やはりはじまりの楽曲というものが持つ文脈は大きくて、そこにたくさんの思い入れが乗っかってくるのだろう。

アルストロメリアの言葉には終わりが滲んだまま、「ダブル・イフェクト」がはじまる。フォーメーションや歌唱パートが移り変わりながら進んでいくこの曲は、アルストロメリアの3人の信頼関係を表しているような気もして、見ていてとても嬉しくなる。そしてイルミネの「Twinkle way」。「ダブル・イフェクト」と同じく3rdライブツアーでも披露された楽曲で、計6公演を配信と現地で追いかけたこともあって思い入れも大きい(あと単純に曲が好き)。2人で披露することも多かったが、その度にステージにいない近藤さんへの想いが溢れているような気がする(これは具体的にどこがということもないので、本当に気がするだけだと思うけれど。でもやっぱりそこに見えないつながりを感じていたい)。

その後、全員集合して歌われる「Resonance⁺」。各年の表題曲ではこの曲が一番好きかもしれない。広がりと希望の中に力強い意思を感じて、確かな光となって胸に差すような気がするから……とか考えるもののよくわからない。要するに単純に曲が好きなのだろう。そしてアンコールだが、いつものような告知情報はなく、再登場したキャストの皆さんによって「いつかShiny Days」と最後のMCを挟んで「Multicolored Sky」が披露される。この最後の「Multicolored Sky」、これまでもライブの終盤で歌われており、その際はキャストの皆さんがステージ上を自由に動いて回り、アドリブ的な掛け合いの動きもしながら楽しそうに披露されることが多かった。しかし今回は2列に整列した上で披露されたため、逆にダンスの動きに着目することができたと思う(普段は動きが自由なのであまり振り付けに目が向かない)。そして曲の最後、フレーズを繰り返しながらユニットが1つずつ動きを中断してステージを後にしていく。ステージの背景に映し出されていた空の色もモノクロになって、ライブの終わりらしい大団円的な演出とはまったく異なる雰囲気で幕を閉じた。いつものはづきさんによる締めもなく、ただライブのロゴが画面に映し出されるだけだったので、観客は戸惑ってもう一度アンコールをしてしまい、終演のアナウンスがあってからこのライブが終わったのだと気付かされるほどだった。公演の随所でも散りばめられていた不穏な演出は、しかし明確な答えが提示されないまま、行く末は次のDay2に託されることになった。


演出に疑問符を残しつつも、和楽器やバックダンサーなどの特殊な演出、そして過去のユニット曲も披露する大ボリュームのセットリストで、とても楽しかった。あと、個人的なことを言えば、今回ははじめて同行者と行ったシャニマスのライブだった。今まではひとりで行っていて、それはそれで楽しかったのだけれど、昨年何度か別のライブに友人と行くことがあって、そうやってライブが終わったあとにあれやこれやと話すのが楽しかったので、自分も誘ってみてもいいかなと思った。シャニマスのことを呟いていた知人に声をかけて、ありがたいことに一緒に行ってくれることになった。誘ったときは勢いだったけれど、改めて考えると楽曲をそこまで聴いているわけでもないコンテンツのライブに参加するのは予習も大変だろうし、チケットも安くはないし、改めて本当にありがたかった。終わったあと、最速アーカイブを見ながら感想を言い合って、とても楽しかった。

しかしDay2どうなるんだ……? 期待と不安が入り混じっている……

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