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『正欲』朝井リョウ

💧‬あらすじ💧‬
自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、”多様性を尊重する時代"にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。─Amazon概要より



💧‬感想💧‬
正しい欲って何だろう。
多数派に属すことが正欲なのだろうか?
人と違う道を生きていくことで、社会が敷いたレールから外れてはいけないのだろうか?
その色眼鏡のせいで、生きにくい人たちが居るんだと言うことを、私ははじめて知った。
そして、その苦悩…こんな風になりたくて生まれてきたんじゃないという叫び─声にならない叫び─誰にも届かない叫び…読んでいて自分も胸に根性焼きをされたみたいになった。
繋がりたいと思った。繋がっていんだと思った。でも、現実はそんな生易しいものではないから、佳道と夏月の「いなくならないから」の言葉に多数派と身構えて何不自由なく暮らしている人間には伺えない新たな絆の強さを感じた。

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