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ポケマルの矛盾と、大いなる希望(メンバーへのメッセージ)

(この文章は私が産休に入る直前に、会社のメンバーに向けて読んだ作文を一部修正したものです。

ポケマルはこの半年くらいで急激に組織が大きくなりました。8月には8.5億円の資金調達を完了し、ますます大胆なチャレンジを加速していこうというなか、私は一旦組織を離れることになります。

私はポケマルがリリースする直前の2016年7月にポケマルに入社をしました。この4年間の軌跡について酸いも甘いも見てきた数少ない人間として、とくに新たに加わったメンバーたちに伝えたいことはなんだろうと考え、この作文を書きました。)


ポケマルはそのうちにとてつもない矛盾を抱えた存在です。
その矛盾こそがポケマルの核であり、今後立ちはだかる大きな壁であり、また希望であるという話をしたいと思います。

世の中のほとんど多くのことが「お金」の物差しで測られ、評価されるこの時代において、ポケマルは、その指標に疑問を投げかける存在です。
「お金」の物差しだけで見ていてはどうしてもとりこぼされがちな、「個と個のつながり」「多様性」「地球環境を守るための生産行為や消費行動」、これらはすべてつながっており、ポケマルが大切にしようとする価値観であると思います。

ポケマルがなぜ特別なのかと言えば、代表である博之さんが、実直にそれらの価値を信じ、追求するために会社を作り、旗を掲げ続けているからです。このポケマルに深く根ざした志は、誰かが簡単に真似できるものではありません。


一方で、この価値追求は、既存の社会ルールとバッティングすることがあります。ポケマルは、利潤の追求を使命として負う株式会社です。

つまり、ポケマルが疑問を投げかける「お金」中心のルールから、目をそらすことはできないということです。これが一つの矛盾であり、今後も幾度となく、ポケマルのアイデンティティを問う議論に発展していくでしょう。

私たちは純粋に目的=手段の結びつけがよりたやすいような組織体よりも、圧倒的な複雑さ・難しさを抱えています。利潤追求と価値追求の脳の切り替えは、私にとって相当なエネルギー消費を課してきたことは間違いありません。


グッドニュースは、今、先進国に暮らす少なくない人たちが、「ひょっとすると、これまでの価値規範に従って生きるだけではダメかもしれない」と感じ始めているということです。地球環境のことに思いを馳せ、自分の暮らしや消費について見つめ直す人や、必要に迫られてアクションをとる企業が増えています。

ただし、大多数の意識が変わるまでにはまだ時間を要すると思いますし、さらに行動が変わり、ルールが変わるところまで行くには相当長い道のりであることを覚悟しなければなりません。


そうした時にポケマルは現在、5年後、10年後と、どのような立ち振る舞いをしていけば良いのでしょうか。

私たちが向き合っていかなければならないことは、ミッションである「個と個をつなぐ」ことと、経済的付加価値の創出とをどのように結びつけるのか、という点です。

一つは、経済的付加価値を向上させるような範囲において「個と個をつなぐ」につながるようなフィーチャー(機能)を最大限検討し実装していくことです。

このようなスタンスを取る場合、ビジネスとしての持続可能性をまず担保すること(あるいは株式会社としての使命のまっとう)がミッションに先立つという形とも言えます。

二つ目の方向は、ミッションの追求とお金の稼ぎ口をある程度切り分けて考えるということです。

三つ目は、ある種の思考実験です。もし、一旦採算のことを忘れて、ポケマルが実現したい世界のことだけを考えてみたらどうなるのか。ひょっとしてひょっとするとその先にまた新たな可能性が広がるかもしれないし、そんなことないかもしれません。

今あげた3つはそれぞれ独立するものではありません。どちらかを立たせようとするとどちらかが全く立たなくなってしまう、というような極端なものでもありません。バランスを取りあって、着地点を模索していくものなのだと思います。


ポケマルは、先に述べたように、既存の枠組みに対してモヤモヤを感じ始めている人たちの受け皿になるのとともに、課題先進国における新たな未来を示す道標としての使命を背負っていると思います。そしてその使命に応えていくことは今後の地球にとって必要なことなのです。

大げさな話に聞こえるかもしれませんが、私たちは今そのような時代の分岐点に生きているのだと思います。

だから、ポケマルはポケマルが為すべきことを為すために、既成概念や常識にとらわれず大いにチャレンジをしていくべきなのです。

以上



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