ヘアドネーション計画前日譚
2020年5月15日。ヘアドネーション決意@とある美容室
「がんばります~お願いします~」と担当さんと合意。
2021年3月まで髪を伸ばすことにした。
という決断をする前の話。
なにか、したかった。
生きているうちに、1つでも「良い」と思われることがしたかった。
別に頭も良くないし、
肉体労働をして経済を回すこともできない。
とはいえ社会の構成員であり、
なにかをもたらして、誰かの歴史に残りたかった。
自分の身体からなにか差し出すことしか思いつかなかった。
どこかでヘアドネーションのことを知ったとき、
これぐらいしか自分にできることはないんだろうと
ごく自然と心を固めていった。
2019年6月。
「今日どうなさいます?」
「ヘアドネーションをしたいなぁと思っていて・・・」
「ヘアドネーションってあれですよね、寄付するやつ」
美容師さんの表情でわかる。
ここではできなさそうだ。
ヘアドネーションが理解されていない。
帰宅し、「ヘアドネーション」で検索をかける。
「賛同美容室」を探す。
家から近くて、そこまで高くなさそうなところ・・・
見つけた。徒歩圏内だ。
ホームページをブックマークする。
数か月後は、きっとここに行くのだろう。
と思っていたのに、なかなか美容室を変えることができなかった。
2019年の終わりごろ。
「今日はどうされますか~?」
「長さはあまり変えずに整える感じで・・・」
「イメチェンしないんですか?」
「ヘアドネーションをしたいんです」
「なるほど~」
とはいえ、うちではやれませんが?という表情の美容師さん。
やはりあそこに変えなきゃいけないのか、
どの美容室も賛同美容室になったらいいのに。
1年間通った美容室にさよならを告げた。
2020年5月。ようやく予約した。
「初めてなので、用紙に記入をお願いできますか?」
最後に希望を自由に書く欄がある。
「来年、ヘアドネーションをしたいです」
小さな字で書く。
「ヘアドネーションご希望なんですね!」
「はい、3月ごろやりたいんですけど、この長さで大丈夫ですか?」
「そうですね、できると思うんですけど、
今日どれぐらいの長さで整えるかで3月に切るときの長さが変わるので
じっくり考えましょう」
じっくり考え、
「がんばります~お願いします~」と担当さんと合意した。
風が吹いた気がした。
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