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【冒頭1400字公開】大谷翔平、独占1万字インタビュー

「大きな決断を迫られたとき…」
大谷翔平が語ったドジャース移籍と
40歳までの未来
「伸びしろはピッチャーのほうがある」
【1万字独占インタビュー】

2度目の右ヒジ手術と移籍を経験した今、野球と、二刀流とどう向き合っているのか。ドジャース1年目の開幕を控えた時期に、1万字に及ぶ熱き思いを小誌に語った。

――今シーズンからドジャースのユニフォームを着てみて、このチームに感じている印象はいかがですか。

「エンゼルスって和気藹々としたフレッシュな雰囲気があって、若い選手も多いじゃないですか。エンゼルスへ入団したときには僕も若手でしたし、先輩たちにも温かみがありました。今年の僕はバッターのほうでプレーしていますからドジャースでは野手の人たちと接する機会が多いんですが、野手の年齢層がけっこう高めで、エンゼルスとはまた違った感じのプロフェッショナルな雰囲気があります。チームとして団結する側面を持ちつつも、個人としてやるべきことを大事にしているという……練習からひとりひとりが集中して、やるときはやる、エンゼルスの良さとはまた毛色の違ったスタイルを感じています」

――歴史のあるドジャースに伝統のようなものを感じることはありますか。

「今のところは、これがそうか、というものはとくになくて、むしろ名門なのにすごく柔軟だなと思うことのほうが多いですね。新しいことに対して寛容だし、新しいことをいち早く取り入れていく感性を持っている感じがします。これだけのお金を使って、本当に優秀な人にいち早くアプローチしていく柔軟性があるし、同時にマイナーシステムも充実させている。僕はマイナーへ行ったことはありませんが、ドジャースの一番の強みは育成だと思っていて、スプリングトレーニングに来ていた招待選手やマイナーの選手と接したら、それこそ毛色の違いを感じました。僕もそれなりの歳になりましたし、ドジャースの若い子たちが何を目的に練習をしているのかを見ていたら勉強になりました」

――12年前、花巻東からドジャースに行くことを決めていれば、ピッチャーとして、そのマイナーからのスタートになったと思います。7年前、ファイターズからエンゼルスを選んだときもドジャースは熱心に誘っていたと聞きますが、ナ・リーグにDHがなかったので投打の2つは今の形と違っていたでしょう。となると、ずっと縁があるように見えるドジャースは大谷さんにとって、どういう存在だったんですか。

「同じドジャースという球団ではありますが、高校を出たてのときとは内部の状況も編成の人も変わっていると思うので、今とは違うチームだと思います。ただ僕がこちらに来た2017年で言えば、当時の編成担当の方々は今とほぼ変わっていません。だから比較するならそのときかなと思うんですが、もし僕がドジャースの編成の仕事をしていたとしたら、僕がエンゼルスを選んだことについて、いろいろ考えるところがあったと思うんです。同じエリアの別のチームに行かれてしまって、それはフロントとしては複雑な気持ちがあったんじゃないかなと……それでも僕のことをその後もずっと評価し続けてくれて、いい選手はいい、欲しい選手は欲しい、と熱烈に勧誘してくれました。感覚的なものなので言葉にするのは難しいんですが、あえて言葉にするなら、最後までオファーを出し続けてくれたその姿勢に『ウチは名門だから』というところはまったく感じませんでした。だから最後、決めるとなったとき、僕の心の中で何か感じるものがあったんでしょうね」

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(写真・鈴木七絵、文・石田雄太)

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