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10代女流棋士をみる 未来のスター候補たち

近年、女流棋士が次々と誕生しています。

2022年以降に女流棋士となったのは8名。
現役の女流棋士が77名ですので、全体の1割を占めます(本稿執筆の2023年3月18日時点。以下同じ)。 

若くしてのデビューも多く、10代の女流棋士は11名にのぼります。 

一方、棋士では、10代は藤本渚四段(17)のみ。
若手女流棋士がいかに多いかが分かります。

棋士は、プロ入りの年齢が若いほど、大成するといわれます。
藤井聡太竜王をはじめ、中学生棋士というのはひとつのブランドです。

女流棋士の場合は、棋士ほど相関がないように感じますが、奨励会からの編入制度があるためでしょうか。
それでも中学生や高校生のうちからプロとして活躍されているのは立派なことです。

ここでは、その中から、特に注目している6名を紹介します。 

木村朱里女流1級

現役最年少の女流棋士です。

2022年6月、13歳でプロ入りしたばかりですが、2023年1月には、女流王将戦本戦入りの実績により、女流1級に昇級しています。

菅井竜也八段がTwitterで、
「木村さんあんな難しい相振り飛車をある程度指せていたから驚きました。55銀に長考してましたが、相振りをよくわかってるなと、感心した。」
と評されており、注目です。

現在の勝率は8割近く。勝ちまくっておられます。 

出典 産経新聞

鎌田美礼女流2級

2022年5月、当時の現役最年少で女流棋士になられました。
NHKや将棋情報局で取り上げられるなど、注目度が高い女流棋士のひとりです。

現在では誕生日が半月ほど後の木村女流1級が最年少ですが、いずれも中学2年生。今後の飛躍が楽しみです。 

出典 スポーツ報知

松下舞琳女流1級

特にイチ押しの女流棋士です。

松下女流1級を知ったのは、2021年10月の第15回白瀧あゆみ杯争奪戦。

決勝で小高佐季子女流初段に敗れ、惜しくも準優勝となりましたが、翌2022年8月に女流2級となると、10月には女流王位戦予選決勝進出により、早くも女流1級に昇級されました。

熊本県の名門、済々黌高校在学中の才媛です。

出典 駒doc.編集部

久保翔子女流2級

「さばきのアーティスト」で知られる久保利明九段のご息女です。

久保九段と同じく振り飛車党で、2022年10月に女流棋士になられました。

直後の加古川青流戦決勝三番勝負では、解説の久保九段とともに大盤解説の聞き手を務められており、これからも親子での活躍の機会がありそうです。

出典 スポニチ

内山あや女流初段

2020年9月、第14回白瀧あゆみ杯争奪戦でアマチュア初の優勝を果たすと、同年12月に女流2級昇級に。

2022年4月には年度指し分け以上(8勝以上)で女流1級、2023年3月には女流名人リーグ入りにより女流初段へと、ステップアップを重ねています。

第2回女流ABEMAトーナメントで知った将棋ファンも多いと思います。

出典 ABEMA TIMES

野原未蘭女流初段

鈴木英春氏が考案した「英春流」を指し、アマチュア時代には、史上初の女流アマ名人戦3連覇を達成するなど、早くから注目されていた女流棋士です。

プロ入りもこの11人の中では最も早く、2021年1月に女流王将戦本選進出により女流1級、同年8月に倉敷藤花戦準決勝進出により女流初段へと、順調に昇級昇段されています。

「未蘭」というお名前は、ご両親の新婚旅行先、イタリアのミラノから付けられたことでも知られています。

出典 文春将棋


近年の女流棋界は、清麗戦や白玲戦・女流順位戦の創設により、対局数が大きく増えています。

反面、新型コロナウイルス感染症の流行により、将棋イベントは減ってしまいましたが、これからきっと、さまざまな機会で活躍を見ることができるでしょう。

綺羅、星の如く輝くであろう若手女流棋士から目が離せません。

 

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