難波ナイン

詩、および音楽評論。

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最近の記事

夏の小さな記録

2020年、夏 世界はコロナウイルスの蔓延 人々は炎天下のもと マスクをして歩いている 中にはマスクをせぬものもあるが その考えようはどこからやってくるのか 普通の人にはわからない 同じ環境下にあって 人はそれぞれ違う思いを抱く それは世界が生じた時から 永久不滅の現象であり だから私はわたしを生きる だから私はわたしを生きる

    • 春と修羅 序との出会い

      以下は宮沢賢治の詩集「春と修羅」に 序として置かれているものの、出だしの部分です。 わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の ひとつの青い照明です (あらゆる透明な幽霊の複合体) 風景やみんなといつしよに せはしくせはしく明滅しながら いかにもたしかにともりつづける 因果交流電燈の ひとつの青い照明です (ひかりはたもちその電燈は失はれ) 私はこれまで小学生の頃から宮沢賢治の童話に 数多く触れてきました。 しかし、詩に関しては当時の言葉遣いが 少し難解であるがゆえ、

      • かなしみでいっぱい

        こころの中が かなしみでいっぱい 大粒の雨がどしゃどしゃ降って 地面はぐしゃぐしゃに茶塗れ スニーカーはすべての汚れを吸って もう重くて歩けやしない こころの中が かなしみでいっぱい 子供みたいにえんえん泣いて 部屋は涙に溢れて 物ものがぷかぷか浮かんで溺れたり そんなことももう出来やしない こころの中が かなしみでいっぱい ちょっと石がぶつかったくらいで ちょっと側面がへっ込んだくらいで こんなになってしまっていたら いつかは潰れてぺしゃんこだ それでも 今日はかなし

        • 肋間神経痛

          どうやらこれは肋間神経痛 胸のあたりがちくちく痛む 前から変だと思ってた 今日ぐぐってわかったのだ

        夏の小さな記録

          君が居なくなってからというもの

          君が居なくなってからというもの 空はずうっと夕焼けていて いつまでたっても夜が来ない 君が居なくなってからというもの 海のずうっと底深く いつまでたっても息が出来ない 君が居なくなってからというもの 立てかけられたままの箒 敷き詰められた枯れ葉のシーツ 君が居なくなってからというもの 街は歩けど何処へも行けず 青になっても渡れないまま

          君が居なくなってからというもの

          けもののriver

          けもののriverを聴きながら 僕は涙を呼んでいる 涙はここの奥遠く 声は届くか届かぬか けものの声を鳴らしながら 帰宅途中の北区を行く 日曜午後の夕暮れは 誰も僕に気を止めない さよなら涙また会えない さよなら涙また今度

          けもののriver