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異業種の市場に入るということ

こんにちは!沼津市にあるバルーンアートの専門店「ふうせんやさん」です。

2017年2月に初めてラブライブ!サンシャイン!!という大きなライブにバルーンスタンドをお届けさせていただいてから3年ちょっと。その期間、ライブの度にたくさんのご依頼をいただき製作、搬入回収などを経験して進化してきた、つもり。

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いわゆる祝い花、スタンド花は一般的にお花屋さんの市場であって「ふうせんやさん」は異業種。さらに、バルーンショー出演がメインのパフォーマーからの祝い花製作へ参入なので、イベント会場などにも「出演者」という関係者ではなく「外部の業者」として行く今まで経験のない関わり方。いわば未知の世界。

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今回はそんな「はじめて」足を踏み入れたこの世界で経験したことを書いてみようと思います。

これからライブにスタンド等祝い花を届ける方の参考に、また、フラスタを贈ろうと思っている方がそれを贈るということがどんな感じなのか知ってもらえたら幸いです。

ちなみに、ふうせんやさんが今どんな想いで大切な贈り物をお届けしているかは前の記事をご覧ください。

大切にお作りしたバルーンスタンドをトラック等で現地までお届けするとき、レギュレーションにより搬入回収日時が指定されています。例えば初めてお届けした横浜アリーナ。

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日時指定以外にもライブを開催する会場の記載はあれど、搬入口の指定は書いてない(C駐車場などと指定があることもあります)

「出演者」などの関係者として会場に向かう時は事前に駐車場の位置や入口などの見取図や駐車許可証などが送付されてきたりするのが一般的ですが、祝い花を届ける業者は「関係者」ではなく「外部の業者」です。駐車場やらなんやらの用意を運営側がする必要がないのは今思えば当然のことですが、はじめての場所、はじめての関わり方でどこからどう搬入するのか、作業する時間やスペースがあるのかどうかなど様子も何も全然わからず、花屋さんは一体どうやっていつもお届けしているんだろう…と悩むだけ。もちろんネットで調べてもそんなのどこにも書いていない。

問い合わせ先に電話して確認するも「指定時間内に正面入口まで持ってきてください」としか言われず…わからないことだらけ。

で、悩んだあたしはバルーン業界で花屋さんとともにスタンドを製作している先輩に聞いてみることに。

「横浜アリーナは、正面に路駐して手運びで搬入するよ。駐禁切られるから、車の見えるところで作業して行ったり来たりか、車にスタッフ置いておく」

路駐で駐禁???

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聖地の企業さんからのバルスタお届けという看板背負ってのお仕事で、それはうちにはできない…💦と、結局そのときは近隣駐車場を探して事前予約。そこから台車で踏切渡ってゴロゴロと運んだのでした。

駐車料金が5000円かかってしまおうと、それが予期せぬ経費になろうと駐禁だけは避けたいですからね!

まぁ…実はその日、代表であるあたしはイベント出演があらかじめ決まっておりバルスタお届けはマネージャー&スタッフにお任せ。ほんとの「はじめて」のバタバタ緊張感は味わっていなかったり(苦笑

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…というそんな裏事情はさておき(笑

物販に並ぶたくさんのファンの横を「なんだあれ」な視線を感じながら台車でゴロゴロ。この時、実際には他の花屋さんは搬入口に車を入れてたみたい…

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その後のいろんなライブでも、会場やアーティスト、運営さんによって対応も様々なので結局現地での対応になるんです。搬入口の駐車場に無料で入れていただけることも、併設の有料駐車場に停めることもあれば、現地周辺で駐車場を探し回ることも。だからやっぱり1人ではなかなか厳しく、基本的には2人以上で行く必要があると思います。

実際に路駐で搬入してる花屋さんの車が片っ端から駐禁切られてる会場に出会ったのはそれからだいぶたった最近のことです。…はい。実際にあるんです!

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無事に駐車が出来たら伝票や名刺などで受付して中に。

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最初の頃は「花屋さんですか?」と聞かれると「ふうせん屋です」と答えていましたが、今では「はい」と言っちゃいます(笑

だって、やっぱりどこでもこの市場のほぼ100%が花屋さんだからね。

静岡県沼津市から、「沼津」「伊豆」「富士山」ナンバーのトラック等で他県に行く

「わざわざ遠くまで来ないで現地の業者を使えよ…」と他の業者さんから聞こえるように言われたこともあります。

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たしかに花屋さんには花キューピットなどのネットワークがあり、全国どこでも地元の花屋さんが対応できるシステムがありますもんね。

でも専門店が作るバルーンスタンドは、他のどこにも製作できないオーダーメイドの1点もの。もちろん手直しだって誰かに任せるわけにはいかない。

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それは商品を見てもらって納得してもらうしかないので聞き流して梱包を外すようにしています。

今では「今日も沼津からですね」と覚えてくれたスタッフさんや地元業者さんもいてアウェイ感は減ってきました(笑

「なんか変なのあるから、サイズ守ってるうちのが小さく見える💢」とか「たくさんあって邪魔なんだよねぇ…」「隣に置きたくない」と言われたこともありました。

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まぁ、そりゃ異業種が市場に乱入してきていると思われたんだろうな(苦笑

中には「見せてください」って声かけてくれて後ろまでの360度見た上で、「すごいですねー」っていろいろお話しして仲良くなった花屋さんもあり、その反応も様々なんですけどね。

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サイズについては実際に現場で計測され、超えた分のお花やボードを押し込んだり取り外したり、挿し直したりしている光景も多々見ます。

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高さ180センチ以下のもの。飾り部分がこのサイズから「大きくはみ出しているものに関しては…」と指定があったときに、この「大きくはみ出す」という解釈を数センチなら大丈夫かな?と甘かったあたしたちは現地でスタンドの脚を切って加工することになったときもありました。

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しかも夜の雨降る中にトラック荷台で(苦笑

だって、贈り物であるバルーンのデザインやバランスは変えたくないからこの選択肢しかないでしょ?

これ以降、何度もサイズを測りながら確実にサイズ内に収まるように製作しています。

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これは高さ200センチ、幅100センチ以内指定のときの製作風景です。

サイズ内でもバルーンアートは大きく見えちゃうようですが計測してもらうと問題なし。(計測がないときもあるんですけどね)

そんな何度もお届けさせていただいた今だから言えること。

この祝い花をライブ等の運営さんが受け取ってくださることは、すごい手間を増やして対応してくださっているんだとありがたく思います。実際の運営とは関係のないたくさんの業者から、それらを受け取る為の受付や管理などに人員を配置し、またライブ後に回収させるか処分するかにまた時間も人員や予算を割いてくれてるということ。並べ替えたり、屋外にテントを用意してくれたり、倒れたフラスタを直してくれたり。

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贈る側も真剣だから、それを託された業者も真剣で言葉や態度が強くなることもあるけど、受け取って管理してくれる側はあくまで好意だから、感謝の気持ちは忘れないでいようと思います。

花屋さんがお花とともにバルーンも扱うフラワーバルーンスタンドが一般的な「バルーンスタンド」だったかもしれない。そんな花屋さんの市場に「ふうせんやさん」として参入し、少しずつ覚えてもらったりしてきた3年間。ちょっとは革命が起こせてるんじゃないかな?(笑

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祝い花は花屋さんだけじゃなく、「ふうせんやさん」はじめバルーンショップでもお作りできるところありますよーっっっ! 笑

(実際に対応できるかは個々で異なります。問い合わせたり実績の写真を調べてご確認くださいね)

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まだまだ書きたいことはあるけど、今回はこのへんで。

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に少しだけ大事な話もさせてください。

今、新型コロナの影響でイベントライブ等が自粛中です。出演はもちろん、そこにお届けさせていただいていたバルーンスタンドなども全部キャンセルです。いつまで続くかもわからずスケジュールは真っ白…つまりお仕事がありません💦

もし、「これからももっとたくさんバルスタ見たいよ」「がんばれ」などの応援の気持ちがありましたらぜひこのnoteでもサポートお願いします。

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下の方にあるこのようなアイコンからあたたかいご支援を受け取ることができます。そんなご支援、笑顔で首を長くしながら待ってますね←なんだか大道芸の投げ銭トークみたいだ(笑

せっかく進化しつつあるバルスタをここで止めるつもりはありません。まだまだ特別な想いをこめた贈り物をお手伝いさせていただきたいです。

一日も早くこの事態が収束することを願っています。

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