映画「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」を語りたすぎてここに書き留める
~時系列ごちゃの語彙力なし~
「茜?」っていきなり下の名前で呼び捨てにすることで、2人は面識があるのか?って思わせての「お前のことが大っ嫌い」はすごく話が気になる始まり方。
しかも相手の男の子の映るところが目元だけなのも、"何かを隠してる"感が漏れているのがいい。
これはもう、また一から見たら「あぁこの時こう思ってたんだ(ニヤニヤ)」案件確定。
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茜ちゃんだけ朝食(取ってないけど)テーブルが違う演出、それだけでお父さん含め家族との距離感が分かる。
それがラストでは4人で楽しそうに一つのテーブルを囲んでるから余計にグッとくるぜ…泣
茜ちゃんのマスクだけじゃなくてストッキング(タイツ?)履いてるのも、"全身で自分を隠してる"感じが出てる。
もう1人の主人公・青磁くん、ズボンが作業着になってるの美術部っぽくていいなぁ…!(語彙力皆無)
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美術の岡崎先生演じるのが上杉柊平さん。ドラマ・18/40でも絵が絡んでたから勝手に興奮しとる。
肘付きながらもしっかり先生の話聞いてる青磁くん、これで美術が好きなのが伝わるの本当に不思議。
他人から見た自分を書いてもらうシーン、字でわかるというよりも普段からお互いを意識し合ってるからこそ、"これは誰が書いたのか"がわかることが成り立つのがミソすぎて心にくる。
そんで嫌いなのにわざわざ茜が書いた所を絵の具で丸して紙飛行機で文句言うのか(ニヤニヤ)
てか茜ちゃんが1人でお昼食べてる場所知ってるんだ(ニヤニヤ)
好きと嫌いは紙一重ってか(ニヤニヤ)
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ニヤニヤしてたのに茜ちゃんの自傷行為に胸が痛い。指先の私もやったことあるけどクセになりやすいんだよなぁ…と思ってたらやっぱ違うシーンでもやってて苦しい。
切なくなってたらまた青磁くんのツンデレシーン来て感情の起伏が激しいぜ?邪魔とか言って自転車そっちの助で心配してるし、「具合悪い?」の言い方が優男すぎる。言い方がキツいのにそういうところがあって嫌いになれないのが深川青磁という魅力のある人間なんだ。
公園で学校行く行かない言い合ってるシーン。遠くから撮ることで、寒そうだけど気持ち良くて空が綺麗なのが際立ってていい。
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文化祭大好き勢としてはこんなにも皆が協力的じゃないのは驚きだけど、やっぱ少なからず催し物はリーダーシップって大切なんだと痛感する。しかも先生に「皆も頑張ってる」からのこれはキツい。
また沙耶香ちゃんだけちゃんと練習してるのが切ない。
ダンスの練習中、茜ちゃんと青磁くんが言い合いしてるこのシーンの演技マジ最高。怒りが籠ってる茜ちゃんの目、それでも本音全然言わなくてイライラしてる青磁くんのそっぽの向き方。最高(2回目)
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リハーサル終わって集合写真撮るのお願いされた時のりんくまちゃんの演技もマジでヤバい。
The・疎外感。
茜ちゃんだってクラスメイトなのに、一番色々頑張ってるのに、でも本音でぶつかり合えてればこの集合写真に自分も入れてたかもって一番分かってるのは茜ちゃん自身で…ってこの感情がマスク付けてるあの目の演技だけで痛感させるの凄すぎる…泣
だからりんくまちゃん好きなんだよ(どさくさ)
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こちとら絵を見て泣くの人生で初めてなんだが?!しかも画面越しで!
破れたフェンスに滴る雫。向こう側に見える月と痛いほどに美しい色味の空。何だこの綺麗な絵…
茜ちゃんが絵を見て自然とマスクを外すのは、顔色を伺うという仮面を外して本音が溢れだしそうになったからなのだろうか。
青磁くんの絵を見てる茜ちゃんに声かけるシーンもそうだけど、
ダンスリーダーやりたくないって現れた最初のシーンも、紙飛行機飛ばしたシーンも、青磁くんが窓から頻繁に登場している。
それは茜ちゃんにアクションを起こす時だけで、茜ちゃんの小さな世界に青磁くんが破り入ってくるような感じ。まさに青磁くんの描いた破れたフェンスの向こう側みたいな感じで好き。
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この映画で一番好きな屋上のシーン。
何だあの撮り方…!2人を中心にグルグル景色を映すの凄すぎるだろ…!!
酒井監督様様様様本当にやばい。語彙力ないからやばいしか言えないけど、本当にやばい。ここ初見で鬼リピした。
この演出の仕方だから余計に青磁くんのセリフが沁みる、もはやズシンと来た。
「そいつの目に映る世界は全部そいつのもん」
「他の誰かが見る世界とは違う」
「お前の世界も綺麗だろ」
画面越しで自分まで清々しい気持ちになったこと、今まで映画を見てあったか?いや、私はなかった。
さり気なく「今のお前が嫌い」って言ってるのも最高。"今の"ってことは昔の茜ちゃんを知ってるってことで(ニヤニヤ)
そんで笑い声を出す演技って難しいと思うけど白岩くん、うまぁ…!
茜ちゃんがやっと本音叫ぶシーンもいいなぁ~
お父さんってさり気なく言えてるし、お父さんは何もない、いつも優しいって可愛いかよ(昇天)
茜ちゃんだって充分愛情を持って世界を見てるんだ。
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青磁くん見つけて自然とマスク取る茜ちゃんいいなぁ(いいなぁしか言ってないな自分)
そして手を振り合うシーンを入れてくれたのマジ最高…!お互いが手を振り合うのってそこに多少なり愛情・信頼がないと成り立たない行動だと思ってるから、異性だろうと同性だろうと「会いたかった」「やっと会えた」「自分に気付いて欲しい」そんなメッセージが込められてるこの行動は、マニアックだと思うけどかなり好き。
だからこの2人のおてて振り振りシーンが見れてすごく嬉しかった。
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あんな窮地で「茜、行くぞ」なんて連れ出してくれたら全私がホレる。茜ちゃんが沙耶香ちゃんのこと傷付けて頭ぐちゃぐちゃになる気持ちも痛いほど分かる。
青磁くんも茜ちゃんのヒーローになってるんだなぁ。
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遊園地で茜色の空を見てる2人、マジで永遠に見てられる。なんて綺麗なシーンなんだ。
すごく寒くて大変だったと思うけど、やっぱ冬の空って一年の中で一番綺麗だ。
「おまえ、こういう色似合うよ」って噛み締めれば噛み締めるほど、すごく深い愛の言葉な気がする。
メリーゴーランド歩きながら小学生の頃の話。
青磁くんを助けたことで、茜ちゃんは青磁くんにとってヒーローになった。ただ皮肉にもそれが"今"の茜ちゃんを引き出すことになってしまったわけでもあって、とても考え深い…
「嫌いって言われてショックだった」って言う茜ちゃんにニヤニヤしてる青磁くん見て、こっちはニタニタしたわ。
「だってお前は…!」なんだよ。ニタニタ。
妹ちゃんの彼氏?!を否定しないその顔なんだよ。ニタニタ。
私の正常な顔を返してくれ。
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沙耶香ちゃんのはたから見たら2人は両想いだよってセリフ、ラブストーリー見てるこちらモブとしてはたまらんのですよ(何の話)
私も沙耶香ちゃんになって2人のこと見つめてたい(だから何の話)
沙耶香ちゃん役が箭内夢菜ちゃんなのも、ドラマ・青春シンデレラ大好き勢としてはたまらん。
マスク褒められたら嬉しいよね~青磁くんが選んでくれたマスクだもんね~ニタァ
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自習になって先生いなくなった瞬間騒ぎ出すクラスメイトのシーン、これも"あるある"で、ほんとそんな感じだったなぁってなる。
いや、でもエアドロで好きな曲共有はない。
エアドロで好きな人と好きな曲共有はない。
…っ、もはやワイヤレスイヤホンなんてなかった…泣
ふーん、青磁くん茜ちゃんがワイヤレスイヤホン付けたことわかるほど茜ちゃんのこと見てたんだー、ふーん。
「なんて曲?」って聞かれてそんな笑顔になるんだー、ふーん、教室っていう世界で2人だけが同じ曲聞いてるんだー、ふーん(尊死)
てか「夜明けに会いたい人」ってもう告ってるようなもんじゃん(完全に尊死)
でも、こういうその時代の象徴な物を使うやり取り好き。ポケベルだって、ガラケーだって、MDプレイヤーだって、その時代ではすごく現代的で、後から見た時に懐かしくなるのがいい(いや、エアドロが懐かしくなる時代が来るのも怖いが)
ぼやけてるから確信はないけど、当たり前に青磁くんの待ち受けがパレットなのも良き。
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屋上が茜ちゃんにとって居心地がいい場所になってるのも、当たり前に青磁くんの前でマスク取ってるのも2人の今の関係性が見えてる。
「勝手に歩み寄るな」って言われたら辛いけど、歩み寄るっていう優しいワードを使うところが青磁くんらしくていい。
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美術の岡崎先生って絶対隠れモテ。
密かに先生のこと想ってる学生が1人はいる。卒業式とかに告られて「俺なんかよりこの先いいヤツと出会えるよ」なんて振るんでしょ?でもその学生は中々先生のこと忘れられないんでしょ?そんで大学生になって異性と歩いてるとこを先生が見て、「良かったな…」なんて少し切なく笑うんでしょ?
どなたかそんな岡崎先生の話をください。
そして先生が見てる映画は何か教えてください。
"冷静と情熱のあいだ"なんかだったらお洒落すぎる(妄想)
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暗い廊下にのみこまれそうなシーン、呼吸、鼓動、青磁くんの不安がすごく伝わる。
だけど青磁くんの未来にはちゃんと光がある。
茜ちゃんっていう光がいる。
そんな尊さが伝わる神演出!もはや酒井監督にひれ伏す。
白岩くんの銀髪が似合ってるのはもちろん、消えてしまいそうな儚いほどの肌の色の白さが役を際立たせてる。
「この世で一番強くて綺麗だと思った」
「何よりもう一度その子の笑顔が見たい」
大切なセリフの時に茜ちゃんの目を見つめるのもすごくいい。
こんなに"好きがダダ漏れてる嫌い"を聞いたの初めてだよ…!
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屋上の階段上から今度は茜ちゃんが青磁くんを引っ張る演出も良すぎるだろ…泣
ちょっと前までは青磁くんが広くて美しい素敵な世界に茜ちゃんを引っ張って、今は茜ちゃんが暗闇でも怖くないよ、どんな色も青磁くんの色に染めればいいんだよって青磁くんを引っ張ってる。
大人になってもずっとこうやって引っ張ってはお互いの素敵な世界に行ったり来たりして、色んな色に染めて混ざり合ってグラデーションな人生を歩んで欲しい(語彙力やっぱり皆無)
屋上を塗り終わった2人を上から見たカットが、「これもう絵じゃん!2人が絵じゃん!」って綺麗すぎて鳥肌立った。
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5年後、茜ちゃんが自然とお父さんって呼べてる、というかお父さんと電話するレベルまで関係ができてるのが嬉しい。
終わり方がオープニングのシーンと重なるのもヤラれた。
あそこだったら青磁くんの顔、普通は見せるよ。私が監督だったら見せるよ。
でも見せないのが好きすぎる。
だって、青磁くんがこの世界で一番美しいと思った茜ちゃんの笑顔で終わるのが大正解すぎる。
拍手喝采。スタンディングオベーション。
~感想たらたら~
私は元々ドラマ派で、映画は圧倒的に時間が短い。2時間弱という限られた中で話をまとめるなんて無理があり過ぎるのを撮っているのがすごいといつも思う。
それがこの映画はなんだ。さらに短い1時間半。
それなのにこの幸福感と清々しさは何なんだ。
映像の綺麗さ、脚本の良さ、演技の上手さ、曲の良さ、全てが欠けずに、それこそグラデーションのように混ざり合って心に来た。
見終わって空を見上げたくなる、腕を伸ばして深呼吸をしたくなる映画だった。
これがあと30分増やしてくれても客側としては嬉しい限りだけど、きっとこの1時間半が心地いいのだとも思う。
5年後という歳月の間、何があったのか、何をしていたのかもう少しシーンを足すことだってできたはず。でもそれは、この映画を見た客の想像に任せる。
2人は高二で、青磁くんが留学するのは高校を卒業してからだろうか。ということはまだ2人で過ごす時間があって、その間に茜ちゃんは完全にマスクを取れるようになったのだろうか。沙耶香ちゃんとお昼を一緒に食べたり、クラスメイトと一緒に写真を取れるようになったのだろうか。
青磁くんが留学中、2人は連絡を取り合っていたのだろうか。茜ちゃんは4大を出たのか、それとも短大を卒業してバリバリに働いているのだろうか。
そんな妄想を繰り広げるのも、ヲタク(私)は嫌いじゃない。
だからこの1時間半がちょうど心地よくて、素敵な映画だった。
酒井監督の撮る映像はなぜこんなにも綺麗なのか。
誰かそろそろそんなテーマの論文を出してもいい頃だと思う。
女性ならではと言ったらこの時代にはナンセンスなのか。でもそれくらい同じ同性として、痒いところに手が届くというか「そうそう、これこれ!こういうシーンが見たいんよ!」というのが監督の映像にはしょっちゅうある。
それはやっぱり酒井監督が見てる世界も他の人とは違って、愛情を持って見ているからなのだろうか。
りんくまちゃんは、君に届けのようなクールビューティー女子も似合えば、マリーミー!のようなほんわかした役も似合う。そして大前提で可愛い。
でも今回は、元々嘘が付けない真っ直ぐタイプなのにあることがきっかけで本心を隠すようになったという、顔もほとんど隠れて難しい役どころだった。それなのに本当に素晴らしい演技だった。そしてやっぱり可愛かった。
新しく始まるさよならマエストロでどんな演技を見せてくれるのか、楽しみすぎる。そして絶対可愛い。
白岩瑠姫くんの演技は初めて見たけど、この方もとても素晴らしかった。ツンツンが行き過ぎると本当に茜ちゃんのこと好きなのか…?ってなるけど、"好きだけど嫌い"・"嫌いだけど好き"が絶妙なバランスで伝わって、キュンキュンよりもギュンギュンさせられた。
そんでもって主題歌も良すぎて速攻ダウンロードしてしまった。もう茜ちゃんと青磁くんの歌じゃん(号泣)
「いとしい君に会いに行く」「歩んでいくいつまでも」白岩くんのパート最高です。Go to the TOP!(ちゃっかり)