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ところで良い生地って何?良い生地の基準とは。

こんにちは。ちみです。

今回は良い生地の基準について考えてみたいと思います。

かれこれ生地の生産会社に勤めて18年ぐらい経過しているのですが

良い生地と言われる条件・基準とは何だろうと常日頃から考えております。

職業が生地屋であることを友人・知人は知っているので良い生地とは何だ?

と、いつも質問を受けます。

ある友達は週末に1度着用し洗濯して次の週末にまた着ようと思ったら

縮んで着れなくなったとか。

ある知人にはあなたの作った生地だと思いうれしくなって買ったら

すぐに伝線してしまって良くないとか。

母からはあなたから貰ったスウェットパンツを履いているけど何度洗っても

膝が抜けなくてとても良いとか。

色々な意見を頂きます。

結論から言いますと生地の良い悪いは個人個人の価値観によって変わるので

一概にこの条件を満たせば良い生地ですよ!

とはならないと思います。

基本的に商品を生産して販売する際には厳しい検査基準がありまして

洗濯した際にどのくらい縮むかとか、

光に当てて乾かすとどの位色が変色するとか、

おおよそ10-15項目ほど事細かに検査しています。

検査をクリアできないと再加工を行い基準を満たす必要があります。

この基準をクリアした生地は条件面ではかなり良い生地。

という評価は得られます。

ただ、基準を満たせる生地はバランスが良く生地が設計されているため

安定感がある分とんがり力に欠け生地でのインパクトを与えることが

難しいです。

今年の夏に多く見られた透け感の強い商品や編み目の大きな生地を

生産しようと考えた場合、

どうしても洗濯したときにかなり縮んだり、

簡単に引っ掛かったりして伝線や破れがすぐ発生します。

トレンドを追おうとした場合この問題は避けられないので

生地検査基準を無視して注意事項を伝え販売されます。

このような例の場合、基準を満たしていないから悪い生地とはならず

デザイナーの意図をうまく表現できている良い生地とされます。

新たな価値を創造しようと意気込んでおられるメーカー様は

いかに求めるイメージを表現しようか考えているので生地の良し悪しを

生地検査ではなく、いかにイメージに近い、尖がっているかで

選定されているので、

最終商品にした時に稀にこりゃまずいだろ、

縮みすぎだろ、色落ちすぎだろというのが完成したりすることがあるので

修正しながら量産までこぎつけます。

そのメーカー様の意向をあまり意識せずに購入しいつも通りのケアを

行ってしまうと次の時に全然違くなっててがっかりするすることが

減るのではないかと思います。

生地検査に合格していてもごく稀に結果以下の個体があったりするので

これに当たってしまうと不運としか言えません。

今回は良い生地と悪い生地の基準に関して考察してみました。

ちみでした。

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