#NulNote 交流戦の影響を大きく受けたシーズン3選


こんにちは。今日も頑張りましょう。

今日から交流戦がスタートします。これまではパが圧倒的でしたが、近年はセも良い戦いをしていますね。今年はどんな交流戦になるか、興味は尽きません。

さて、以前も書いたのですが、

交流戦は他リーグとの対戦によって貯金・借金を得ることになるので、シーズンが終了するまでこの貯金・借金は変動しません
つまり、貯金を得られればボーナスですし、借金で終わった場合はリーグ戦でそれ以上に勝たないといけない苦しい状況になるわけです。

今日は交流戦直前ということで、交流戦の結果がレギュラーシーズンの最終結果に大きな影響を与えた事例を3つほど紹介してみます。

①2007年セ・リーグ/パ・リーグ

交流戦導入から3年目にして、早くも両リーグに影響が出るというシーズンが誕生してしまいました。

この年のセ・パはどちらも上位3チームによる接戦となり、リーグ戦成績(同一リーグ間の対戦成績)は以下のようになりました。

2007年リーグ戦成績

セは阪神が1位、以下中日・巨人の順。パはロッテが1位でソフトバンク・日本ハムの順でした。
ただ、1~3位のゲーム差はセはわずか1差、パも3差と接戦で、どこが1位になってもおかしくない展開でした。
しかし、数カ月前に戦った交流戦の結果が、この順位を大きく変えることになります。

2007年交流戦成績

セリーグは交流戦は真逆の成績で巨人がリーグ間で1位、以下中日・阪神の順に。パリーグは日本ハムが貯金13と大きく勝ち越し交流戦優勝、以下ロッテ・ソフトバンクの順でした。いずれもリーグ戦では3位のチームがリーグ間1位になったわけです。
この交流戦で巨人は中日対して2.5ゲーム差、阪神には5.5差の大幅なアドバンテージを得ることに成功。日本ハムはロッテに5差、ソフトバンクに至っては7.5差というとんでもないアドバンテージを手にしたのです。
このアドバンテージはシーズン終了まで消えることはありませんので、ソフトバンク日本ハムに7.5差以上の差を付けないと上に行けないことになったわけです。

結果として、リーグ戦では接戦だったものの、交流戦で大きく勝ち越したことにより、巨人と日本ハムが各リーグを制することになりました。
リーグ戦が接戦になった場合には、交流戦での戦いがレギュラーシーズンにも大きく影響するということが再認識されたシーズンだったと言えるでしょう。

2007年両リーグ上位3チームの結果

②リーグ戦はCS圏内なのに…広島悲劇の交流戦

逆に、交流戦の結果に翻弄され続けたチームもありました。
それが2019~2022年の広島です。(2020年は交流戦未開催)

2019~22年の広島リーグ戦成績

2016~18年に3連覇した広島は、2019年も11連勝を飾るなど、交流戦前の時点で首位に立っていました。
ところが交流戦でその勢いが失速、楽天以外の5球団に負け越し5勝12敗1分と大きく負け越してしまいます。さらにその不振を引き摺ってしまったのかリーグ戦再開後も11連敗を記録。一気に優勝争いから脱落します。
ただ、その後は再度9連勝するなど粘りを見せ、結果的にリーグ戦の成績では2位まで盛り返しました。
しかし、交流戦で生じた阪神に対する1.5差、DeNAに対する5差ディスアドバンテージを跳ね返すことが出来ず、リーグ戦2位にも拘らず最終成績では4位となり、4連覇を逃すだけでなくCS進出も逃してしまいました。

2019年セリーグ成績

同様に2021年、2022年も広島はリーグ戦では3位の成績を残すものの、いずれも交流戦最下位大幅な借金を背負ってしまったことにより、3年連続でCSを逃すことになってしまいました。

2021年セリーグ成績
2022年セリーグ成績(広島目線)

交流戦さえなければ…と辛酸を舐めされられ続けた広島でしたが、昨年2023年はようやく交流戦最下位を脱出して勝率5割で凌ぎ、リーグ戦でも2位と安定した成績を残したことで5年ぶりのCS進出を果たしたのでした。

2023年セリーグ成績

今年も広島は交流戦前時点で2位と好調をキープしています。
今年も交流戦をうまく乗り切れるのかがセの優勝・CS争いに大きく影響してきそうです。

③リーグ戦最下位チームが日本シリーズに?! 2022年セ・リーグ

そして、最も交流戦の影響が大きくなるかもしれない事象が発生したのが2022年セリーグでした。
この年の阪神は、開幕戦でヤクルトに大逆転負けを喫する波乱のスタートとなり、その後開幕9連敗、17試合で1勝15敗1分・勝率.063という記録的な低迷を続けることになります。

しかし5・6月になると投打が噛み合い連勝を続けるようになります。
5月末から始まった交流戦では大山の活躍などもあり、6連勝を記録するなど12勝6敗で2位となり、リーグ最下位を脱出して息を吹き返します。
この交流戦で巨人に4差、中日に5差、広島に7差のアドバンテージを得たことが、終盤に影響してきます。

その後も阪神の勢いは止まらず、7/29には最大16あった借金を完済して貯金生活に入るなどV字回復を果たし、独走するヤクルト以外が混戦となったために一時2位まで浮上することになります。
しかし8月になると失速し、8連敗を喫するなど再び5位まで転落します。
その後は巨人・広島とのデットヒートとなり、最後を3勝1分で凌いだ阪神が3位に滑り込み、勝率.063からのCS進出を果たしたのでした。

さて、結果的にCS進出を果たした阪神でしたが、リーグ戦の成績は56勝65敗4分で借金9。開幕9連敗がそのまま残った形となり、接戦ではありましたがセのリーグ戦最下位となったのです。

2022年セ・リーグ戦成績

リーグ戦最下位とはいえ3位広島とは4.5差、5位中日とも2差であり、大幅に負け越したわけでは無いのですが、形としては「セリーグ間で一番負けたチームは阪神」という結果になったわけです。

しかし、3位以下が接戦になったことで、交流戦の結果が大きく作用することになりました。
先程記載の通り、阪神は交流戦で巨人に4差、中日に5差、広島に7差のアドバンテージを持っていましたので、この3チームを逆転することに成功、結果としてセリーグ3位となり、CSの切符を掴むことになりました。

2022年セリーグ成績(阪神目線)

さらにCSファーストステージでも2位DeNAを撃破。ファイナルステージに進出し「セリーグ間で最下位チームの日本シリーズ進出」が現実味を帯びる事態になりました。
結果的にファイナルではヤクルトに3連敗して敗退となりましたが、もし勢いそのままに日本シリーズに進出していた場合、CSおよび交流戦の在り方が強く問われる事態になっていたかもしれません。
(もちろん阪神に罪はありません。ルールに則ってのCS進出です。)

まとめ

他にも色々とあると思いますが、筆者が独断と偏見で選んだ3選をご紹介しました。
今年の交流戦でまたどんなドラマが生まれるのか注目したいと思います。

現場からは以上です。

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