![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118843367/rectangle_large_type_2_8afc59c0dc235ce702e3dca5a9269bc6.jpeg?width=1200)
鬱人〜うつんちゅ〜【エンジェルダスト編】
令和5年10月13日、新宿某劇場にて私は現在公開中の映画である『劇場版シティーハンター<天使の涙>』を見に行った。聖地である新宿で映画を見たら、最寄りの映画館で見るよりも没入感が倍増すると思ったからだ。
あとはシンプルにシティーハンターの無印・新宿プライベート・アイズ編を完走して熱が高まっている今こそ映画を見に行くしかないと感じていたことが理由としてある。
では、まず結果から先に言おう。
情緒が破壊された。
まず冒頭では前作<新宿プライベート・アイズ>のゲストキャラ怪盗キャッツアイの再登場と前作の依頼人である亜衣の特大駅前広告があり、それだけでも既に前作と地続きの世界観に胸が高まるのだが、今回はさらにルパン三世やうちタマがチラッと登場し、まさに懐かしさのオールスターズなのである。
それでいて新宿の新しい名物である「3D猫ビジョン」が作中に登場するから、またアツい。見知った場所が登場するエモさは前作プライベート・アイズ編でも語ったが、そこからさらにアップデートされているのだ。本当に冴羽獠はいるのかもしれないと思えてくる。
個人的に毎度恒例となっている依頼人とのデートの場所に、お台場が選ばれていること嬉しかった点の一つだ。お台場は私がさらざんまいガチ追いオタクしている時にコラボカフェ目当てに何度も通った場所なのだから。
見覚えありすぎるアクアシティお台場とかその周辺のショッピングモールとかお台場のガンダムとか、本当に見覚えがありすぎる。フォロワーと行ったところだ!と思いながら私はそれを見ていた。
他にも芝浦ふ頭の倉庫なんかも出てきて、倉庫で銃撃戦を繰り広げていたのも私的には印象に残っている。さらざんまいでもその付近でドンパチやっていたが、お前らもかい! と思わず声に出してしまうそうになった。
(ここからガチのネタバレ入ります)
キャラデザから、おそらく依頼人アンジーは黒幕もしくはスパイ的なもので一悶着あるのだろうということはなんとなく察していた。(既に終了した入場者配布では獠と銃を向けあうデザインだったことも、この予想の根拠の一つとなっていた。)
まあ実際に、その予想は半分ほど当たっていて、彼女は組織を裏切ってエンジェルダスト改・通称アダムを持ち去ったゆえに、命を狙われているのは確かなのだが、彼女自身に身を守る術が備わっているのでその点はモーマンタイで、アンジーは冴羽獠を倒すために依頼人のふりをして近づいていたのである。
その動機は戦争孤児であるアンジーを拾った海原神が、最高傑作だと言っていた冴羽獠をアダムを使わず倒す(そのためにアダムを処分している)ことで、海原に認められたいという純粋無垢な欲望からだった。
そうして獠とアンジーは決闘をするのだが、彼女は敗北してしまい、それでもお互いの力にリスペクトし合い、円満に勝負は終わるかと思われた。
ところが、海原は処分したはずのアダムを回収しており、それをスナイパーライフルでアンジーに強制注射したのである。
エンジェルダストの力で暴走するアンジー。薬剤が入れられたことを演出する薄紫色のエフェクトはまるで彼女が発光しているように見えた。
それは非常に不気味であったが、戦闘が進むにつれ、まるで本物の天使のように美しく思えてしまう。
彼女はエンジェルダストによって、自我を崩壊させるほどに強く呼び起こされる殺意に必死で抗っていた。
「こんなんで勝ってもそれは勝った事とは違う」と高潔な意思を持ち続け、自害まで試みようとした。しかしエンジェルダストはそれを許さなかった。
「殺して……」
と苦悶の表情を浮かべながら拳銃を向けたアンジーの声が今も耳に残っている。それは痛々しく、しかしその精神の美しさは暗い映画館で眩しく見えた。
そんな彼女の胸に打ち込まれる冴羽獠のワンホールショット。
致命傷を負うと同時にきらきらと夜空にエンジェルダストが溶けていくのは、残酷なくらい美しかった。
憑き物の取れた彼女の最後の台詞は……
これはここに書いてしまうのは無粋だな。ぜひ劇場で聞いてほしい。もう既に見た人はそのシーンを私と共に思い出して噛みしめよう。
そして物語はアンジーの墓参りでひとまず終わり、エンドロールであるGetwildが流れるのだが……
こんな後味悪いGetwildってあるんか!??!?!??!
ぶっちゃけその衝撃が強すぎてCパートの記憶があんまない。たしか獠と香が夫婦バディしてたのは覚えているが……。
とにかく劇場が明るくなってからも私は放心状態で、ロビーの待合スペースで30分くらい動けなくなっていた。その間に物販も閉じられてしまいパンフレットやグッズが買えなかったのは心残りであるが、それはまあ最寄りの映画館で買えばいいとして。
今思い返すだけでも、ものすごい映画だったと強く感じる。ぶっちゃけ上演時間の1時間45分が40分程に思えるくらいには面白かったと思っている。
そしておそらくだが、あの終わり方であれば、数年後続編が公開されることは間違いないだろう。
その時に私たちの住む現実世界の新宿はどう変化しているのか。冴羽獠と海原神の決着はどういった形で着くのか。今から考えるだけで楽しみである。
![](https://assets.st-note.com/img/1697639150337-p4HT5Sxi7L.jpg?width=1200)
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?