新年

年末年始をただぼんやりと過ごし、正月らしいことは実家の親に「あけおめ」とLINEをした程度で終わった。

おせちだの餅だの、買ってないしそもそも食べる気もなかったのでカレーを食べていた。

家のすぐ側に、大きくはないがまあまあ立派と言える神社がある。
例年であれば参拝待ちのものすごい長蛇の列が出来ているのが、時勢ゆえ嘘のように誰もいなかった。

年始休業で店の明かりが消えているのも相まって、いつもよりもずっと静かで暗くて寒くて、なんとなく寂しさを感じながらコンビニでアイスを買って帰る。

1件だけ営業している、スーパー玉出のけばけばしいネオンの看板だけが浮き上がったように眩しかった。

若手芸人と思わしき2人組がビールとタバコを片手に玉出の前でネタ合わせをしていた。

じいさんが古い自転車を若干おぼつかない運転で漕いでいた。危ね。

新年が明けた気はまったくしない。

カレンダーアプリに初々しく表示された2021の文字への薄い違和感を抱いたまま、まもなく1週間が経とうとしている。

無水カレーは温め直す際に無水のアイデンティティを失うので悲しい。

あけましておめでとうございます。

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