第91話「過去に支配された人」
この記事は、大貫智也のサラリーマン時代の話であり、影響を受けた本の内容から考えるシリーズである。
前回の話はこちら↓↓
https://note.com/nukki_0228/n/n2c3da342ee13
第1話はこちら↓↓
https://note.com/nukki_0228/n/n53efcebbdc9d
・決定論と目的論
・同じ過去でも、未来はなぜ違うのか?
哲人
「アドラー心理学では、トラウマを明確に否定します。
『いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも
失敗の原因ではない。
われわれは自分の経験によるショック(いわゆるトラウマ)
に苦しむのではなく、
経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。
自分の経験によって決定されるのでなく、
経験に与える意味によって自ら決定するものである』と。」
青年
「じゃあ、先生はわたしの友人が好き好んで
自室に閉じこもっているとでも?
自ら閉じこもることを選んだとも?
自分で選んだのではなく、
選ばされたのです。
いまの自分を選択せざるをえなかったのです。」
哲人
「違います。
彼のなかにはそう考えたい『目的』があるのです。
外に出ることなく、ずっと自室に引きこもっていれば
親が心配する。
親の注目を一身に集めることができる。
まるで腫れ物に触れるように、丁寧に扱ってくれる。
彼にかぎった話ではなく、
われわれはみな、なにかしらの『目的』にそって生きている。」
たとえば、ある人の過去に、
両親の離婚という出来事があったとしましょう。
これは、18度の井戸水と同じ、客観の話ですよね?
一方、その出来事を冷たいと感じるか温かいと感じるか。
これは『いま』の、そして主観の話です。
過去にどんな出来事はあったとしても、
そこにどんな意味づけをほどこすかによって
現在のあり方は決まってくるのです。
青年
「問題は『なにがあったか』ではなく、
『どう解釈したか』であると?
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人はできない理由を探す天才である。
これは自分も含めて、みなそうである。
なぜか?
それは過去にもできなかったからです。
確かに、過去を振り返り
同じ失敗を繰り返さないことは重要である。
ただし、過去にできなかったからといって
未来もできないわけではない。
あなたは、自分の未来を信じられますか?
続
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