2019.10.11 Bratislava
ブラチスラヴァはスロバキアの首都である。隣国オーストリアの首都ウィーンから電車で1時間ほどの距離で、気軽に足を伸ばせる都市だと思う。もちろん、この街にもタトラは生きている。
ブラチスラヴァ中央駅からまず向かったのは、ブラチスラヴァ城を背負う電停。ヨーロッパらしい町並みと、特徴的な城の形が一枚に収まる。少し待つと、プラハと似ているようで少し違う赤いタトラが姿を見せた。
首都だけあって、大通りには中高層ビルが立ち並ぶ。チェコとは元々同じ国だったとはいえ、感じる空気や表情はプラハとは全く違う。しかしトラムの車両は同じ。同じ車両を別の街で撮影することに意味はここにあるのではないだろうか。
ビル街から徒歩10分、系統が分岐する交差点に来た。3系統だけがこの木の下を通るようだ。この系統は利用者が多いからか、低床車と角タトラの運用が多い。いずれにしても色は赤で統一され、街と調和している。青空の下、太陽に照らされる赤とベージュの車体は映える。
ブラチスラヴァ市電の見せ場の一つ、ブラチスラヴァ城直下のトンネル区間。ほぼ市電の専用トンネルだが、細い歩道もあり一応併用軌道となっている(トラムが迫ってくる狭くて暗い場所なんて通りたくないが)。通るのは循環系統のみのようで、この日はほとんどが新型低床車の運用だった。とはいえ、赤と黒のこの車体も悪いもんじゃない。撮影していると客や運転手が手を振ってくれた。
少し中心部から離れた場所までやってきた。郊外に抜ける国道上といったところだろうか。天気は相変わらず良い。3系統と7系統が通る区間で、7系統にはT3を改造したと思われる謎の連接車が多く運用されている。ファインダーを覗いてカメラを構えること十数分、3編成が入り交じる瞬間を切り取ることができた。
ブラチスラヴァはウィーンやプラハに比べるとマイナーな首都だと思う。トラムを狙うという意味でも、プラハには劣る。しかし、様々な街で様々に活躍している姿こそがタトラカーの魅力。その意味で、手軽に行ける首都としての価値は大いにあると私は思う。普通に歩いてて楽しい街だし。