2022.06.13 仙台市地下鉄
せっかくの平日連休だが、あいにく梅雨時。全国的に天気予報はイマイチ。本当は伯備詣にでも行きたいところだが、わざわざ遠征してロケハンに徹するのももったいない。であれば行くだけでも意味がある場所を選びたい。大学時代を過ごした街、仙台は私にとって第二のふるさと。久々に行きたいところも山ほどある。晴れればラッキーの気持ちで仙台空港へのチケットを抑えることにした。
12日から仙台に入り、果たして13日は悪くない天気だった。晴れプランとして用意したのが地下鉄南北線。1000系も気づけば車齢30年を超えていて、2024年度からの置き換え計画が発表されている。とはいえ葬式鉄が押し寄せるような車両でもなく、じっくり撮れそうなのも私にとって大きな魅力。まずは定番の黒松の地上区間に向かい、池越しの高架線にカメラを向けた。
この地上区間を俯瞰的に撮れる場所があるらしい。たしかにこのあたりは、沢が地面を侵食してできた崖がある。線路沿いや崖の上の住宅地を歩き回っているとそれっぽい場所を発見。見上げる構図だと足元がなかなか見えにくいが、これだとしっかり撮ることができる。バリ晴れとはいかないまでも、青空を入れ込んだ構図を組んで、郊外の住宅街へと向かう電車をフレームに収めた。
遊具、いいよね。街中で見かけるとついスマホのカメラで撮ってしまう。この高架線沿いにも実に「ちょうどいい」公園があり、適度に古ぼけたうさぎが子どもを待っていた。来たのがこんな変質者で申し訳ない。公園の撮影ももちろんだが、うさぎ越しに高架線を走る車両も収めてみることにする。
北のターミナルにして、泉区の中心地・泉中央駅。高架線を走ってきた列車がそのまま河岸段丘に突っ込むため、ホーム自体は地下にあるが、地上の光も差し込む不思議な雰囲気の駅である。この光の加減はファインダーを通すとより面白く作用する。ホームの陰影に加え、ワンマン運用の地下鉄では珍しい、運転手が目視確認をしてのドア扱いも撮影。始発駅ならではの光景が見られた。
黒松駅も同じく半地下・半地上の駅である。なんとなく北総線の秋山駅みたいな雰囲気。ホーム端から望遠レンズを覗くと、トンネル躯体に入ってくる様子を写すことができる。振り返り、ホームを去る列車に目をやると、こちらも外光を浴びつつトンネルに潜る独特な雰囲気を味わうことができた。
朝行った池の反対側の遊歩道から線路を見ると、ちょうどここだけ木々に隙間が開いていた。なかなかここまで前面を強調した写真を撮れていないのでありがたく撮影。そのまま台原森林公園を散策して旭ヶ丘駅まで歩き、ホーム端から線路を見ると、これも外光が差し込む特徴的なトンネルになっていた。闇鉄ができるほどの高感度カメラではないが、これくらいなら戦えるだろう。独特な雰囲気を走る緑のラインの車両、けっこう良いぞこれ。
仙台市地下鉄の案内看板はなかなか特徴的なフォントをしている。日本語フォントは微妙なレトロ感もありつつ、英字フォントも看板で使うものとしては珍しいものだ。2015年の東西線開通時期に今風のものに更新された看板も少なくないが、駅によってはかつてのフォントが残されていた。撤去される前に記録しておこう。
最後は西日目当てで東西線の国際センター駅へ。この広瀬川橋梁などは開業前の公開で歩いて渡ったこともあり好きな構造物ではあるが、いざカメラを向けてみると架線柱が邪魔だねぇ……。しかも東の空は青空でも、西の空はゲリラ雲が数分単位で攻守交代を繰り返す猫の目天気。6分間隔の電車とはなかなか息が合わず、この1枚で撤退を余儀なくされた。