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2019.01.19〜20 石勝線夕張支線

毎年のことだが、冬は常に天気との"にらめっこ"だ。降雪はもちろん青空も猫の目でゲリラ的。どこで晴れてどこが雪なんて住まなければわからないほど。机上の空論はやめ、数打ってカットを稼ぐも正しいのだろうが時間と財布がそれを許さない。御託はさておき、廃止日が3月末に迫った夕張支線が喫緊の課題となっているのは界隈みんなそうで、この週末も誘いのまま夕張の地へ向かうことになった。

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2019.01.19 南千歳〜駒里(信)
Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

千歳は気温は下がるが天気は安定している……これが私の知る限りの千歳空港ができた理由の一つだ。友人を新千歳でピックアップし、小手調べに石勝線の跨線橋でファインダーを覗いてみた。この時点では天気は晴れ。雪はこの時期にしては少なく見える。この天気が山の向こうの夕張にも続いているといいが。


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2019.01.19 清水沢〜鹿ノ谷
Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

案外願いは叶うものである。夕張支線は悪くない雪の量と、悪くない好天。まずは夕張行きの列車をトンネル飛出しで抑え、沿線随一のお立ち台である清水沢の俯瞰にアタック。先陣の轍の跡を追うこと10分、眼下には凍てつく川と2本のレールが広がった。正午過ぎとあって着雪はベストとは言い難いが、滑り込みの日程としては上々である。夕張からの返しをおいしく仕留めた。


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2019.01.19 鹿ノ谷〜夕張
Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

秋口に開拓した墓地俯瞰。冬場も墓参りに来る人はいると思っていたが、まったく除雪はされていなかった。車から5分とかからず行けた場所も、雪があればスノーシューを履いて30分コース。雪景色は好きだが長靴に入り込む雪は冷たく痛い。すでにあたりは暗くなるが、街も同じくらい暗い。やがて2つのヘッドライトが、動いているのかわからないほどゆっくりと近づいてきた。音も聞こえないほど遠くからその姿を見守った。


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2019.01.19 鹿ノ谷駅(1枚目)
2019.01.19 清水沢駅(2枚目)
Nikon D7200 AF-S DX Nikkor 35mm f/1.8G

夜。雪がしんしんと降り積もる。鹿ノ谷駅裏手からは、街の灯りと駅の灯りが見下ろせる。そこに列車の灯りが加わった。舞う雪をアクセントに添えて切り取る。運用の都合とはいえ、日高線色で少し笑ってしまった。そのまま清水沢駅の跨線橋に移動し、窓の灯りを雪が反射する冬らしい1枚を目指す。夕張の市内はオレンジの灯りが印象的だ。炭鉱街時代の名残なのか、それとも思い出がそうさせるのか。私の思う夕張らしさの一つである。


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2019.01.20 鹿ノ谷〜夕張
Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

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2019.01.20 清水沢〜鹿ノ谷
Nikon D7200 AF-S Nikkor 50mm f/1.8G

翌朝も鹿ノ谷からスタート。天気は曇りで着雪もなし。比較的ハズレな天気なのは言うまでもない。とりあえず雪山によじ登り、カーブで手堅く撮影。鹿ノ谷駅の跨線橋の長さが、側線を抱えていた時代を彷彿させる。
そのまま移動し、道道沿いからきのう見下ろしたS字カーブを狙う。着雪があればもっと美しい光景になるのは言うまでもないが、ないもんは仕方ない。夕張支線最後の冬をキハはゆっくりと駆け抜けていった。


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2019.01.20 清水沢〜鹿ノ谷
Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II

最後に向かったのはトンネルの真上、鹿ノ谷側の出口である。登って撮れる保証はなかったが、なんとなく登れそうだったので来てしまった。いざ登ってみると、奥に産炭施設の遺産だろうか、煙突も残っているのがわかる。薄暮の時間に差し掛かり、真下のトンネルから出てきた単行列車。テールランプの赤色が、青い雪と良いミスマッチになった。