2023.09.26 豊橋鉄道市内線
全国に点在する路面電車だが、豊橋はまだ訪れたことがなかった。路線の短さ≒ロケーションの少なさと、ラッピング車が多そうなイメージがあったからだ。しかし、この週は特別。ビール電車の役を終えた旧車・モ3203が青塗装のまま通常運用に入るという。期間は9/23〜10/1と激レア。せっかくだから見に行くのも悪くない。夜のうちに近鉄と名鉄を乗り継ぎ豊橋に向かい、ネカフェで夜を明かした。
豊鉄唯一の旧車モ3203は、夏はビール電車、秋は花電車、冬はおでん車として装飾され、なかなかそのままの姿で走ることはない。デフォルトは赤帯だが、今だけビール電車の名残りで青帯になっているというわけだ。位置情報サービスで入線を確認し、前畑の歩道橋で登場を待った。
線路は競輪場前駅より先、単線となる。そのため赤岩口方面に向かう列車の多くは、競輪場前駅の手前で駅前行の列車が出るのを離合待ちすることになる。この停車中は安易ながら撮影のチャンス。かつすれ違いも撮りやすい。太陽もだんだんと勢いを増してきた。元名鉄岐阜市内線の車両も撮りつつ、本命の青帯もGET。時代を超えた「岐阜市内線」の景色が見えたような気がした。
先ほどの青帯は競輪場前駅で折り返すため、そのまま振り返れば折り返しを撮影できる。ひさしの部分の反射がめちゃくちゃかっこいいのだが、切り取り方はなかなか難しい。とりあえず構図を合わせてなんとか撮影。なるほどこんな色に出るんだなぁ。
少し歩いて競輪場前駅から先の単線区間でカメラを構えた。街並みをぶち抜き、電線などをごちゃごちゃさせる構図はどうしてもやってしまう。街並みをうまく利用しているとまでは言えないものの、路地裏をトラムが走るような演出が好きみたいだ。
そのまま奥を見てみると、赤岩口行と競輪場前行が続行運転状態になっていた。どちらも元名鉄岐阜市内線の車両。珍しいのかはわからないが、面白いので一応パシャリ。このあと競輪場前行は営業所横の留置線に入線した。
一度豊橋駅前まで戻ってきた。駅前のペデストリアンデッキを見ると仙台や北千住、郡山あたりを思い出す風景だがここには路面電車がある。まだ光線的に影が難しかったが、駅を出る姿を抑えて満足。まあこんなもんだろう。
市役所周辺をブラブラする。豊鉄は日本で唯一国道1号を走る路面電車。R1らしさを出せる場所はあまりないが、無理矢理にでも1号のマークに合わせて撮ってみる。ついでに意匠がすてきな公会堂や、文字が癖に刺さる市役所前の看板と合わせてパシャリ。交通量がが多くて被りを処理するのは難しいが景色としては結構好きかも。
再び東田方面へ戻り、30‰の坂を撮ってみることにした。たしかにここを上る車両は唸るような音を立てて走っている。望遠で坂を強調したカットと、路地裏から傾きを見せる構図と色々撮影。路盤の石畳がいい雰囲気でとても良い。